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 膠着状態(デッドロック)解消型ゲーム
 こんにちは!
 管理人のhikaliです。
 本日はデッドロック解消型ゲームの解説をしたいと思います。

 先日リリースをしました「ミリーの天気予報」の説明の中で、このゲームはデッドロック解消型のゲームであり、おそらくこれまで見たことがないものである、と書きました。またその中で、非常に複雑になるけれど、後に別立てでエントリーにして説明すると書きました。
 このエントリーはその解説エントリー。
 たいへん長くなると思いますが、最後までおつきあい頂ければ幸いです。


 みなさんはシナリオのあるゲームというどういうものを思い浮かべるでしょうか?
 悪を倒す正義?
 犯人を見つける探偵?
 宝探しをする冒険者?
 世界を救う勇者?
 女の子といい仲になる男の子?
 なにかこうやって並べてみると、なにか乗り越えるべき相手がいて、それを成し遂げることが目的なゲームばかりであることに気付きます。
 わたしはなにかことある毎に、D&Dの呪いだの、FF(ファイティングファンタジー)模倣にすぎないだの、悪しきドラクエからの伝統だの、そういったことを言ってきたかと思います。
 わたしの主張はこうでした。
 世界中探してみて、そんな物語はほんの一部です。
 歴代興行収入ランキングをみてみれば、印象ほど多くないことに気付くはずだ、と。

 ■wikipedia 歴代映画興行成績
 

 むかし、よく勧善懲悪型の物語ってダサいと生意気な子供だった頃のわたしはとても単純に思ったのですが、いまではこう思うようになったのです。

 勧善懲悪型の物語で新鮮みを出すには、これまでの集積からの差異化をするためのコストがあまりにも膨大になりすぎる、と。

 たとえばスターウォーズ似の物語を作るのであれば、スターウォーズを越える何らかの要素が必要になります。たとえばとてもたくさんのジェダイの騎士が出てくる必要があったり、逆に主人公を子供にしてみたり、大戦争のシーンがあったりと。スターウォーズの続編の話でたとえをしていますが、スターウォーズの続編はかならず、スターウォーズ+αでなければなりません。
 勧善懲悪型の物語類型は、このインフレーションの中で、ある程度コストがかかりすぎるものになってしまったのではないか。そして、コストをかけずに作られた勧善懲悪型の物語をこう思うようになったのではないかと。
 勧善懲悪型の物語はダサい、と。

 大学のゲーム研究会時代に、この単純な思考に捕らわれていたわたしは、気付いたらある一つのまったく新しいゲームの類型を生み出していました。それがこれからお話をする類型なのです。
 つまりデッドロック解消型のゲームという、おそらくほとんど方が知らないであろう類型なのです。


 ■デッドロック解消型のゲームブック

 現実を見回してみると、実際のところ、倒すべき巨悪や、捉まえるべき犯罪者はそれほど多くないことに気付きます。世界征服をもくろむ悪魔の手先は、長い歴史上を見てもヒトラーぐらいしか見つからず、意気揚々と勧善懲悪を信じてきた子供たちはなにをしてよいのか途方にくれるなんて話を、それなりに昔には聞きました。
 社会には倒すべき敵がいない、と。
 それなのに、社会は不幸に満ちあふれている、と。
 これはなぜか、と。
 勧善懲悪では解決しない問題が世界には満ちあふれていて、それは何らかの解決を待っているのに、それを認識できない、という状況に陥っているのをよく見かけます。
 たとえば会社の中を見回してみても、誰かが悪いと言うことはあまりない。
 たいていはいろいろな人の利害が絡み合って、それがこんがらがり、まったく身動きができない閉塞状況に陥っていることがほとんどなのです。
 これがデッドロック。
 その絡み合った状況を解消し、だれもが幸せになれる状況をゴールとする。
 これが、デッドロック解消型のゲームなのです。
 なにか、とても有用なゲームに見えてきたでしょう(笑)?

 TRPGなどで、わたしの周りではよくプレイされていたのですが、このデッドロック解消型のゲームが、まったく新しいゲームの類型であるとして認識されたことはなかったとわたしは思うのです。
 いまわたしがこうやって、これはなにかを説明しようとしてはじめて、おお、やっぱりまったく新しい類型だったんじゃん、これ、と無邪気に喜んでいるぐらい。ゲームブックとして実装してみて、やっぱりないよね、この類型、と確認しているほどなのです。

 遠くボードゲームの世界を見れば、ディプロマシーなどがこのデッドロックの中で自分を有利にするために交渉するなどという形で実装されているのを、ちらりと見つつ(人狼もちかいところがある)、コンピュータゲーム、ゲームブックではこの形を見たことはほとんどなく(わたしが知らないだけかも知れませんが)、ゲームの論調などを見ても、このデッドロック解消型の類型について語られるのを見たことがない。
 このデッドロック解消型のゲームの方がかなり現実に近く、リアルであり、ドラマになりやすく、有用であるにもかかわらず、話されることがないというか、おそらく知らないと思われるのです。

 じゃあ、実装しちゃうか。
 ゴーゴーゴー! という乗りで実装されたのがミリーの天気予報でして、わたしもこの類型を実装するのははじめてなので、不完全な部分もあるのですが、これがそのデッドロック解消型のゲームかと理解するためには十分なものに仕上がっていると思います。


 ■物語の世界でのデッドロック型

 視線を転じて、物語の世界に目を向けると、部分部分でデッドロックを利用している物語は多いのですが、このデッドロックが主役になっている物語はそれほど多くありません。
 ハリウッドも、ジブリもこのデッドロックを積極的には使っていないのです。
 これはおそらく映画は起承転結の承に重きが置かれる物語ですので、膠着状態とも言うべきデッドロックはあまり使いたがらないのだろうと推測します。唯一有名どころでは、時をかける少女に代表される細田作品にはこのデッドロックらしきものが見えます。
 では、このデッドロックはどこで使われているのでしょうか?
 それはあんがい身近にあるのですが、分かりますか?
 実のところ、いま、わたしはアニメのNANAを見ているのですが、これはものの見事に典型的なデッドロック。
 もうわかりましたね。
 実のところこの型が多いのは少女漫画の世界でして、はれたほれたの四角関係でどろどろとか。新しい恋人ができたのに、むかしの恋人の子供ができていることに気付いたとか、だけど産みたいとか(<ちなみにこれはNANAのシーン)。
 そう!
 あれです!
 少女漫画は、デッドロックをどんどん複雑にしていき、その膠着状態を楽しむみたいなところがありますが、ミリーの天気予報が指向しているのは、この膠着状態から脱するという方向性なのです。
 なんとなく見えてきたでしょうか。

 また、実際のところ、このデッドロックの一番の名手はシェイクスピアです。
 シェイクスピア劇は、複雑に絡み合ったデッドロックが基礎にあり、そこから、

 ・ちょっとした行き違いからとんでもない惨劇へ至るのが、シェイクスピア悲劇。
 ・どたばたの中、ひょんなことから解決し大団円に至るのが、シェイクスピア喜劇。

 と、見るとたいへんスマートに説明することができます。
 膠着状態が、悪循環へ向かうのが悲劇であり、好循環に向かうのが喜劇なのです。

 ミリーの天気予報はこのうちのシェイクスピア喜劇の方の構造を取った話。
 なんとかして、このデッドロックから大団円にたどり着こうとするゲームなのです。
 悲劇の方を取れば、ゲームですのでその惨劇からなんとか生き残る、という話になります。

 と、ここまで書いて気付いたのですが、ゲームブックであり、わたしが絶賛した、ミノス王の宮廷はこの悲劇型のデッドロック解消ゲームですね……。なるほど。ミノス王の存在が大きいので、気付かなかったのですが、マクベスやリア王と考えれば、このシェイクスピア悲劇の構造を取っていることに気付きます。


 ■ミリーの天気予報におけるデッドロック

 ミリーの天気予報においては、このデッドロックをゲームにするために3つの段階を経て解決に至るよう作られています。

 ひとつめは、なにか上手くいっていないことに気付くこと
 ふたつめは、上手くいっていない原因であるデッドロックの存在に気付くこと
 みっつめは、そのデッドロックを解消すること

 このデッドロック解消型のゲームの弱点は、実のところ、デッドロックに陥っている人々が、解決を求めていないところにあります。たいていの不幸な人々は、なぜ不幸なのかの原因に気付いていませんし、プレイヤーにその解決を求めないので、プレイヤーに対するインセンティブを発生させるのが困難なのです。

 それでいろいろな手段を用いて、このデッドロックを解消するインセンティブをプレイヤーに与えるのですが、これがたいへんに困難であったことを思い出します。ただ、これはPBM(プレイ・バイ・メール)のマスターをやっていた時に体験して、だいぶ救われたのですが、不幸な子がいて、その子が泣いていると、かなり高い割合のプレイヤーがその子を助けようとするのです。
 そのときにプレイヤーにどのようなインセンティブが働いているのかは、わたしには分からないのですが、事実として、このデッドロック解消型のゲームは機能した、なぜ機能したのかは分からない、ということしかできません。

 ミリーの天気予報を含む浮遊船パオペラ冒険譚においては、その辺の予防線が張られていて、シャリーというキャラクターがそのような不幸な状況を放置することができない性格に設定されています。
 そのため、プレイヤーがそれはあまり得策ではないと思っても、シャリーがだだをこねるので、解決しなければならなくなり、それによりプレイヤーをこのデッドロックの解消に巻き込むことができます。

 このデッドロックを解消するには、実際いまどのようになっているのかを知らないといけませんので(つまりこれが犯罪捜査にあたる)、その中でさまざまな人間模様を展開し、その利害が衝突するところでは、ドラマが発生します。
 なぜ、シェイクスピアや少女漫画がこのようなデッドロックを多用するかといえば、デッドロックの状況は多様なドラマを生みやすいからであり、ストーリーゲームであれば、当然ドラマの質が、ストーリーの質になりますし、そのデッドロックを解消し大団円に移る課程はゲームになります。
 明確にデッドロックを解消できた割合により、そのプレイは成功だったか失敗だったかを判定することができますし、その情報収集の過程は、犯人は誰か、という情報収集よりも非常に多様で、ドラマチックな展開にすることができるのです。
 これがこのデッドロック解消型ゲームの最大の利点であり、豊穣さを持ったストーリーゲームの一類型である理由なのです。

 ミリーの天気予報においては、ミリーの周辺に張り巡らされたデッドロックを解消しないと、だれもが不幸のまま、であり、それではシャリーがだだをこねる、ことによってゲームが成立しています。
 それをプレイしてみたいと思うインセンティブが働くかどうかは分かりませんが、このデッドロックを見事に解消できたあかつきには、かなりのカタルシスがやってくるよう作っていることを書いておいて、そろそろ筆を置きたいと思います。

 思えば、ゲームブックの研究を始めたのは、このデッドロック解消型のストーリーゲームを、ゲームブック形式なら実装できる、と確信したからでした。そしてこれを書きながら、気付いたらその目標をわたしは達成していたことに気付きました。

 いつの間にか、ミリーに振り回されているうちに、到達してしまっていました。
 もちろん、このデッドロック解消型の類型は、実際のところかなり広大ですので、といいますかこの世の問題のほとんどはデッドロックと言うこともできますので、ネタは尽きないのですが、まずはひとつの到達点として、ミリーの天気予報を遊んで頂ければ幸いです。


 ■関連エントリー
 ・ 【ミリーの天気予報】セーブ機能搭載版投入しました!&作品の概要
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 ・ミリーの天気予報にみるゲームブックの作り方。「サイボーグを倒せ」をヒントに。[前編]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1179473

 ・ミリーの天気予報にみるゲームブックの作り方。「サイボーグを倒せ」をヒントに。[後編]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1180167








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