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 小説の書き方の話

 ずっと前だと思うけれど、同様のタイトルのエントリーを書いたことがある。
 当時は結構、気軽に書いていたのだが、一ヶ月後ぐらいにその質問をした人の、深い悩みみたいなものを感じて、わたしは深刻になった。
 わたしはその質問をしている人を尊敬というのは大げさであるが、敬意を持って面白いことをやっている人と思っていた。その人が、なぜその質問をしたのかを考え、なにか触ってはいけないものに触れている気がしてしまった。
 それはとても痛切な質問だったのだ。
 わたしには、当時、それが分からなかった。

 どうしたら、小説が書けるのか。
 というか、小説体裁のものが書けるのか。
 わたしもあんまり自慢できるものではないが、少なくとも、ちゃんと絵が描けるというひとがこの日本にたくさんいるのと同じように、わたしは小説が書ける。もちろん、プロなんかと比べるのはもってのほかのレベルであるが。

 幸いにもわたしの文章は結構残してある。特に重要だった時期の文章は残っている。
 その文章を多少晒しながら、解説をして見たい。
 ただ、わたしは、その文章を見て、絶望した。
 わたしの書いた文章は、もっとも初期の文章でさえ、かなりレベルが高いのだ。
 少なくとも、小説をどうしたらかけるかと悩む人には、いきなり高いレベルのところから始まる。
 これは何でなのだろう。
 才能はないことは分かっているので、先天的なものではないのだが、ほんとうに、はじめからわたしらしい文体で始まってしまっている。
 わたしの視点では、わたしは始めて1年ぐらいでピークに達してしまい、そこからはあんまり伸びていないという感じがしている。
 まあ、よい。
 はじめてしまおう。

 わたしの文章を書いていた期間は、ほとんどがパソコン通信のniftyで発表したものだ。
 あんまり、そのうちの誰だったかは分からないように引用したい。
 たった4作の短編でピークに達している。
 その後もそれなりの短編を書いている。
 それを追ってみよう。


 第一作

 それから随分と長い間、チコは新しい橋守が嫌いだった。次第に橋守は小屋の外に出るようになり、誰とでも話すようになった。街の人々と打ち解けようとしているようであった。誰に対しても微笑み、誰に対しても気軽に話し掛けた。
 その親しげな態度はチコに対しても同様に示された。
 チコは無視した。
 誰に対しても心を開いているように見せるその男がチコは嫌いだった。完璧に自分の身の上を語り、完璧に自分の未来を語った。デル爺さんと正反対である。爺さんはとにかく無口で、よく街の人間に誤解された。決して過去を語らず、決して自分の境遇を語らなかった。だから、誰もあのお爺さんに家族がいることを想像すらしなかった。


 やや硬い感触がある。
 物語の展開ではなく、文章に注目して欲しい。
 改行の使い方があんまり上手くない。
 説明に注力している部分であるが、話題をなるべく広い範囲に広げようとしている感がある。また、かなり直接的に説明しようと努力している。
 もしかしたら、このレベルはなんとかみんな書けるレベルかも知れない。



 第二作

 実は、第一作から第二作までの間が、たった15日しかない。
 第一作を書き終えてから、第二作を書いているので、たった二週間で書いていることになる。あまりにもすさまじい進歩でびびる。

 カチリという音を立ててコタツのヒーターがオンになる。私はその無機質のサーモが感じ取った冷気を背に感じて、密かにその冷気を楽しんだ。
 母がテレビの内容に控えめの笑い声を上げた。弟が電話口に立って、先程からの会話を続けている。
 私は綺麗に白いスジを取り除いたミカンを一房、口にする。
 突然のようにミカンの香りが私を包み込み、私の意識を支配していた雨の匂いにじんわりと溶けた。
 私は、幼いころに父に連れられて行ったプロ野球のデイゲームを思い出した。
 ビールの匂い。トランペットの騒がしい音色。リズムを作りだしながら一斉に揺れるくすんだ青のマスコットバット。誰もがエースのピッチングに沸いていた。立派な口髭を生やした助っ人バッターの登場にさらに沸いた。その中で食べた冷凍ミカン。奇妙な熱気を吸い込んで気持ちがいいほど冷たかった。助っ人バッターがフォアボールを選んでから弟は冷凍蜜柑を口にした。弟は大袈裟なくらいの嬌声をあげた。


 冒頭の使い方がシンプルになる。
 また、音声、匂い、触覚、味覚、五感を使い始めている。
 どうやって、ここまで進歩したのかは、はっきり言って謎である。
 たぶん、北村薫を模倣していた時期だと思うのだが、すさまじくレベルが上がっている。「ビールの匂い」からの文節の使い方が、テンポ感を出している。正直、この辺ですでに完成気味であるのだが、もうちょっと見てみよう。


 第三作

 第二作の一ヵ月後の作である。
 ちなみこれを書いていたのは二十歳の頃である。

 また、車が流れ始めた。
 右頬の内側に張りついたストロベリー味の紐飴を舌で剥がして、口で転がした。
 4トントラックが荷台をガタガタいわせて、黒い排気ガスを吐きだす。セダンが軽快な音をあげて交差点を曲がる。緑のツツジの植え込みが、車をバックに向こうの公園で浮き立った。花を摘んで蜜が有るとか無いとか騒いだ友達を思い出す。
 また、流れが止まる。灰色のライトバンが残念そうに停止線を踏みつけ、自転車の子供が勢い良く飛びだした。
 少し遅れて、やっと歩き出す。
 私はそのデジャ・ヴュに似た感覚を脳裏で観察して、見覚えのある様な気がする黒髪の後ろ姿を思い出す。
 誰だったのか。夢で見たのか、どこかで会ったのか。記憶の深淵で疼くその後ろ姿の印象をストロベリーと一緒に転がした。香りがレトロに私を包み込み、記憶と夢の記憶が混ざっていく。
 低い背丈。やけに汚れた子供服。古風なおかっぱ頭。細い足首。
 (誰だったか)


 一気に老成気味な文章になる。たぶん、高橋克彦を模倣した文章である。
 あー、いや、そうだとはっきり書いてある文章があった。
 思考がかなり文体に影響を与えている。
 そういう書き方を勉強したのだろう。


 第四作

 この作は、一生超えることが出来ないと思える作である。
 この辺が、わたしのロールモデルである。
 ちなみに第三作から一年たっている。
 まあ、文章を見てみよう。

 ケンジはコンソロールの前に座り込んだ私の腕を取り、強引に引いた。
「いくぞ」
 叩き潰されたプライドを、身体を、無理やりに引き摺られる。
 片腕に手製のコンソロール・ボックスを抱え込み、もう片方に私を抱え込んで走り出す。
 どこへ逃げると言うのだろう。逃げ場なんてないのに。
 私有接続権の無断使用。
 罪が明らかになれば、もう一つの現実で生きる権利を、私は永久に剥奪される。
 プロのマスターのなる夢をかなえる事も、モンスターの操作も出来なくなる。
(ゴミ置き場の腐臭の中に、逆戻り……)
 退屈で、行き場のない世界に戻る事を想像して、身震いをした。折角、薄汚い自分の中に見つけた輝きの原石なのに。
「走れるか」
 低い声でケンジが聞く。
 気付くと、ねっとりとした空気が肌にくっついている。
 IMSの本社ビルの裏の道路に立っていた。侵入する時には落ち着いて見ることが出来なかったビルを仰ぎ、その映像では見慣れた姿を、不思議な気持ちで見た。隣で、滅多なことでは息を切らさないケンジが、肩を盛んに上げ下げしている。人通りは少ない。
 私は、ゆっくりと頷く。
「……よし」
 荒れた呼吸を収め、上背のあるその体をすっくと伸ばす。ため息のような声が、やっと、そう言った。


 今の文章にかなり影響を与えていて、コメントしづらいのだが、すさまじく無駄がない・・・。たぶん、こんなに文章力が変わるものかと思う人もあるだろうが、変わっちまったものは仕方ない。短文を多用している、使いやすい文章である。
 ちなみに、この文章は6週間で60枚というペースだった。


 第五作

 これは上手いのかどうかは分からない。
 ただ、これまでの作品の系譜はひいていると思う。
 重厚さを狙っている。



「ご苦労様。これはゆっくりと読ませてもらうよ」
 監視委員長が言った。ヤニとコーヒーの臭いが、その狭いガラス張りの個室に飽和していた。床に沈殿物でもこしらえたいのか、委員長は新たな煙草に火をつけ、深々と吸って、天井に吐きつける。
 それから、利かなくなったはずの鼻をひくひくさせて、しばらく黙った。手には俺の報告書が乗っている。
 俺は一刻も早く帰りたかった。薬の持続時間がそろそろ切れる。身体が耐え難い疲労感でいっぱいだった。疲れた頭の中では辞職届けの文面が踊っていた。俺の報告書を読めば、だれもがカオルの側を離れるだろう。カオルの街だ。だれも、迷いはしまい。他の連中はどうするのだろうかと、俺は考えていた。飲み仲間の顔が浮かび、仕事仲間の顔が浮かんだ。誰もがはじけ飛ぶのだ。はじけ飛んだ後の事はそれから考えればいい。
 委員長はほとんど吸っていない煙草をもみ消し、それから不思議そうに、用紙十数枚の報告書を見る。下着のカタログを見るようにぺらぺらとめくる。
「ふしぎだな、雨の匂いがする。そう思わんかね」


 これはディック・フランシス。
 第三作に近い。


 第六作

 これで最後しましょう。
 これはファンタジックを狙った作品。
 あんまり上手くない。

「この子、何才だい?」
 男が折り紙の猫を抱き上げ、聞いた。
「生まれたばかりだよ。だから怖いものを知らずに、誰にでも懐くんだ」
「君が作ったのかい? この子。キカイトシの人間は年端のゆかない子供であっても、何の変哲もない紙から生命を創りだすと聞いたが本当なんだな」
「紙だけじゃない。道具と知識が必要だよ」
 男はその言葉が気に入ったのか、顔中に満面の笑みを浮かべ、そして僕のほうに擦り寄ってきた。そして、沢山の事を話した。
 僕は男がシンセンというマチを探しているらしい事を知った。木々に埋もれた古い石造りの寺院がそこいら中にあるマチで、香煙と尖塔と坊さんのマチだと旅人は語った。音と言葉の神秘を探るマチなのだという。
 僕は場所を知らない事を告げ、そして自分のトシについて話した。
 真鍮で出来た偽物の黄金都市。歯車と蝶番で組み上げられた、巨大な多層的機械。常にどこかが動き、どこかが連結され、そしてそんな不安定な機械の中で人々は暮らしている。沢山のコンソロ−ルを持った管理者が玩具にしている、そんなトシの事を。
 男はその話を聞いて眉をひそめた。それから鼻をならし、何かを考えていた。
「いいものを見せてあげよう」
 男はそういって僕を引っ張っていく。何回も自動階段を乗り換え、昇り降りを
繰り返して、トランスファーのどこか知らない所に着いた。
「ここさ」



 典型的な失敗作。
 結構集中力なのだなと思う。
 本人なので気軽に言えるが、すさまじい駄作である。


 追記:

 ちなみに小説を書くときに一番時間が掛かるのが校正作業である。どんなに完成品がうまく書いてあっても、下手するとたった一箇所に30回ぐらい修正を入れていたりする。
 伸びているときというのは、すさまじい集中力で、文章のだめなところを見つけ、その微調整の仕方を発見し、どんどん文体を改造していたりする。これに狂的に熱中しているときが一番伸びたような気がする。
 三週間で60枚などと書いているけれど(六週間は間違い。三週間だった)、これたぶん、修正を入れると、数百枚分は書いている気がする。ばっさり切ったりとか、リトライしたりとか、設定を固めるために書いて落としたりとか、そういうことをやっている。
 今は、文体を整えるために、そんな熱狂的な集中力を注ぐことが出来ず、ほとんど成長していない。

 ただ、ずっと書いていた経験があるので、その残照みたいなもので、書けちゃったりするのである。ちなみにすさまじく速くかけているのは、校正をほとんどしないで、甘っちょろい文章でも、まー、いーかということにしているためだったりする。

 ただ、まあ100%のレベルが高いと、50%ぐらいで流していても、あんまりがんばっていない人の150%より、格段にレベルが高かったりする。
 プロが速くてうまいのは、基本的なレベルが高いから。
 あー、そうか(笑)。
 省力モードで試合をしているバドミントンのプロに、どんなに汗流して試合しても、素人が勝てないのとたぶん同じである。
 試合で根性論やインスピレーションが通じるのはレベル差があまりないとき。
 根性やインスピレーションは、練習や、練習試合や、日々に費やせばいいのだと思うし、試合のときは勝負に全身を集中したほうがよい気がする。毎日ワールドグランプリという状況は、少なくとも今のわたしには耐え難い。間違いなく伸びる環境だとは思うのですが、わたしは体質的にどこかで燃え尽きる体質なので、できるだけ避けている。

 日々鍛錬あるのみなのですが、あんま小説はがんばってないなあ、わたし。がんばっていた頃に比べると、さすがに劣る感じがしてしまう。劣っていても困ることはないのですが・・・。
 書くのはすきなのですが、もっと好きが今はたぶんあるんだと思う。
| 物語研究 | 01:43 | comments(0) | trackbacks(1) |









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