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古代ローマ落書列伝(1) カエサル篇
 昨今の、ネットの書き込みは、匿名性の責任ない言論を助長して問題である。
 また始まったよ、とへいへきしながらラジオを聞く。
 わたしはいつも、そのラジオを聞いている先のその空気の中にいる、キーボードの前にいる人物が、その人の論を木っ端微塵にできる十分な知識のある人物で、脊髄反射的に落書きできるという事に想像力が働かないのであろうか? と不思議に思う。
 怖がる必要はたった一つもない。
 ただ、ほとんど勉強もせずに、無責任な言論をラジオで、害毒のようにばら撒いているのであるとすれば、これこそが無責任であると思うのだけど。

 なぜだか30代になると、あらゆる権威を持った人々より知識がつく。
 少なくとも一分野では突出して知識がついてしまい、完全に追い越す。
 追い越してしまったあとに、なんだこいつは、ばかじゃないか? 何を言っているんだ? 勉強が足りなすぎると思うようなる。
 たとえば、直近の話であるが著作権を語るのに、なぜベルヌ条約を語るのだろう? TRIPs協定の方がクリティカルだし、ベルヌ条約を法制上無力化する方法ならわたしは無制限に片手で生み出すことができるし、それよりもローマ条約のほうが凶悪なのだけどわかってますキミたち、というか条文読んでるの?
 という感じ。
 もちろんそんなことをいうともっと勉強した人より、そういう君はベルヌ条約はちゃんと正文(つまりフランス語)で読んでいるんだろうね? TRIPsの正文は英語だけど、と反撃が来てしまい、あー、わたしの持っている知識なんて、所詮、30代の洟垂れ小僧の書きかじりだと思うようになる。
 ちなみに、TRIPs協定はWTOの条文なので、これを守らないと国際貿易から追放されてしまう。
 わたしはこの条文が、現在の世界のマスターコードだと思っている。
 このWTOルールで全世界が動こうと努力していて、そのルール上で、ルール違反国に対する、強烈な制裁措置が発動できるからだ。
 たぶん、小説一冊を読むより、短い文量の条文だと思う。
 わたしは全文を読んだことはなく、その知財法関連のTRIPs協定だけ知っている。

 それは、ここで読める。
 http://organization.at.infoseek.co.jp/wto/wto-jpn.htm


 と、つっぱっしってしまうのが30代の問題なのだろうが、本当に言いたいことはそこじゃない。
 えーと、何が言いたいんだっけ?
 あー、そうだ、ネットの落書きの問題だ。

 ローマ史をきちんと読んでいれば、落書きというのが、市民の声としてしばしば登場するのに気づく。
 特に、塩野七生にゴシップ作家と呼ばれてしまうスエトニウスのローマ皇帝伝には、異様に大量に記載されており、それがスエトニウスの生々しさを助長している。わたしは、ありとあらゆる伝記作家の中で、スエトニウスがもっとも好き、というスエトニウス・ラブな人間なので、あれなのだが、それを読む限りは、皇帝という権威に対する名もない反撃であるように思える。
 歴史は権力者により解釈されるが、落書きは現在に抵抗する、生の声だ。
 重要な定性データだと感じるのは、わたしがマーケティング屋だった経験があるからで、30代がいかに洟垂れだからと言って、それなりに力があるのは、そういうそれなりのバックボーンに支えられているからかも知れない。

 と、だらだらと論を書いても、だらしないだけなので、スエトニウスから、落書きだけを書き抜いてみようと思う。これが結構面白い。スエトニウスは落書き収集マニアだったんじゃないかと思うほどなのだが、わたしはそういうキッチュなスエトニウスが大好きで(笑)、その匿名の無責任な便所の落書きを残してくれた彼に、無限の感謝を感じる。


 ■カエサル

 以後カエサルはただ一切の国政を、勝手気ままにとりしきり運営したので、都では証人として何かに署名押印するさい、ふざけて文章の冒頭に「カエサルとビブルスが執政官のときに」ではなく、「ユリウスとカエサルが執政官のときに、これこれがなされた」と、同じ人物を氏族名と家名とで二度あげて記す人が現れるような始末であった。
 さらに次のような詩句も、やがて世間に広く流布した。
「最近、何が起こっても、ビブルスの年ではなくカエサルの年だった。
 だってビブルスが執政官のとき、何かあったという記憶はまったくないもの」


 これは著名な、「ユリウスとカエサルが執政官のときに」という気の利いたジョークなのだが、これは誰かが勝手に始めたようである(笑)。少なくともキケロが考え出したジョークではない。無名の落書きである。といっても公文書への落書きであるのだが。


 そういうわけで、ガリアの凱旋式のとき、カエサルの兵どもは、凱旋車の後をつけながら、いつもふざけて歌ったその他の歌詞とともに、世に広く知られたあの文句を、高らかにうたった。
「カエサルはガリアを、ニコメデスはカエサルを押さえつけた。
 みよ、ガリアを押さえ込んだカエサルが今や凱旋式をあげるのに、
 カエサルを押えたニコメデスは凱旋式をあげ得ないとは」


 これはカエサルが青年時代にニコメデス王の寵愛を受けていて男色の対象だったじゃないんじゃないかといういやみを言われ続けたことに対する、兵たちの反論である。
(ちなみに、スエトニウスは、兵に歌われるまで著名だったという記述をしている)
 続いて同じく兵の歌。

「都の人たちよ、女房を守れ。いま、われわれは、やかん頭の女たらしを連れ帰った。
 カエサルよ、あなたはローマで借りた金をガリアで放蕩に使い果たした」


 この詩句は、なぜか後半が引用されないようである。
 不思議である。
 スエトニウスは残した。



 民衆といえども今では現状を憂え、内々でも人前でも、カエサルの専制をなじり、自由の防衛者をしきりに求めていた。外国人が元老院議員に抜擢されたとき、こんな立て札が立てられた。
「国家に幸あれ。何人も新米議員に講堂を教えてはならぬ」
 こんな詩も民衆の間で歌われていた。
「カエサルはガリア人を凱旋式に導き、元老院にも導いた。
 ガリア人は長ズボンを脱ぎ、広幅の紫紅縞をつけた」


 広幅の紫紅縞は元老院議員のトーガのこと。
 ちょうどうでもいいけど、鮮やかな歌である(笑)。
 まあ、そうだ、ここで挙げている落書きは、日本で言うところの川柳みたいなものだと思ってもらえればわかりやすい。短歌、俳句、川柳。日本には短詩がものすごい膨大な数残され、今もみんながわいわいがやがやと楽しんで書いているけれど、ローマの場合は575のような定型ではなかったと思われる。
 長いものも、短いものもあるから、詩とは思えないのは日本人らしい認識だが、まあぶっちゃけサラリーマン川柳みたいなもんだと思えばわかりやすい。
 さて、スエトニウスの記述は続く。
 スエトニウスは、こういった落書きをひとつのコーナーで扱っているのである。
 こっちのほうがわかりやすいので、近いところは続けて書くことにする。


 任期三ヶ月の補欠執政官クイントス・マクシムスが劇場に入ろうとして慣例どおり、先駆警吏が道をあけろと命じると、民衆の中からいっせいに声があがった。
「お前は執政官ではない」
 護民官カエセティウスとマルルスが辞職させられたあとのはじめての選挙で、執政官としてこの二人の名を挙げた投票がかなりあった。
 ルキウス・ブルータスの像の台座に誰かがこんな落書きをした。
「今あなたが生きてくれるといいのに」
 カエサルの像にはこうあった。
「ブルータスは王を追放して、初めて執政官になった。こいつは執政官を追放して、ついに王となった」
 カエサルの暗殺を共謀した者は60名を超えた。首謀者はガイウス・カッシウス、マルクス・ブルータス、デキムス・ブルータスである。


 このスエトニウスの切り返しは鮮やかすぎて、ショックを受ける。
 うますぎるのである。
 そのうまさをにやにやしながら読む楽しみが、スエトニウスにはある。
 へぼな書き手は、王を追放して共和制をもたらしたブルータスと、同じ家名の者がカエサルを暗殺した、などと書くのだが、事実を生の声と同時に記載する編集のほうが、よっぽど気が利いている。説明は要らない。事実のみを記載すればいい。
 ローマ市民は、執政官制度を愛していたのだろう。
 アメリカが大統領を愛するように。
 日本人は、安部総理が総理大臣だった年なんてことは書かないか(笑)。
「ニクソンの時代に」
「レーガンの時代に」
 とかくと、アメリカ人がいかに大統領を見ているかがわかるかなぁ。
「小渕総理の時代に」
 とは誰も書かない。
 少なくとも時代は小渕総理が作っているのではないのだなと感じる。

 雑文がすぎた。
 続こう。

 と思ったら、カエサルはもう終わりのようだ。
 続いてアウグストゥス。
 長くなったので、別エントリーとしておこう。




 おっと、スエトニウスのようだなぁ。
 スヴェトニウス、スベトニウス、スエトニウス。
 わたしはどうもスベトニウスと書いてしまう癖があるのだが、まあ、塩野七生を、塩野七海と書いてしまいわたしなので、まあ、許してほしい。
 たぶん塩野七生は「海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年」があまりにも衝撃的すぎて、この人は海の人と勝手に思っているところがあるのかもしれない。


| 雑記 | 00:15 | comments(0) | trackbacks(0) |









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