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『要素による解析基礎 「決まり事(世界観)」上』
 えーと、全角40行フォーマットがこの連載のデフォルトだったので、本家サイトには近日中に載せますので、読みにくいのはご勘弁ください・・・。


 ■ ―― ■ ―― ■ ―― ■ ―― ■ ―― ■ ―― ■ ―― ■ ―― ■ ―― ■
                          第十七号   2018/03/07
   「 物 語 解 析 」
    〜 要素による解析基礎 「決まり事(世界観)」上〜

 「今号を要約!」 

  - - - -< 今号の中身をピックアップ! > - - - - - - - - - - - - - - - - -
 《 本文 》                          《ページ&
                                 落書き欄》
                                 (^_^;

   01:はじめに                       :[ 01 ]
     ──キーワードは、彼らにとっての一般常識(一般常識世界)は
       どこにあるのか

   02:要素による解析ってなに???             :[ 02 ]
     ――簡単ではありますが、説明しています。

   03:解析術講座 「要素による解析「決まり事(世界観)」上 :[ 03 ]
    03-01:「彼らにとっての現在は、いつなのか」       :[ 03-01 ]
        ――時制を意識すると、世界が説明しやすくなる。
    03-02:「これってドラえもんに当てはめると?」      :[ 03-02 ]
        ――マーケティングの話になります。

   04:解析術講座 「実際の、最近の現実作品に当てはめてみる」:[ 04 ]
    04-01:「では実際に現状の物語はどうなんだろう」     :[ 04-01 ]
        ――たぶんこのパートが今回のクライマックスです。
    04-02:「君の名は。の世界観」              :[ 04-02 ]
        ――隔離が本質。
    04-03:「宇宙より遠い場所の世界観」           :[ 04-03 ]
        ――ほんとうにパラレルワールド? な、リアリティ。
    04-04:「ユーリ!!! on ICEの世界観」           :[ 04-04 ]
        ――現実に影響を与えていすぎて、すごいw
    04-05:「ガールズ&パンツゥアーの世界観」        :[ 04-05 ]
        ――ミリオタ受けするディテールと、
          ふわりとしたファンタジー。
    04-06:「天空のエスカフローネの世界観」         :[ 04-06 ]
        ――異世界移転ものの傑作で、恐ろしく濃い。
    04-07:「初代ガンダムの世界観」            :[ 04-07 ]
        ――放映当時言われていた未来予測を絵にしただけ。
    04-08:「逆襲のシャアの世界観」             :[ 04-08 ]
        ――結局誰も、これが最終決着だとは思っていない、最終盤。

   05:おわりに                       :[ 05 ]
     ――ざっと洗ったぐらいでは語れるはずがない。

 ■ ―― ■ ―― ■ ―― ■ ―― ■   http://story-fact.com/mk_log.php ■


 ● 01 ● はじめに                      :[ 01 ]
  ̄ ̄ ̄ ̄
  こんばんわ! hikaliです。
  えーと、ずいぶん間が空きました。
  前回が2006年ですか。12年の間に6回の入院をして、同じ回
 数手術をして、3回が鎖骨の遠位端骨折で、3回が心臓手術なの
 ですが、1回死を覚悟しました。
  あれ、ちがう。
  7回の入院だ。
  最後の入院は手術がなかったので、なんかカウントするのを忘
 れたというおかしな状況になっています(^_^;

  前回の書き方を確認しますと、あー、まー、よく分かってない
 状況で書いたっぽいけど、そこそこきれいなガイダンスになって
 いて、これはイキだなと思いました。
  12年前ですぜ。
  わたしは酔って書いた自分の文章に、経験則的に絶大な信頼を
 おいています。この時の状況がどうだったかは流石に覚えていな
 いのですが、思いがけずちゃんと書いていて衝撃を受けた、とい
 うのが正直な感想です。なので、12年も前の文章ですが、これ
 を正典と認めて、そこから続く議論をしてみたいのです。

  具体例として大長編ドラえもん(この物語解析ではこれでもか
 というぐらい登場するのですが……)を実験台にして、その大ま
 かな全体の把握の仕方で、いったいどれだけいろいろなことがわ
 かるようになるのか、を検証してみたいと思います。
  キーワードになるのは、
 「彼らにとっての一般常識(一般常識世界)はどこにあるのか」
  です。
  まずは、その話からしてみましょう。


 ● 02 ● 要素による解析ってなに???            :[ 02 ]
  ̄ ̄ ̄ ̄
  これまでの物語解析では、物語は「人物」「舞台」「道具」
 「決まり事(世界観)」の四つに分かれ、その四つの働きを調べる
 ことにより、物語をかなり正確に把握できるというお話をしてき
 ました。
  「人物」に関しては、第六号、第七号を通して、「舞台」に関
 しては第八号〜第十一号まで、「道具」に関しては第十二号〜
 第十五号まででお話したと思います。

  前回から、「決まり事(世界観)」のお話をしています。
  ちょっとディープな世界観のお話を楽しんで頂ければ、
 嬉しいです。

  もし、前々回以前の内容がお読みになりたいという方がいらっ
 しゃいましたら、物語解析ホームページにバックナンバーがあり
 ます。もしご興味がございましたら、ご覧いただければ幸いです。


 ● 03 ● 解析術講座  「要素による解析
  ̄ ̄ ̄ ̄        「決まり事(世界観)」上」      :[ 03 ]

  さて、ぽーんと無造作に投げ込んであるのですが、

 「彼らにとっての一般常識(一般常識世界)」

  とは何のことでしょう?
  「一般常識」と「一般常識世界」がわざわざ分けられているの
 で、当然にコレは別のものとして考えているのですが、具体例な
 しに考え始めてしまうと迷宮に迷い込みそうです。
  さらにこの概念は単独で存在しているのではなく、

 「彼らにとっての一般常識(一般常識世界)はどこにあるのか」

  と

 「彼らにとっての一般常識(一般常識世界)」は「どこにあるの
 か」とたいへんやっかいそうなふたつの疑問の交わる地点を考え
 ているのがこの命題なのです。そして、わたしはこれが「世界観
 (決まり事)」の定義の中心部分にある、と言い始めていたりす
 るのです。

  さて、「彼らにとって」の「彼ら」とは一体誰のことでしょう
 か?
  主人公のことでしょうか(当然に、主人公って誰だ? という
 話になるのですが)?
  それとも周囲を含むこととして、どの範囲まで含むのが一般的
 なのでしょうか?
  あなたが大好きなマンガ、映画、ゲーム、演劇、ドラマ、小説、
 アニメ、オペラ、歌舞伎、落語、能と思い浮かぶ物語を片っ端か
 ら考えてみて、自分でじっくりと考えて見るのも、とても楽しい
 ことです(ちなみに古典物語をわざわざ挙げているのは、研究が
 進んでいて、ある程度定形に近い標準的な型が出来上がっている
 からです)。

  わたしが無粋にもその楽しい時間をぶった切ってしまうのは忍
 びないので遠慮するのですが、冒頭でも述べているとおり、本稿
 では物語の標準テキストとして、大長編ドラえもんを使用するこ
 とを述べています。具体的には、

 「のび太と恐竜」「のび太の宇宙開拓史」「のび太の大魔境」
 「のび太の海底鬼岩城」「のび太の魔界大冒険」
 「のび太の宇宙小戦争」「のび太と鉄人兵団」「のび太と竜の騎士」
 「のび太の日本誕生」

  を標準とすることを予定しています。
  ですので、これを当たってみるのがもっとも手っ取り早いので
 すが、まあ無粋といえば無粋です。
  ただまあ、どこへいっても電子版はありますし、中古本は送料
 以外かからない値段になっているのが普通というほど潤沢に流通
 しているシリーズです。この機会に聖典として揃えてみるのもぜ
 ひぜひにとおすすめしてみたくなってしまうシリーズであります。

  まあ、お手にとってみて、どんな物語なのかを考え始めると、
 あれ、これ一筋縄ではいかなくないか? と思えてくるのです。
 まあ、その話はのちほどにしましょう。


 ○ 03 ○ 「彼らにとっての現在は、いつなのか」 ○ 01 ○    :[ 03-01 ]

  世界観の範囲を把握するのに我々がいる「現在」から比して、
 どのような時間にあるのかを真っ先に取り上げるのは、それがわ
 かりやすくて誤解する要素がほとんどないからです。

 「この物語はいつの話でしょうか?」
 「戦国時代です。戦国大名の家臣のお話です」
 「歴史物ですね?」
 「はい、現代人が戦国時代にタイムスリップする話です」

 さてこの場合の、「彼らにとっての現在」はいつなのでしょうか。

 「この物語はとても巨大なロボットが登場しますが、未来の話なの
 でしょうか?」
 「だいたい2015年ぐらいの話でしょうか(あれ、未来じゃない
 ぞwww )」

  お分かりかと思いますが、これはエヴァンゲリオンを現在からみ
 ると変になるという話です。

 「プレスリリースを読むと、使徒だの、ロンギヌスの槍だの、ずい
 ぶん創世記や聖書に出てくるキーワードがちりばめられていますが」
 「そうですね、簡単に言うと作り損ねた人類をもう一回作り直そう
 という物語ですから、そうなるのかもしれません」
 「S、F、ですよね・・・?」
 「いえ、神話です」

  エヴァの方はだいぶ混乱していますが、2015年という時代設
 定があるだけで、シンジくんが箱根の第三東京市にモノレールで
 やってきて、ヱビスビールを飲む上司とペンギンに拉致られて、ミ
 サトの宿舎でアスカになじられてMDウォークマンを聞きながらい
 じけるシーンまで浮かんでくるから不思議です。
  これは非常にシンプルに、「2015年のお話です!」と言われ
 たから、です。

  これ以外の情報は一切入っていません。セカンドインパクトの話
 も、第三東京市がなんなのかも、シンジの母が何を研究していたの
 かも、エヴァがなんなのかも分からないのです。
  なんとなく時代設定をすることの利点が見えたでしょうか(^_^;

  というわけで少し強引ですが、まず第一のまとめをしてしまいましょう。

 「世界観を説明するとき、その世界が現在より時代的にどれだけ
 離れているかを示すと、その世界が理解されやすくなる」

 「過去の時代の話なのか、現在の話なのか、未来の時代の話なのか」

  うん、強引だw 


 ○ 03 ○ 「これってドラえもんに当てはめると?」 ○ 02 ○   :[ 03-02 ]

  さてドラえもんも聖典ではなく通常の漫画である以上、このよ
 うなことをどこかでしているはずです。
  どこでしているのでしょうか。
  コミックスを注意深く読んでいると分かるのですが、ドラえも
 んというマンガは、ガンプラ(機動戦士ガンダムのプラモデル)
 や、スターウォーズ(まんまリ第6大長編リトルスターウォーズ
 なのですがw)が作中に登場します。つまりドラえもんというの
 は読者の(より的確に言えばコロコロコミック読者の)周囲では
 やっている遊びやおもちゃを次々と投入しているのです。
  創刊時のコロコロコミック(雑誌)にはまったく疎いので詳し
 い方にお任せするのですが、この雑誌というのは小学生の「今、
 はやっている旬のもの」のアンテナ雑誌のようなものを目指して
 創刊したのではないかと、のちのコロコロvsボンボン戦争にみら
 れるこの世代の覇権をめぐる戦いなどをみても、思ってしまうの
 です。

  そして、その創刊を担ったのが、ドラえもんでした。
  おそらく事実を告げられてもにわかには信じがたいと思うので
 すが、コロコロコミック創刊号のうち200ページはドラえもん
 の連載です。それが全体の3分の1なのか、2分の1なのかは
 はっきりとはしませんが、尋常ではないドラえもん依存の雑誌が、
 「小学生のいまのはやり」を追った雑誌だったとすれば、とうぜ
 んにドラえもんは、本編はなくても、カット提供などは頻繁にさ
 れていたはずです。これは週刊ジャンプの黄金期辺りから現在ま
 での編集をみてるいれば分かります。
  これをやっていないはずがない、と。
 (これは週刊ジャンプのコロコロ対抗雑誌、「最強ジャンプ」の
 作家先生の発言で確認されました。小学生の間で何が流行ってい
 るかを確認するには、コロコロを読むのが早い、という発言です)

  そうなると、
 
 「彼らにとっての一般常識(一般常識世界)はどこにあるのか」

  が、途端にわくわくと胸の疼くものになります。
  これは純然たるマーケティングなのです。
  当然に「お客様であるコロコロコミック読者の現在」=「彼らに
 とっての一般常識」となるのです。
  となると、物語上の時制は「今、この瞬間、沸騰している小学生
 の常識の間」となるのです。なんとなく『電脳コイル』(アニメ)
 を想起してしまったのは行き過ぎでしょうか。そんなおとぎ話チッ
 クな話にわたしには思えてきます。
  一応ドラえもんは、22世紀から現在の世界に介入が入った、未
 来からの干渉を特徴とする物語であるのに、実際の物語では22世
 紀側の都合というものがいっさい語られていません。本来であれば
 未来側に切実な理由があって、過去改変(これは大抵犯罪行為にな
 ります)をしようとするのが一般的だと思うのです、それがいっさ
 い語られていないので、22世紀が完全に「空気」になってしまっ
 ているのです。

  つまり「彼らにとっての<一般常識世界>」はけっして22世紀
 ではなく、「今雑誌を読んでいる読者の、この瞬間」となっている
 のです。
  極めて不思議なマンガです。
  なのでガンダム(ガンガルという名称)も出てきますし、スター
 ウォーズなんて映画(のび太の宇宙小戦争)にしてしまいました。
 このあたりは徹底しています。

  さて、ここでは意図的に<一般常識世界>と、なんの用語説明も
 せずに使いました。
  実はドラえもんにはもうひとつ特殊な状況が存在しておりまして、
 それを説明するとあら不思議、もう一方の<一般常識>との区別が
 何の説明もなしについてしまうのです(つまりサボりたいだけ、と
 も言うw)。

  わたしたちは(主にTRPGなどをやるひとたちは)、その滞在する
 星系の技術水準が、遅れているのか進んでいるのかを説明する時に、
 TECレベル(技術レベル)を目安にすることがあります。翻ってドラ
 えもんをみると、22世紀の最新機器が溢れまくっているわけでしてw
 タケコプターは使うわ、どこでもドアを使うわ、タイムマシーンも乗
 り回すし、もうなんど地球文明を滅ぼしかけたかわからないほどで(汗)、
 まるで殺虫剤を使う勢いで水爆とか取り出していたりするわけです
 (ドラえもんがネズミを怖がって何度かやっている)。

  のび太、ジャイアン、スネ夫、静香ちゃん、出来杉くんあたりにも、
 この22世紀の技術レベルというのは「一般常識」になっていて、ま
 るで電動アシスト自転車を使うように22世紀の技術を使い、それが
 空気になっているのです。

  このドラえもんというマンガは、
  1.読者とのコミュニケーションの手段としての世界観 → 現在
  2.物語の中で起こっている現実としての世界観    → 22世紀の日用品
  という、2本建ての世界観構造になっているのです。

  これが「基本ルールセットのドラえもん」ということができます。
 (この言い回しは、ガイダンスで物語の世界観をTRPGの世界観でとら
 えようとしたのに準じている)
  そして、「拡張ルール編」となる大長編ドラえもんとなると、さら
 にお話しが込み入ってくるのです(^_^;

  そこへ、なんの下準備もなしに突入すると、あまりも複雑で高度過
 ぎて(藤子F不二雄先生が)わたし以外はみな血塗れ死なんてことにさ
 えなりそうなので、ここは少しクールダウンしてもいい地点のはずで
 す。
  もう少し周辺の土台を固めて、細かくて気づかないけど重要な話*
 をぼちぼち拾いながら、大長編ドラえもん銀河というか宇宙並の深さ
 だなぁというところの入り口まで、なんとか匍匐前進していきましょ
 う。
  とんでもない作品が日本には、子供のおもちゃのように転がってい
 るものですねえ(^_^;
  たぶんスタート地点に立ったときに、ああ、ここって血塗れの戦場
 だったんだ、これって最新型の激戦地帯だったんだと、気づくはずで
 す。

  *一般人と専門家では、美術館での密室美術品強盗事件が起こった
 際に、みている世界がまったく違う、という話とか。


 ○ 04 ○ 「では実際に現状の物語はどうなんだろう」 ○ 01 ○   :[ 04-01]

  さて、ここまではドラえもん大長編を書いたのですが、これは80年
 代、90年代の話なるでしょうか。
  現在は2018年。
  この時間軸を自由にしてみて、過去、現在、未来を見てみることに
 しましょう。実のところ、この世界観の話はすればするほど細かい隘
 路が大量にあるのですが、これをぜんぶ網羅するとまったくキリがな
 いので、この物語解析の導入部分としては、「時制」だけに焦点を当
 てて、その性質を見ていくことにしましょう。
  これは単純に、細かいところをやり始めるとキリがないからです。

 ○ 04 ○ 「君の名は。の世界観」          ○ 02 ○   :[ 04-02]

  新海誠監督の「君の名は。」は大ヒットを飛ばした上に新たな時間
 軸を日本映画史に刻んでいます。といいますのは、この映画があらゆ
 る情報を総合すると、3.11の東日本大震災を前提とした映画であるか
 らなのです。
  ニュースZEROだったかの報道を信じれば、新海監督は震災後に被害
 を受けた名取市を訪れ、その光景を見て、もし自分がここにいたらど
 うなっていたのだろうと想像を巡らせて、入れ替わりのストーリーを
 思いついたと言います。
  その証拠として、君の名は。の登場人物には、被災地の地名が採ら
 れていたりします。当然に「名取さん」は物語上のヒロイン三葉の
 親友の女の子の名字になっています。これは、「君の名は。」が震災
 映画であるシグニチャーです。

  これは世界観なんでしょうか?
  じつのところ、ネーミングに関しては、それは世界観を構成しうる
 という発言を聞いたことがあります。これもわたしが好きな映画なの
 ですが「花とアリス殺人事件」の岩井監督が、このシリーズで、なに
 か神奈川の地名って漫画家っぽい地名が多いよね、という言葉遊びか
 らこれを始めて、気付いてみたら独特の世界観を生むことになってい
 た、という発言からもなんとなく伺えます。
  もちろんこれは単なる地名なので、おそらく映画を見た人はそれが
 名取市から採った名だとは、誰も知らないでしょうし、わたしもまっ
 たく知らないままその名前の音をなんの感情もなく受け取りました。
 受け取ったのは現地の人だけです。

  これははっきりというと、なんの意味もないんです。
  意味がない。
  これはとても重要です。
  意味が無いんです。
  これは、世界に発信するメッセージとしてナンセンスです。
  ただ、被災地がメッセージを受け取った可能性がある。
  そんな可能性まで、考慮しなければならないというのは、自己満足で
 す。たぶん新海監督は、それは自分のやり過ぎだと思うでしょう。こん
 なことは書きたくないですが、たぶん新海監督はこんな大袈裟な事態に
 なってしまったことに、こまっているはずです。

  話が無秩序に暴走するのでここでやめます。


 ○ 04 ○ 「宇宙より遠い場所の世界観」       ○ 02 ○   :[ 04-02]

  これ、誰書いたのと、五時間ぐらい問い詰めたいんですが(笑)、わ
 たしは全体の構成を考える企画部門と、実際の文章に落とす実務部隊を
 分けて作業をするので、こんな発言になっているのですが(^_^; この
 企画を考えた人は鬼畜ですね(笑)。ただ、この企画者の考えはわかり
 ます(まあ自分ですから・・・。そして走っているときの自分の発想に
 は全幅の信頼を置いています)。これは一番現実に近いところから話を
 はじめたかったんですね。

  「宇宙より遠い場所」は現実世界の女子高生たちが南極を目指す青春
 ドラマです。大変人気があり、2018年のアニメの中では(まだ2月です
 が)最高の作品になるのでは(覇権アニメと称呼されます)と目されて
 いる作品です。鬼畜だといっているのは、この作品が当然なんですが、
 まだ2月なので、終わってないんですね。つまりどういう結末になるか
 わからないのに取り上げるって何よ! というわけなのです(笑)。
  ただこの作品は、微妙にパラレルワールドなのです。
  たぶん、ファンのほとんどが気付いてもいないのではと思うぐらいに
 微差なんですが、南極観測隊が民間に払い下げられてる世界観なのです
(そして南極観測隊は、新基地を築いていてそっちに移転している)。
  作中では昭和基地と南極観測船しらせが民間に払い下げられていると
 いう表現しかされていません。なので、現在からしてみるとこれはもし
 かすると、数年後の世界なのかもしれないと、かなり苦しいですがいう
 ことも何とかできます(おそらく制作陣はそんなことも考えてないで
 しょうが)。それ以外の部分は地元(館林)民になんだこの再現度は!
 と驚かれるほど完全に館林です。わたしも現地民の撮影したモデルを見
 て、頭がくらくらしました。何十回も見直した光景が、現実の館林に存
 在している写真を見るだけで、くらくらします。現実と虚構の境がわか
 らなくなるのです。あの子達は(4人)実際に存在するんではないかと
 さえ思えてくるのは病気です。
  ちなみにシンガポールが扱われた回で、シンガポールの地元民に、な
 んだあのリアリティーは! とビビられていたことも、合わせてご報告
 しますw
  
  ただ、あれはパラレルワールドなんだよな。
  これはふしぎな感覚です。

  それはシナリオのよさも影響しています。わたしなどは最新話(これ
 を書いているときは6話。たぶんリリースするときは8話ぐらいまで進
 んでいそう)を見ながら、ちょっとこのパターンに頼りすぎだなぁ、な
 どと思ったりしましたが、それがわかるのはわたしが書く人だからです
 ね。同じことを書きながら思うのです。このパターンしかないのはわか
 るけど、これに頼りすぎだぞ、と。
  全13話なのは確定しているので、もう折り返し地点なのですが、い
 やー、これ期待にこたえるのきついぞ、とわたしまで胃が痛くなってし
 まいます(^_^;

  この辺にしましょう。


 ○ 04 ○ 「ユーリ!!! on ICEの世界観」       ○ 03 ○   :[ 04-03]

  まず当たり前なのですが、この作品に対しては絶賛しかありません。
  現在、ピョンチャンオリンピック中なので、フィギュアスケートの話
 題には事欠かないのですが、男子はともかく女子は、ロシア勢の圧勝が
 ほぼ予定されています。その中で、ロシアの女王(18歳だったか?)
 が親日的なパフォーマンスをしていて、当初はこれはいったい何なのだ
 ろうと思っていた(もっとひどいことを言うと、腐女子的に引っかかる
 ところがあったのかとか思ったり)のですが、「ユーリ!!! on ICE」を
 見た瞬間に全部が吹っ飛びました。
  「ユーリ!!! on ICE」は羽生結弦がロシアのプルシェンコに憧れを抱
 いていたのをそのプルシェンコが羽生を直接指導していたら、という妄
 想を基に書かれただいぶ腐女子受けをするように書かれたアニメです。
  2016年の覇権アニメとされています。

  このアニメで特徴的なのは、わたしがロシアの女王であるメドベージェフ
 さんが親日的な態度をとっても、何の違和感も感じなくなったことでしょ
 うか。だって、ビクトルは選手生命をなげうって(ネタばれに気をつけ
 ると、ラストは感動的です)ユーリのコーチとして時間を浪費するので
 す。プルシェンコは怪我で選手生命を絶たれているのですが、ビクトル
 は違う。ここがよく書けている部分です。
  羽生は全世界的なプリンセスですが、ユーリはぎりぎりでグランプリ
 ファイナルに残れれる、瑣末な選手です。プルシェンコが羽生を溺愛し
 たのとはまったく状況が違います。
  ちなみに、このアニメで創作された主人公ユーリのフリー曲の「ユーリ
 ・オン・アイス」が実際のグランプリ・ファイナルだったかで、実際に
 使われて話題になりました。ちなみに五輪では同じロシア出身のザキトワ
 選手に金は取られてしまった、女王メドベージェフ選手はツイッターで、
 「ユーリ!!! on ICE」の原作者のサインを貰って大はしゃぎしていたり
 しました(^_^; どんなアニメだよw

  話しすぎるとネタばれになるので、この辺にしましょう。
  ただ、羽生さんがいるおかげで、ぎりぎりリアリティーを保てている
 作品ではあります。

 ○ 04 ○ 「ガールズ&パンツゥアーの世界観」    ○ 04 ○   :[ 04-04]

  ここで、ガルパンかよ、なのですが(笑)、ガルパンは大洗女子学園の
 戦車道をたしなむ女子たちによる青春物語です。戦車による模擬戦が一種
 の武道になっている世界といえばいいでしょうか。大洗町では毎年のよう
 に関連行事が行われ、ファンが集まるイベントと化しています。アンコウ
 のつるし切りぐらいしか名物がないんですが、このアンコウに目をつけた
 人は切れ者ですね。

  この作品のすごいのは、艦コレという類似するコンセプトのゲームの大
 ヒット以前なんですね。
  これがヒットするとなぜわかったのか。
  ミリタリーと美少女を組み合わせる前例は、それなりにあるのですが、
 80年代とか、90年代とかの、しかもヒットしなかった企画だぞ、と
 思ってしまうのです。
  戦車道という、よくわからない部活にしてしまったのが素晴らしいとい
 うか、意味不明なのですが、たぶん熱狂的なファンでさえも、これのどこ
 がいいのかわからないのです。
  ガルパンの熱狂的なファンは「ガルパンおじさん」と呼ばれるのですが、
 彼らの布教活動は、なにか事があるごとに、「ガルパンはいいぞ」とつぶ
 やくことなのです。彼らはなぜいいのかを説明できないのです。

  わたしはいちおうガルパンは履修しましたので、ガルパンの何がいいの
 かは説明できます。
  それは端的に言って、戦車マニアを納得させるだけのディテールを、部
 活少女モノという、なんともライトな枠内で描いたことですね。
  また指折り数えるほどに個性的なキャラクターに満ち溢れていて、対戦
 相手となる各女子校が、イギリス、アメリカ、イタリア、ロシア、ドイツ
 と各国の戦車とお国柄を反映しているところも面白いところです。そうな
 るとロシアのコスプレイヤーが、ロシアをモデルとした学校のキャラクター
 である、カチューシャという、チビなんだけどひたすらに気だけは強い
 キャラのコスプレをしてファンを騒がせたりと、そういうことが起こりま
 す。
  ドイツがモデルとなっている決勝戦の相手である黒森峰が、実はこの学
 校は主人公の出身校で、最大のライバルとして主人公の姉が立ちはだかる
 という設定のため、ドイツ色があんまりないのが、ちょっと弱いところと
 言いたくなるぐらい。あとは極彩色というか、よくぞこんなに絵の具ぶち
 まけたなと言いたくなるような、色彩の豊かさがあるんですね。

 これ以上話すと、「ガルパンおじさん」になってしまうので、この辺で。


 ○ 04 ○ 「天空のエスカフローネの世界観」    ○ 05 ○     :[ 04-05]

  くそ、死ねw
  これ考えたの誰だw (わたしですw)

  天空のエスカフローネは、瞳という陸上部の女子高生が異世界に転移し
 てしまう物語です。瞳が憧れていた天野先輩に似ている(容姿だけなんだ
 が)アレンに、主人公であるバーンを放置して惚れてしまうという、なん
 だこの三角関係は、という物語構成なのですが、このお話は精査していな
 いんですね。
  たぶん、異世界移転ものとして、取り上げているのだと思われます。
 (無責任)

  全部見てないんだから、これで書けとか無理言うなよ。
  あー、うーん、もしこのエントリーが異様に遅れたら、たぶんそれは
 エスカフローネを観直しているせいです。2クールあるんだぞ、おまえ
 殺すぞ(企画担当の自分に言ってますw)、と殺意を覚えますw

  この作品の世界観はほぼガイアと呼ばれる異世界が舞台なのですが、
 幻の月と地球は呼ばれ、地球とガイアは瞳がしたように神隠しのような
 形で行き来があります。いちおう設定的には滅亡に瀕したアトランティス人
 が住み着いたのがガイアとされています。また、主人公が占いが得意な
 霊感のある少女に設定されているため、作中では超自然学的な方法で占
 いが絶大な力を持ちます。なんというか、瞳がレーダー役をするのです
 ね。
  また、これが面白いところなんですが、幻の月から干渉があるのです。
  たとえば序盤のシーンで、瞳のポケベルに幻の月(地球)から天野先
 輩からの通信が入るのです。地球から月への通信が、携帯の基地局レベ
 ルで届くはずがないのですが、まあなんというか少女マンガ的に届いて
 しまいます。
  ちなみにこの作品が描かれた1996年はポケベルの最盛期だとかのこと
 で、わたしは大学生でしたが、パソコン通信で小説フォーラムにはまって
 富士通謹製のOASYS POCKET3(ハンドヘルド・キーボード付き・PDAの
 走り)で、がんがん文章書いていましたね(^_^; 始めて導入した無線
 通信機器がピーイン・コンパクトというPHSのデータ通信用の端末でした。
  なので、明らかにポケベル文化圏の枠外にいたのですねw
  ぜんぶインターネット経由だったのです。
 (これは主な連絡手段がメールだったという意味です)

  ほかにも面白いのは、ガイアでは過酷な現実が見えてしまうために、
 致命的な状況で頼られるのが、嫌になるところなのです。
  また、アトランティスの設定が強力すぎて、これはほんとに2クール
 の作品かと驚くほど、密度が濃すぎて、エヴァンゲリオンが2クール
 だったというのも驚きなんですが、匹敵するぐらいには濃い。
  なんでこんなに濃くできるんだろう。

  また、非常に強力な設定として、運命改変装置、というギミックがあ
 ります。これは敵国であるザイバッハがアトランティスの技術を実現し
 たものとして登場するのですが、主人公&ヒロインである、バーンと瞳
 の仲を裂くために使われるのです。
  個別具体的にいえば、瞳が容姿だけで似ているとしているアレンと、
 結びつけることで運命を改変しようとするのです。アレンは紳士的で、
 非の打ち所はないんですが、瞳にたいして、それは違うだろ!!! と
 思わせる手腕はさすがです。
  しかし、これまで、色恋沙汰に装置的に干渉することで、物語を変え
 ようとした例があったでしょうか。これが衝撃でした。

  なんだか、何の話をしているのかわからなくなってきましたw
  実際には、これよりも進んだんですが、書いていてこれは終わらない
 なと思いましたので、ここで切ります。500行というと、だいたい原
 稿用紙50枚なんですが、100枚ぐらいは書けるなとかそういうレベ
 ルで、それは迷惑だろうという印象なんです。
  これは絶対ダメなので、やめます。

 ○ 04 ○ 「初代ガンダムの世界観」        ○ 06 ○     :[ 04-06]

  いきなりすごいところにきたなという、印象なんですが、たぶん多くの
 人が誤解していることは、初代ガンダムの世界観は、放映当時言われてい
 た未来予測を絵にしただけなんです。スペースコロニーもオリジナルでは
 ないし、小惑星帯から資源衛星を運んでくることもオリジナルではない。
  1970年代というのはそういう時代だったんです。
  ガンダム世界と言うのは、予定されていた、未来を描いた、近未来架空
 戦記なのです。
  そんな情熱を描いちゃった人って、かっこよくないですか?

  ガンダムはSFなのかといわれると、まあ、ハードSFですねと書く人は
 大体格好いいです。この人たちはたぶん、ガンダム・センチュリー派と呼
 ばれます。これは、ガンダム・センチュリーと呼ばれる、伝説的なムック
 で、ガンダムのハードSF考証した冊子が発行されて、プレミアがつきす
 ぎて再刊されたからです。
  これが基本的に、ガンダム世界観の基準点になっています。

  宇宙世紀は、あり得べき未来だった。
  それがわからないと、ガンダムはわからない。
  未来だと思っていた人はだれもない。
  それは来ると思っていた。

  ガンダムというか、ガンダム・センチュリーはそういう世界観だった。

 ○ 04 ○ 「逆襲のシャアの世界観」        ○ 07 ○     :[ 04-07]

  これまた、死ねと言っている。
  宇宙世紀のガンダム世界は恐ろしく話が複雑です。アムロがなんでシャア
 というか、 クワトロ・バジーナとの関係を何故か整理つけているのかとか。
 それは一切書いてない。
  Zガンダムにおいて、アムロとシャアは同僚なんです。
  でも、その間に何があったかは、一切の示唆がない。
  その両雄が、戦うにあたって、一切の情報がない。
  たぶん、続編に当たる、ZZに冨野がかかわっていないのが問題なんで
 すが、アムロもシャアもいなかった。そこから、アムロとシャアの最終決
 戦というのは結構無理がある。それでも、最高傑作とされます。それは、
 この最終決戦を見たい人が多かったからです。これを最終決着と思う人は
 一人もいません。

  これが面白いところです。
  誰も満足していないのです。
  それで、ガンダム世界は際限なく広がり続けている。
  これは面白い現象です。


 ● 05 ● おわりに                      :[ 05 ]
  ̄ ̄ ̄ ̄

  えーと、強引にエンディングですが、たぶんここまでちゃんと読んです
 べてを理解すべく挙げられた作品を見ている人はいないと思うのです。な
 ので、もしここまでとどいた人がいれば、おめでとうと祝福を送ります。
 そんなことは意味のないことですし、これを書いたのはそういう目的でも
 ありません。
  ただ単に、自分の中にあるものを限界まで絞り出そうとすると、こう
 なったと言うだけで、これに達していない人を軽蔑するとか意味は、一切
 ありません。でもさ、「電脳コイル」はどうなのとか、「SHIROBAKO」は
 どう思っているの? とか、「メイド・イン・アビス」に触れてなくて失
 望したわ、と言われる方がワクワクします。
 (当たり前ですが、見ている前提です)
  世界観の話題は深すぎて、こんなざっと洗ったぐらいでは語れるはずが
 ないのです。
  わたし個人が5時間は話せるとかそういうレベルではなく、月一で集
 まって合宿して、数千年語り合っても、常に新しい世界が生まれてくる世
 界です。これは恐ろしく楽しい話題なのだとわたしは思っていますし、だ
 れが決定版を出せるものでもないのです。

  いやあ、世界観楽しいわ。

  あ、次回以降はというか、次回は「のび太の魔界大冒険」の物語解析な
 ので、この圧倒的な名著がどう世界観を操作しているのかを、勉強しま
 しょう。テキストの用意はいいですか? 中古で買うと安いです。あらす
 じは一応書きますが、個人的な見解を押し付けるのは苦痛ですし、よんで
 るよね? という楽観的な観測のもとで書きますので、ご理解ください。


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