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[書評]「イービーのかなわぬ望み」

 この短編は小川洋子さんの短編集『夜明けの縁をさ迷う人々』に収録されている短編で、正直に言うとこの短編に出会うまでは、小川洋子さんを不勉強にも知らなかった。が、一般には、映画にもなっている『博士の愛した数式』の著者として有名なのだと思う。
 長編も読んでみたくはあるのだが、わたしにはヒットした短編ホラーの方を優先的に読むことになるだろうなぁと予感している作家である。わたしは短編ホラーが好きなのである。あ、いや、たぶん映画は見る。

 表題の作は、タイトルこそ悲しげであるが、ホラーというほど怖いお話でもない。
 むしろこの短編集全般には奇妙な味の物語と名付けたほうが良さそうな空気がとても漂っている。
 この作品に出会ったのは、長い入院生活中に聞いていた、たぶんNHKだと思うのだがのラジオドラマ。聞いているうちに聞ここんでしまい、実際にラジオドラマ用の脚本だったのか、原文を読んだのかは分からないのだが、語り手の美しい語りもあって夢中になってしまった。
 もちろん、タイトルも、原作者も覚えていなったのだが、退院後に調べてみると、
「中華料理店」「エレベータ」「少年」
 この程度の検索ワードだったのだが、すぐに見つかった。

 この物語は、中華料理店のエレベータの中で生まれ、その後エレベータに住み着いたエレベーターボーイ、イービーをめぐるお話で、イービーに恋した女の子の視点で淡々と語られます。
 特筆すべきはその情感豊かな表現で、引用してみるのですが、

 私たちはゼロ階から四階まで何度も上り下りする。たった二人きりで、地上でも屋上でもない、空中をさ迷う。誰にも邪魔できない、時間の流れも届かない、空中の小部屋に閉じこもり、守られている。すべてが遠く、ただイービーだけが寄り添ってくれている。
 私は彼に手をのばす。掌に収まるほどの華奢な肩から、肋骨の浮いた胸、半ズボンに包まれた腰へと指を滑らせてゆく。イービーはとても温かい。
 ああ、よかった、と私は安堵する。心の片隅で、もし彼が本当にただの薄暗がりだったらどうしようと、心配していたのだ。うれしくなった私は、イービーを胸に抱きとめる。そのサイズに慣れていないせいで、最初はぎこちない感じがするが、すぐに私たちはしっとりと馴染み合う。彼の身体はどこもはみ出さず、そっくり私の中にある。


 これはけっこう情熱的ですよね(^_^;
 またこの短編の終盤地点に、実はもっといいシーンがあって、そこの風が流れるような疾走するシーンがとてもしびれてしまうのですが、それを引用すると、ネタバレになってしまうのです。

 またこの表現力の秘密なのかもしれないという内容があったので、こちらも紹介します。
 これは短編集の最後に収録されている「再試合」という短編からの引用なのですが、こんな文章が記されています。

 教室にいる時、彼には一言も口をきいてもらえなかったのに、ユニフォーム姿の彼については無限の言葉で表現できることが、自分でも不思議だった。私は手元の単語カードに彼の美点を一つ一つ書き込んでいった。バッターボックスに向かう足取り、目元を隠すひさしの陰、タイミングをはかる腰の動き、打球を見上げる横顔、ベースの上で土を払う仕草、グローブをはめる瞬間、風を読む瞳、打球を追う足音、しなる肩……。私は何枚も何枚もカードをめくっていった。最後の一枚が済んでもまだ書き足りなかった。そういう場合に備え、制服のポケットには常に、さらの単語カードが入っていた。


 このお話は高校野球のお話で、そのレフトの選手に首ったけになった女の子の話なのですが、これはまあ、続けていたら上手くなるだろうなとは思います。ただ、たまに17才でこの認識をしている子っているか? という文章が出てきます。
 これはたぶんわたしが、その人の生の感覚から出てくる言葉に注意が向き気味な人で、17才でこの感覚は辿りつけないだろうと思ってしまうからです。それはもちろん、わたしと著者の経験の違いから来ているのでしょうけれども、なんとなく生命感が感じられないとギャップに苦しんでしまいます。

 まあ、わたしは一応理系の人で、文系も行けるとはいえども、得意なのは歴史や地理といった教科で言えば、社会に属する分野の人なので、いわゆる文学少女的な感覚は持ってないんだろうなあとは、思うのですが。

 またその他の短編も、おすすめしますか? と聞かれればべつの短編集を買おうかなと思ってるというぐらいにおすすめします。これならファンとして読み続けてもいいかなと。
 というわけで、ようやっと読了にたどり着いたので、書評にしました。
 いやー、小説ってどうしても後回しになるんですね(^_^;
 どう考えても娯楽として読むものなので、書くのに必要な資料などに比べると、優先順位がねえ・・・。
| 書評 | 21:04 | comments(0) | trackbacks(0) |









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