CALENDAR
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< May 2017 >>
本家STORY FACTサイト
NEW ENTRIES
CATEGORIES
RECENT COMMENTS
  • GB解析 -NG- トップをねらえ! 燃えろ! 国際マシーン兵器大会!! 戦闘大会・・・。
    hikali (05/21)
  • GB解析 -NG- トップをねらえ! 燃えろ! 国際マシーン兵器大会!! 戦闘大会・・・。
    マイケル村田 (05/17)
  •  『あらしにあこがれて』15
    hikali (05/02)
  •  『あらしにあこがれて』15
    hikali (05/02)
  •  『あらしにあこがれて』15
    綴 (05/02)
  •  『あらしにあこがれて』15
    綴 (05/02)
  •  『あらしにあこがれて』15
    綴 (04/29)
  •  『あらしにあこがれて』15
    綴 (04/29)
  • GB解析 -FG- 魔界塔士SAGA 冒険者たちのレクイエム 原作を忠実に追ってるかなあ
    hikali (04/27)
  • GB解析 -FG- 魔界塔士SAGA 冒険者たちのレクイエム 原作を忠実に追ってるかなあ
    マイケル村田 (04/24)
RECENT TRACKBACK
ARCHIVES
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS
無料ブログ作成サービス JUGEM
 
管理人hikaliの開発の日々の備忘録です。
本家はこちら。
http://plaza.rakuten.co.jp/hikali/
<<  ストーリーってなんだ! | main |  『あらしにあこがれて』7 >>
 『あらしにあこがれて』6


 わたしの工房なんてあったんだと思い出すのは、そこに来るのが半年ぶりだからで、ラスペの下町の断絶した貴族の元館にある。この周囲にしてはめずらしい電力線を引いていない屋敷で、工房が息を吹き返すと蒸気機関がものすごい黒煙を吐いて、発電を始める。
「ルナさま! お久しぶりです!」
 顔を見せると、各工房に援軍として送っていた従事が帰ってくる。
「特急で蒸気機関を作るわよ。わたしは数日しかいれられないから、そこは徹夜だと思ってちょうだい。日がないの。シャビに飛ばなければならないの。図面書くから、シャビに行っている間に仕上げて。テストと最終調整は顔出すから」
 部品数にして数百の蒸気機関を数日間で作るなど気が狂っている。
「とりあえず、基本となる部品から作って、ネジとか歯車とか。めったなことでは変わらない部品から。難しい所はおって設計するから。あと材料は最高級のものを使って。とにかく故障しないことが大前提なの。これはモーターとポンプの工房にも言っておいて。この装置は鉱山用のものだから壊れたら、直しに駆けつけなければならなくなる。鉱山は山奥にあるの。ちょっとしたリード線の破断ぐらいで、山道を数日登りたい?」
 ルナは方針を出すと、机に向かって、サウス語の写本を片っ端から漁る。
 蒸気機関のトレンドは理解している。シリンダーを増やす方向なのは分かるのだが、それを無駄なく連動させる方法がわからない。しばらく考えて、シルバに助けを求めたくさえなった。
「考えてくる」
 ルナはそう言って、館外に出る。
(あ、そう言えば、蟹伯爵、めんどいなあ)

 ラスペ一流の料理人の料理は前菜から刺激的で、パトロンになって欲しい面倒な貴族は上機嫌だった。ワインが注がれると、すこし酔ってセクハラまがいのことを言い、それぐらいは気にしないけれども、世間話をして、だいたい利益の源泉になりそうな事物たちの話をする。
 それは、工房の現状であったり、だいたい儲からなそうなとこを紹介するのだが、飽き飽きしてくると、本筋に入る。
「実は、お金になりそうなところがありまして、出資をお勧めするのですが」
 表情が少しだけ微動する。
「シルバくんは関わっているのですか?」
「はい、本家本元です。これをいい出したのはシルバです。だから、」
 自信がある。ルナは鮭のムニエルをナイフで切って、口どもる。
「バカバカしい話に聞こえるかもしれませんが、彼は鉱山の出水で奴隷が死ぬのが我慢ならないのです」
 表情が動く。
「奴隷は安くないですからね」
「それで、機械で代わりができるのであれば、安くなるのではないかと。機械は文句を言いません。病気もしません、あ、いえ、故障すれば修理するものが駆けつけます、暇ですし。それよりもうちの工房の物は壊れません」
 その貴族はしばらく考え、いくらですか? と聞く。
 だいぶ盛った価格を言うと、しばらく考える。
「うちで試してもいいでしょう。ただ、噂は広めますからただでお願いできますか?」
 こすっからい。
「本来10万グロアのところを、長い付き合いの機微でただならどうでしょう?」
 これができるのはシルバがキャッシュを稼いでいるからだ。
「本来10万グロア」を差し込むために、この交渉はある。たぶんこの浅はかな商人は、自分は10万グロアを浮かせたと喧伝するはずだ。そうすると正価が10万グロアになる。
 感謝してよねと誰もにいいたくなったけど、誰もこんなことは聞いてくれない。
「これは商売上手なお嬢さんだ。あなたの美貌に乾杯して、了解することにしましょう。今夜は長いと思っていいのですか?」
「今夜は忙しいので。蒸気機関を任されました。最高のものを仕上げなければ」
 なぜだかわからないうちに、商談はだいたい成功し、うんざりする面倒、酒に付き合うという面倒だけが残った。まあ酒は強いけど、それは自慢にはならない。だいたい酔い潰すのがミッションになる。
 出て来る料理に話の花を咲かせながら、とにかくお酌をする。
 恐ろしくつまらない仕事だよねえ。

 シャビに向かう船には常にバラの花束がある。
 それはシャビが、自国の名産を常に来港者贈っているからであって、シャビ行きが華やかな理由になっている。その香りを嗅いでいると、シャビに探していた楽園がある気にさえなってしまう。
 シャビに向かう船団は定期便で、ラスぺとシャビの間を往復している。2つのジャンクションをつなぎ、荷をおろして、荷を積み込み、また帰ってくる。
 シャビにダマスカス鋼があるかどうかは、まったくわからない。
 それでもぜんぜんお金にならないなあと考えると、だいぶ正気に返る。
 そもそも銃の銃身にダマスカス鋼が使われることを、だれも求めていないのだ。
 書面に書いてあるから、ダマスカス鋼を探しているだけなのだ。
 こすからいタルボットはだいぶ慣れていて、茶も出さない。
 有料なのだ。
 それでしばらく歩いて、有料の茶をもらう。セレンは首をかしげる。
「料賃は払っているんですが・・・」
「タルボット舐めないで。飛べるだけラッキーでしょ? 彼らは商売人なの。お金稼ぎが商売なの。飛べたらいいじゃない。お金が重要なの?」
 セレンは諦めて、ため息をついた。
「でも、茶が5グロアっておかしくないですか」
 それは正しい。たしかに暴利である。ラスペであれば無料で飲めるかもしれない。ただ、この価格は、それがトランの浮遊船乗りであっても共通だ。わたしたちが特別に暴利を貪られているわけではない。トランの合理性は学ぶところが多くて、ため息をつく。どれほどわたしたちシドのほうが不合理なのか、と。
「変えてしまう? 不条理を全部取っ払う?」
 やけくそ気味に言うと、セレンは誰がやるんですかと聞く。
「セレン」
 冗談は言わないでくださいと叫び、わたしにはたったひとりしか頭に浮かばなかった。
「野ばらのあの人はどうかな・・・。わたしは全否定したけど」
「て、テロリストでじゃないですか」
 うん、否定しない。
 彼女はいつもめちゃくちゃすぎて過激で、主流に落ち着くとは思えない。ただ、シルバが、あのなんにもないやつが、落ち着かせたらどうだろう。わたしにするように、その激高する情熱を落ち着かせたらどうなるんだろう。
「あの人は大量の借金があって、交渉しやすいわ」
「ルナさまは、お金の話ばかりですね」
 うん、そう。
「でもどうかな、もし出資してもらえれば、いくらでもお金にしてみせると言えば」
 セレンはしばらく考えて、ヒステリーを起こす。
「わけがわかりません! お金がないんですよね! なんでお金が出てくるんでるんですか!」
 ルナは魔法の言葉を言った。
「信用があればいくらでもお金は出て来るの。絶対に返ってくると思われていると、借金は借金じゃない、わかる? わたしが借りたら、絶対に返ってくるの。これが信用。お金を借りられる秘密は全部これ。彼女には恐ろしく大きな信用の塊がバックに付いているの。だから変えられる可能性があるとすれば彼女だと思う。誰だか分かる?」
 さあ、とセレンは首を傾げるのを見て、おもむろに言った。
「大公よ。彼女は大公の古い盟友の姪なの、ただ一人の生き残りなの」

 死神リニーが歴史の表舞台に現れ始めるのは、シドの絶対的な権力者である大公が、前線指揮官に命じていたからで、特異なシルバを長とする組織になるまで、だいぶ長い変遷をたどる。
 城郭都市サイルを中心にする最前線の経緯が、一体誰が何だったのかを、説明するのも困難になる。サイルがどこだったのかさえわからない状態で、本来サイルと名付けれた太守を置く都市のことだったのか、離宮とも言うべき旧都の要塞のことなのか、それとも、これを包含したすべてが大サイルだったのか。それがわからない。
 戦いは同時多発的に起こり、何がサイルを守ったのかわからない。
 たぶん、ロットの整えた守りがサイルなのだろう。
 そうなると狭義のサイルになる。
 そもそもサイルを守るのは、ザブンテ軍の残党が主力という異常な私兵集団であって、それにシド蛮族の首竜の傭兵と、何故か絡んできた正規軍の3すくみで運営されていた奇妙な軍だ。
 リニーが優れていたのは、その3すくみを完全に統御していたことで、彼女の軍師としての評価が確立されたのはだいたいこの時期だ。国境線でのファーストコンタクトは、ボルニア側は軍神の降臨とはならなかった。これが、初戦をなんとかしのげた唯一の理由だと言う人もいるけど、それでも負った傷は大きい。
 シルバの砲兵兵団が、世界を変えはするのだろうけれども、それがボルニアの鉄鎖騎竜兵団と同等かと言われると、鉄鎖のほうが勝っている。それに鉄鎖の次王が組み合わされたら。あの超人的な機動戦をされたら、崩壊は明らかだ。
 籠城しかなくなる。


 シドの通貨単位であるグロアは、何度か言ってますが、だいたいドルです。
 ドル円のレートはだいたい80円から120円のレンジで取引されていますので、1グロア100円と考えると大体あってます。ですので、10万グロアなどと言っているのは1000万円です。また、5グロアのお茶は500円です。
 うは、暴利だ(笑)。
 この世界観の世界では工作機械(つまり機械を作るための機械)がほとんど普及しておらず、電力などの産業インフラも全世帯には普及していないので、機械はとても高いのです。例えて言うと、現在から50年前に1兆円をつぎ込んでスーパーコンピューターを作ったとしても、現在の1万円で買えるスマートフォンよりも性能が低いものしか作れないのに似ています。
 たとえばプレイステーション2(PS2)は6ギガフロップス、チェスのチャンピオンを破ったディープブルーは11ギガフロップス、PS4は1.84テラフロップス、地球シミュレータは35.86テラフロップス、京は10000テラフロップスです。PS2は2000年発売、PS4は2013年発売です。たった13年の間に性能が約300倍強になっている。たぶん次のPS5は地球シミュレータの性能を超えるでしょう。26年後にはプレイステーションは京の9倍以上になる計算になります。4万円程度で買えるゲーム機がです。
 こういう技術の進歩をなんとか盛り込める物語にならないかなあ、などと思いながら書いております(^_^;
 

| 自作小説 | 23:09 | comments(0) | trackbacks(0) |









http://blog.story-fact.com/trackback/1195982