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 ローマが滅びた理由 〜ローマ人の物語を通読して

 塩野七生のローマ人の物語を読了した。ハードカバーにして15冊、わたしは文庫で読んだので43冊。
 いきなり、これをドンと積まれたら読めなかったかもしれない。
 それほどに膨大なドラマの記録であり、考察であるからだ。
 文庫本第1巻の発刊が2002年であるから、実に9年に渡る読書。その間、なんどもなんども読み返し続けた9年の読書だった。
 わたしは、ギボンのローマ帝国衰亡史を読んでいるのだが、確かあれは六ヶ月の読書だったはずだ。最後のページにたどり着いたときは朝の通勤電車の中で、じわじわと感動がきて、隣のめがねのサラリーマンはこのすぐ側にいるのが、ギボンを六ヶ月もかけて読んでそのラストページを繰っている人だとは思わないだろうと、まるで自分史の一ページを繰っているような気さえしたものだった。
 ローマ人の物語はそうではなかった。
 それよりも朽ちていく、老壮のローマが哀れに思えた。
 最後のページを繰ったときに、はっきりと分かったのは、なぜローマが滅びたかだ。ギボンを読んでも分からなかったその理由が、はっきりと分かった。

 塩野七生がそれが分かっているかは疑問である。
 すくなくともそれを明示して書いたのを見たことはないし、そもそもその問題にたったの一度も触れていないので、もしかしてこの概念を知らないのかも知れない。
 ローマが滅びた理由は、システムと運用の問題で説明できるものなのだ。
 システムは制度。
 運用はその使い方である。
 どうも塩野七生はシステムの考察に関しては優れているのだが、運用者が転々と変わる状況下で実効性はどうなっていくか、にはたぶん想像力が及んでいない。
 これは責めているわけではなく、いくら尊敬する作家であっても、たった一人の人間という限界を超えられるものではなく、それでもその限界を認めつつ、分かる人たちにそのローマがどうなったかを伝えてくれただけでも充分どころではない偉業である。
 それが塩野七生の仕事で、あとの仕事は、受け取った人の仕事なのだ。

 さて、ローマ通史を読んで、はっきりと見えたことは、偉大な先人が危機を乗り越えるために作り上げたシステムが、後年になって徐々に弊害となっていく過程である。
 カエサルの作り上げた皇帝制、ディオクレティアヌスの四分割統治、コンスタンティヌス1世のキリスト教の国教化、王権神授説に近い皇位継承のシステム。
 どのシステムも作り上げた本人が統治している間は最大の効果を生み出しているし、まさに必要なシステムだった。それが、徐々に弊害ばかりを生むようになる。これが、この膨大な弊害の積み重なりが、ローマを滅亡させる原因になっていく。
 村上春樹がシステムがうんうんとか、青臭いことをいうのではあるが、ちょっとあの作家は正確さに欠けるようで、正直害悪としか思えない。問題はシステムじゃない。システムを運用できる人材がいなくなることなのだと思う。もしくは、システムが制定された理由を誰もが忘れることだ。もしくは間違った方向で使われることだ。
 村上春樹に聞きたいことがあれば、カエサルが作ったシステムに欠陥はあったか? もしそうならばどこだ、である。共和制がよかったというのであれば、歴史を知らなすぎるし、あの時点で何が出来て、結果どうなったと聞けばカエサルの決断は最善だったと分かる。君が問題とすべきところはもっと別の、もっと高度なところだと、情けなく思いながら、思う。
(ちなみに、カエサルのシステムの欠陥はある。それが指摘できれば一流である)
 システムが問題なのではない。
 なので、システムばかりを論じている塩野七生は、真実にたどり着けないのだが、それよりも大切なのは運用者がどういう意識でいるかなのだ。帝国の運用のために使えば機能し、私腹を肥やすために使えば利権になる。

 ローマ衰亡の歴史は、ピンチになり、英雄が現れ、画期的な制度を制定するが、その英雄が生きているうちは機能するが、死んだとたん、どんどんだめだめになっていき弊害を撒き散らす弊害になるが、それは英雄が作った制度なので維持されて、恐ろしいほどにだめだめな制度がつみあがっていくという過程である。
 ここでいいたいのは、その制度を制定した英雄が生きているうちは機能していることだ。
 しかし、死んだとたん、機能しなくなる。
 ここで、初めて運用者の能力差ですよね、という問題が出てくる。
 ローマは、この問題をついに克服することが出来ずに滅びるのであるが、ここは教訓として、千年近い歴史を積み上げたローマ史から学ぶことがある。

 1.崩壊するような大胆なシステムは、きわめて有能な人間によって生み出される。
 2.その人物は自分の統治のシステムとして、それを使い最大限の効果を発揮する。
 3.しかし、そのシステムを使える有能な人間は極めて少ない。
 4.後継者問題で失敗すると、無能なものがそのシステムを受け継ぐ
 5.無能な後継者は、悪癖ばかりを生むシステムを維持することにこだわる
 6.数百年、悪癖を生むシステムを更新できない。

 この無限ループがローマを滅ぼしたと思う。
 
| 書評 | 22:28 | comments(2) | trackbacks(0) |
hikaliさん、お久しぶりです。
凄くわかりやすく、論理的に、
『なぜローマ帝国が滅びたのか?』を解説されていたので
興味深く読ませて頂きました。

「9年の読書」(←いい響きですね!)
お疲れ様でした!!
| T2 | 2011/10/13 2:52 PM |

 こんばんわ! コメントありがとうございます。
 えっと、ありがとうございます。

 わたしの本職が特許関係でして、そのせいで制度と運用の話は鬼のように毎日のように勉強しておりまして、いちおうその道のプロの端くれということもあって、上手く説明できたのかもしれません。

 特許法の勉強といいますと、毎年のように行われる制度改正の変遷をひたすらに追うというようなものでして、なんでこんな規定になっているの? という質問の答えに、そうしないと運用が回らないからと堂々と改正趣旨に書いてあるような、結構効率的な制度を作り方をしています(そして素人には触れないようながちがちな規定になっている・・・)。

 お役所って精密機械みたいだね・・・、そしてこうしないと回らないんだね、というのを毎日見ていると、ローマの制度の属人性が目立つのですね・・・。

 分かりやすかったといっていただき、嬉しいです。
 ああ、わたし、法律の勉強で結構鍛えられているんだなあ・・・、と思いました(^_^;

 ありがとうございます!


| hiklai | 2011/10/14 9:00 PM |









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