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ハリー・ポッターはなぜあんなに売れまくっているのですか、という質問

 昔、ある人に、
「ハリー・ポッターはなぜあんなに売れまくっているのですか、教えてください」
 と言われたことがある。
 その人はわたしが物語解析をやっていることを知っていて、それでそんなことを聞いてきたのである。
 わたしはハリー・ポッターを分析をしたことがなかったので、答えに困った。
 わたしが言ったのは、
「この作家J.K.ローリングは、カードを書いたと言っています。10年ぐらいにわたってひたすらにハリーポッターに関するカードを書いてストックしていたと言っています。その10年で積み上げたカードを元に、その膨大なイメージを元に書いたからヒットしたのではないでしょうか」
 ということだった。
 この長期熟成戦術は、実は宮崎駿監督も同様らしいので、カードですよ、カードを積めばヒット作が作れますよ、と何とも怪しげな商売のようなのだが、昨日、ふと、わたしはどう答えれば良かったのか唐突に気づいて、動揺した。

 実際のところ、この質問を物語解析の流れでするのは、ちょっと場違いだ。
 物語のヒットはマーケティングに属する問題だし、物語解析は物語の構造を分析したり、測定したりする道具であるからだ。
 たとえば、ディケンズのデービッド・コパーフィールドは当時はめちゃくちゃ売れたらしいが、今は少なくともオリコンランキングのトップ100に入ることはない。もちろん、読めば面白いが、それでも売れている作品ではない。
 物語解析は、KJ法とか、マインドマップのような分析方法に属するものであって、ヒット作品に共通する物語構成とか分析できるかもだけど、物語の構造だけを分析してヒット作が作れるとは思えない。
 だって、映画のヒットとかってキャスティングとかにもよるし、登場人物のおもしろさとかでも売れる/売れないが決まるじゃないですか。
 物語解析は構造をしか見ていないのである。
 魅力的な人物と言っても、一般的に魅力的な人物はどんな人物かという定義はない。
 ドラえもんの出来杉とのび太を逆にしたら、たぶん売れないだろう。
 この辺は物語の構造とは違うと言うことで完全に無視してしまっているのである。

 わたしは冒頭の言葉に、こう続けるべきであった。

「しかし、そのカードにストーリーを縛るものを書いてはいけません。もちろんきっちりしたプロットや、ストーリーの断片そのものも駄目です。
 なぜならストーリーはすべての要素が揃った時点から書き始められるべきだからです。
 物語解析は、実際のところストーリーを放棄した所から、どのように物語を記述すればいいのかから始まった分析方法です。
 ただし、現状の物語解析は物語の構造だけを扱っていて、各要素の具体的な構築方法は取り扱っていません。
 これは法律などもそうですね。
 法律は債権や物権という抽象的な概念の取り扱われ方を規定しています。
 そのような特質のあるものなのです。

 話を戻しますが、このカードこそが、この「魅力的な要素」そのものなのではないでしょうか?
 たとえばアニメであれば、設定画というものが存在します。キャラクターや舞台のデザインラフみたいなもので、これは脚本から独立して存在しています。デザインラフの中にはストーリーはないのです。ただし、今にもストーリーを生み出しそうな何かを秘めています。
 このデザインラフの文章版がローリングのカードだったのではないでしょうか。

 実際の所、アニメ以外では、この脚本とは別に書きためられるカードを採用している例はあまりありません。
 しかし、ローリングは、おそらく「ストーリー」を書くことなく、イメージだけを膨大に、つまりデザインラフだけを膨大に積み上げたのです。その結果、物語の中で繰り広げられる要素の豊穣さを獲得することができました。
 この方法に優位性があるのは、実際の所、ストーリーはほかのあらゆる要素をがんじがらめにしてしまうからです。そのために、各要素はストーリーのイエスマンとなってしまい、個々の魅力が減じてしまいます。矮小なイメージを従える、たいして面白くもない作家の独りよがりが生まれるだけです。
 逆ならどうでしょうか。
 書ききれないほどのイメージがはち切れそうなほどになっているところで、ストーリーを書き始めるのです。
 ストーリーは、豊かなキャラクター達や、舞台に従うでしょう。
 比較的に面白い物語になる可能性が高くなります。

 物語解析は作家の(つまりマスターの)独りよがりからどうやって逃げ出し、それを放棄して、純粋に物語の構造的なおもしろさだけを、エッセンスとして取り出そうとしたものなのです。

 では、個別具体的に、ハリーポッターシリーズに見られれる、おもしろさのエッセンスを取り上げてみることにしましょう。(以下略)」

 こんなことを言っていたら、あの会社は受からなかったな(笑)。
 面接での受け答えだったのである。
 そして、この言葉はハリウッドの作り方を真っ向から否定していて、今気づいたのだが、漫画界でいうところの小池一夫派を擁護する内容なのである(そして、小説界は否定していますね・・・。うむー・・・。)。

 なるほどねえ・・・。
 (と、今更ながらに気づいた・・・)


| 物語研究 | 21:16 | comments(0) | trackbacks(0) |









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