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 『おもひでぽろぽろ』を観た。
 数多くの偶然が重なって、これまでジブリ主要作品の中で、唯一観ていなかった作品を観た。そして多分これがわたしには重要なのだが、これがマイベストジブリである気がする。
 物語の骨子はこうだ。
 都会の大手会社の職を持つヒロイン、タエ子は田舎にあこがれていて、10日間という長期休暇を取って、山形の山村で田舎に会いに行く。そのさなかに小学五年生当時だった幼い思い出がどうしても湧き上がってきてしまい、10才の自分と一緒に旅に出る。
 幻想的というよりは、リアリティーがありすぎて困ってしまったぐらいで、わたしもだいたいは何かをするときは、めんどくさいなあと思いながらも、幼い時の自分がいちいちうるさく口を出すのだ。

 この作品はだいたい40才近くなると、急激に心にしみるようになる作品のように感じる。なので、このヒロインのタエ子が27才だと知ったときは、いやー、27でここまでいけないでしょ・・・、と思ったのは確かだ。
 だけれどもそんな些細なことはおいておいて、特筆すべきなのは、これが初めて、そしてこれ以降もない、大人向けのジブリ作品、まあ風立ちぬはどうなのとかは話せそうだけど、それ以外は一切、大人も楽しめる子供向けの作品なのだ。
 そんな、大人に向き合った作品に目を向けてみよう。

 この『おもひでぽろぽろ』に向き合ったのは、ある作品の影響がある。
 それは小説で、いま2周目を読んでいる最中なので何とも言えないのであるが、たぶんその作品を説明するときにそれは『おもひでぽろぽろ』のようだといい、『おもひでぽろぽろ』を説明する時も、その作品のようだというと思う。
 自分は実は豊穣だったのだと、思い起こさせるというか、とても大切に過去を扱っている人々の物語なのだ。これは2周目が終わってから書く。
 『おもひでぽろぽろ』の稀有な部分を書こう。

 この映画は絶対にストーリーではない。
 些細とさえ思えてしまうような繊細さであって、小説で言うところのディテイルの描写だといえる。例えば序盤30分で繰り広げられる小学生時代のエピソードの数々、ただパイナップルを食べるというだけなのに、その空間に引き込まれてしまう。例えば、広田くんとのエピソード中で語られるクラス対抗試合の顛末、おもひで自体はかわいらしい話なのだが、気付くと広田くんが、なぜタエ子に惹かれてしまったのかが分かるような気がしてしまう。
 それほど目立つわけではなく、控えめで、自己主張も少ない。それでも家に帰ると、思いのほか自由で(つまり内弁慶なのだ)、ふわふわと穢れなく漂っている。そんな様子を今井美樹さんの弾むような静かな声で語られると、その人を構成している大切な過去なのだなと思えてくるのだ。
 この作品はそんな思い出と一緒に旅にでる27才の女性の物語だ。

 少し外れて、思い出話をさせてもらえれば、わたしは「田舎のある」の人間である。
 それはタエ子がこだわっていたことだし、とても重要な地点ではあるとは思う。
 わたしは、父方の故郷が伊豆の修善寺にあり、母方は三河地方にあったがその後群馬に移住した。わたしにとっての故郷は伊豆であり、狩野川流域がわたしの故郷だった。
 メダカも、フナも、当時の用水路にはいたし、子供のわたしが手網ですくって、水槽で飼うことは普通のことだった。父はたぶんそのフナをわたしとの思い出だと思っていたはずで、フナの寿命が来るまで、水槽を玄関に置き続けた。
 わたしはそのおじいちゃんの家に行く日がとても好きだった。
 東大和市という今ではだいぶ印象の違う北多摩の端っこに住んでいたのだが、拝島まで出れば国道16号という首都圏屈指の幹線道路が通っている。そこからひたすらに南下し、どういう経路なのかはわからないのだが、小田原厚木道路を通って、箱根まで行っていた。
 箱根まで出れば、伊豆までは箱根ターンパイクを超えればわずかなのだ。
 この厚木‐小田原間をどう移動したかが問題になる。

 どうでもいい話をすると、東大和市は埼玉県の所沢市と隣接する東京の端っこで、所沢は埼玉西武ライオンズの本拠地があるので、だいたいライオンズのお膝元である。西武の黄金時代が重なったこともあり、わたしは生粋の西武ファンだ。
 東大和市から西武ライオンズ球場までは、狭山丘陵という難所を超えなければならない。
 たぶん、猛者なら自転車で1時間もあれば通える距離なのだが、だいたいはその丘陵の登り口である八幡坂で挫折する。この名称は八幡神社のすぐそばを通るからと思われるのだが、幼いわたしには30度ぐらいの傾斜に見えた。
 現在では、スキーでだいたいの傾斜感覚は分かっているので、30度とかありえないだろうとは思うのだが、長く傾斜のきつい坂だったことは覚えている。
 だから、西武球場まで自転車で行くことはありえない。
 八幡坂の後も、狭山丘陵のアップダウンを超えなければならないからだ。
 幼いわたしは西武ライオンズ友の会に入っていたので、そこにたどり着けば無料で球場に入れた。郭、渡辺、工藤、清原、秋山、石毛、田辺、伊藤、もうどこまで名前を並べたらいいのかわからない黄金時代の西武である。わたしが生粋の西武ファンだということは分かると思うのだが、お膝元の東大和市から西武球場に通うのは大変だった。
 それは狭山丘陵を自転車で超えるのは困難だったからだ。
 ただ、両親に連れられて車で、年3、4回はあの沸き立つ西武球場に行った。
 ビールは苦くて飲めなかったが(そもそも違法だ)、ファンクラブの特典として配られるフルカラーの選手のインタビュー満載の会誌は、どんだけ読んだかわからない。今になってみれば、わたしはきっちりと西武ファンにされたのだなと思うのだが、10才程度の少年が球団キャップを無料でもらって、ありえないぐらい豪華に作られた球団誌を渡されたらどうなるかは、理解しやすいと思う。。
 そしてそれは黄金期だったのだ。

 なんか話が違う。
 『おもひでぽろぽろ』の話だった。

 正直なことを言うと、わたしはこの映画をDVDで初見して評を書こうと思ったのだが、たぶんこの原稿が投稿されるのは初見から2週間後ぐらいであると思う。
 1週間で見るはずだったレンタルビデオをもう一度借りることになった。
 というのは、この作品には良質な解説本が出ていて、『文春ジブリ文庫 ジブリの教科書6 おもいひでぽろぽろ』というのがそれで、これを確認するまでは安易に書けないなあと思っていたのだ。そしてそんなときに限って、本の到着が遅れる。水曜日に注文したはずが到着したのが月曜日。
 そしていま急いでそれを確認して、結局重要なのは高畑勲監督、鈴木敏夫プロデューサ、宮崎駿制作プロデューサの発言だけだと確認した。
 他が意味がないというわけではない。
 この『おもひでぽろぽろ』はそれぞれに独自の感慨を抱かせる類の、なんといえばいいのだろうか触媒に近い作品なので、どう化学反応したのかは本人が持っているものによって当然に違うので、他人の意見は相対的なものになる、というだけなのだ。
 もし感想が常に同じになる作品があったとしたらば、それはジャンクフードなのだ。
 出会う人で会う人がみんな違う感想を言う作品があれば、それは奥深い作品なんだと思う。まずそこがわたしが『おもひでぽろぽろ』をマイベストジブリと断言する一番の理由だ。

 この作品のわたしにとっての魅力は、主人公であるタエ子の幼いころは可愛いのだけれども、小学生のタエ子単独では存在し得ないところにある。わたしは抵抗するのだけれども、27才のタエ子とリンクしているところが、この物語の骨子だ。
 この27才が肌感覚的に理解できないのはおいておいて、わたしは40近い年齢の物語として観たし、やはり大人にお勧めしたい映画だ。
 というのは大人のタエ子が、達観しているからだ。
 さすがに40近くまで生きると、良心の呵責に耐えられなくなるようなこともいくつも経験する。大袈裟なことではなくて、大失敗もあるし、些細な点でうまくできなかったと思うこともある。それをいちいち思い起こしていたときにやってきた『おもひでぽろぽろ』は、清涼感のある、そんなに悪いことばかりじゃなかったでしょ? と言ってくれる映画だった。
(たぶん作った側はそう意図はしてない)

 山形に着いて、トシオさんが出てくると突然物語が変わる。
 小学生編は終わって、27才編が始まる。
 この人は声優が柳葉敏郎さんなので(気付きにくいけど)、非常に重要な人だと振り返るとわかる。
 しかし、このふたりの空気感は絶妙。
 百姓の音楽、好きなんです、おれ百姓だから。かっこいい。の下りとかすごい。
 この付近の光景とか、徐々に夜が明けていくのが分かってほんとにディテイルがすごい。
 いちいち脚本のすごさが光る。

 たぶん理解できないかもしれないけど、雨の音だったりする。
 雨の営みが、山形の農村を包み込むような、空気感が素晴らしいのである。これは音であって、経緯ではない。
 こんなことに気付けたのは、前述の小説を読んだおかげだ。
 雨の音がいい。
 わたしが音と錯覚しているのは、映像での雨の表現を音だと思っているのもあると思う。
 世界が生きていると感じるのは、実際の現実でもなかなか難しい。

 タエ子が分数の割り算で悩んだというくだりは、わたしはたぶん記憶にないので、タエ子の言う通りすんなり行っちゃった人なのだろう。本質を考えると確かに厄介なのだが、これは数式が分かっていないからで、2/3÷1/4は、(2÷3)÷(1÷4)で、0、66666…÷0.25になり、結局8/3になる。ここは熟考すればもう少しわかりやすい説明の仕方がある気がしないでもないのだが、面倒なので逆さにひっくり返せ、で終わるのでいろいろ問題になる。
 これは面倒だから説明していないところなのだ。
 こういう、ところは世の中にはたくさんある。
 それを知りたいと思うことは、世の中の秘密に対する好奇心みたいなもので、そういうどうなるのかを見てみたいと強く思う人は、たいてい面倒で厄介な人として周辺とぶつかることになる。
 わたしはそういう人なので、同じような人には同情的だ。
 だけれどもそうしてしまった自分の失敗を、やっぱり失敗だったと思うことが多い。
 失敗するチャンスを奪うなと言われたこともある。
 だけれども、それはつらいぞ、いいのか、とどうしても反論したくなる。

 しかし『おもひでぽろぽろ』ののどかな空気はそんなことも忘れさせてくれる。
 わたしは女性ではないので、そもそもトシオさんがありえないぐらいの理想形の婿だろうということはまったく分からない(ただし、前出の参考書では監督本人がそういうことを言っている)。
 あー、めんどくさいなあと思うのは、この原稿のメモに、

 「1:21:00がつながらない。ここ重要」

 と書いてあることだ。なんだ、覚えてないぞ。
 たぶんカラスのシーンなんだが(それぐらい繰り返し見ている)、なんだべなあと思う。
 いちおう見直してみたのだが、なんなのかが全く分からない。
 わたしの感覚が正しければ、ここはこの『おもひでぽろぽろ』の転なのだ。それがきわめて不自然な形で、強引にねじ込まれている。ここは脚本が厳しくて、甘くなりすぎたというのであれば理解できるのだが、ちょっとジブリ品質ではないだろと思える強引さではある。

 これ以外は、特に語るところは無くて、今井美樹と柳葉敏郎すごいよね、で終わる。
 さりげなく言っているセリフですごいのは、もう五年生のわたしなんて連れてこないから、という部分だったりする。
 たぶんこのセリフは拡大解釈する余地はある。
 だけれども、最大限の拡大解釈をしてラストシーンに向かおう。

 わたしのマイベストジブリです。

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