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管理人hikaliの開発の日々の備忘録です。
本家はこちら。
http://plaza.rakuten.co.jp/hikali/
『旅する真葛』をリリースしました。

 こんばんわ、hikaliです。
 えーと、ずいぶんのご無沙汰でしたのですが、小品、旅する真葛、をリリースしましたので、一応お知らせしておきます。

 この数ヶ月間、ちょっと骨折から始まった感染とか、まあ、ググってくださいな話なのですが、さんざんな事態に巻き込まれました。それで、どうしても、こっちにかまってられなかったのはすまんと思いつつ、いやーすさまじくたいへんでしたと。

 ここでご紹介する、旅する真葛は、一応、病気と手術でうんうんいっていたときに、一発発起で、何とか書き上げた短編です。もしよろしければ、その火事場の馬鹿力はどんなもんかと、軽く触って頂けると嬉しいです。
 読む人を選ぶ物語ですが・・・。

 ■旅する真葛 - カフェ・シャムロックの事件簿
 http://p.booklog.jp/book/17247

JUGEMテーマ:読書


| 物語研究 | 16:40 | comments(2) | trackbacks(0) |
 膠着状態(デッドロック)解消型ゲーム
 こんにちは!
 管理人のhikaliです。
 本日はデッドロック解消型ゲームの解説をしたいと思います。

 先日リリースをしました「ミリーの天気予報」の説明の中で、このゲームはデッドロック解消型のゲームであり、おそらくこれまで見たことがないものである、と書きました。またその中で、非常に複雑になるけれど、後に別立てでエントリーにして説明すると書きました。
 このエントリーはその解説エントリー。
 たいへん長くなると思いますが、最後までおつきあい頂ければ幸いです。


 みなさんはシナリオのあるゲームというどういうものを思い浮かべるでしょうか?
 悪を倒す正義?
 犯人を見つける探偵?
 宝探しをする冒険者?
 世界を救う勇者?
 女の子といい仲になる男の子?
 なにかこうやって並べてみると、なにか乗り越えるべき相手がいて、それを成し遂げることが目的なゲームばかりであることに気付きます。
 わたしはなにかことある毎に、D&Dの呪いだの、FF(ファイティングファンタジー)模倣にすぎないだの、悪しきドラクエからの伝統だの、そういったことを言ってきたかと思います。
 わたしの主張はこうでした。
 世界中探してみて、そんな物語はほんの一部です。
 歴代興行収入ランキングをみてみれば、印象ほど多くないことに気付くはずだ、と。

 ■wikipedia 歴代映画興行成績
 

 むかし、よく勧善懲悪型の物語ってダサいと生意気な子供だった頃のわたしはとても単純に思ったのですが、いまではこう思うようになったのです。

 勧善懲悪型の物語で新鮮みを出すには、これまでの集積からの差異化をするためのコストがあまりにも膨大になりすぎる、と。

 たとえばスターウォーズ似の物語を作るのであれば、スターウォーズを越える何らかの要素が必要になります。たとえばとてもたくさんのジェダイの騎士が出てくる必要があったり、逆に主人公を子供にしてみたり、大戦争のシーンがあったりと。スターウォーズの続編の話でたとえをしていますが、スターウォーズの続編はかならず、スターウォーズ+αでなければなりません。
 勧善懲悪型の物語類型は、このインフレーションの中で、ある程度コストがかかりすぎるものになってしまったのではないか。そして、コストをかけずに作られた勧善懲悪型の物語をこう思うようになったのではないかと。
 勧善懲悪型の物語はダサい、と。

 大学のゲーム研究会時代に、この単純な思考に捕らわれていたわたしは、気付いたらある一つのまったく新しいゲームの類型を生み出していました。それがこれからお話をする類型なのです。
 つまりデッドロック解消型のゲームという、おそらくほとんど方が知らないであろう類型なのです。


 ■デッドロック解消型のゲームブック

 現実を見回してみると、実際のところ、倒すべき巨悪や、捉まえるべき犯罪者はそれほど多くないことに気付きます。世界征服をもくろむ悪魔の手先は、長い歴史上を見てもヒトラーぐらいしか見つからず、意気揚々と勧善懲悪を信じてきた子供たちはなにをしてよいのか途方にくれるなんて話を、それなりに昔には聞きました。
 社会には倒すべき敵がいない、と。
 それなのに、社会は不幸に満ちあふれている、と。
 これはなぜか、と。
 勧善懲悪では解決しない問題が世界には満ちあふれていて、それは何らかの解決を待っているのに、それを認識できない、という状況に陥っているのをよく見かけます。
 たとえば会社の中を見回してみても、誰かが悪いと言うことはあまりない。
 たいていはいろいろな人の利害が絡み合って、それがこんがらがり、まったく身動きができない閉塞状況に陥っていることがほとんどなのです。
 これがデッドロック。
 その絡み合った状況を解消し、だれもが幸せになれる状況をゴールとする。
 これが、デッドロック解消型のゲームなのです。
 なにか、とても有用なゲームに見えてきたでしょう(笑)?

 TRPGなどで、わたしの周りではよくプレイされていたのですが、このデッドロック解消型のゲームが、まったく新しいゲームの類型であるとして認識されたことはなかったとわたしは思うのです。
 いまわたしがこうやって、これはなにかを説明しようとしてはじめて、おお、やっぱりまったく新しい類型だったんじゃん、これ、と無邪気に喜んでいるぐらい。ゲームブックとして実装してみて、やっぱりないよね、この類型、と確認しているほどなのです。

 遠くボードゲームの世界を見れば、ディプロマシーなどがこのデッドロックの中で自分を有利にするために交渉するなどという形で実装されているのを、ちらりと見つつ(人狼もちかいところがある)、コンピュータゲーム、ゲームブックではこの形を見たことはほとんどなく(わたしが知らないだけかも知れませんが)、ゲームの論調などを見ても、このデッドロック解消型の類型について語られるのを見たことがない。
 このデッドロック解消型のゲームの方がかなり現実に近く、リアルであり、ドラマになりやすく、有用であるにもかかわらず、話されることがないというか、おそらく知らないと思われるのです。

 じゃあ、実装しちゃうか。
 ゴーゴーゴー! という乗りで実装されたのがミリーの天気予報でして、わたしもこの類型を実装するのははじめてなので、不完全な部分もあるのですが、これがそのデッドロック解消型のゲームかと理解するためには十分なものに仕上がっていると思います。


 ■物語の世界でのデッドロック型

 視線を転じて、物語の世界に目を向けると、部分部分でデッドロックを利用している物語は多いのですが、このデッドロックが主役になっている物語はそれほど多くありません。
 ハリウッドも、ジブリもこのデッドロックを積極的には使っていないのです。
 これはおそらく映画は起承転結の承に重きが置かれる物語ですので、膠着状態とも言うべきデッドロックはあまり使いたがらないのだろうと推測します。唯一有名どころでは、時をかける少女に代表される細田作品にはこのデッドロックらしきものが見えます。
 では、このデッドロックはどこで使われているのでしょうか?
 それはあんがい身近にあるのですが、分かりますか?
 実のところ、いま、わたしはアニメのNANAを見ているのですが、これはものの見事に典型的なデッドロック。
 もうわかりましたね。
 実のところこの型が多いのは少女漫画の世界でして、はれたほれたの四角関係でどろどろとか。新しい恋人ができたのに、むかしの恋人の子供ができていることに気付いたとか、だけど産みたいとか(<ちなみにこれはNANAのシーン)。
 そう!
 あれです!
 少女漫画は、デッドロックをどんどん複雑にしていき、その膠着状態を楽しむみたいなところがありますが、ミリーの天気予報が指向しているのは、この膠着状態から脱するという方向性なのです。
 なんとなく見えてきたでしょうか。

 また、実際のところ、このデッドロックの一番の名手はシェイクスピアです。
 シェイクスピア劇は、複雑に絡み合ったデッドロックが基礎にあり、そこから、

 ・ちょっとした行き違いからとんでもない惨劇へ至るのが、シェイクスピア悲劇。
 ・どたばたの中、ひょんなことから解決し大団円に至るのが、シェイクスピア喜劇。

 と、見るとたいへんスマートに説明することができます。
 膠着状態が、悪循環へ向かうのが悲劇であり、好循環に向かうのが喜劇なのです。

 ミリーの天気予報はこのうちのシェイクスピア喜劇の方の構造を取った話。
 なんとかして、このデッドロックから大団円にたどり着こうとするゲームなのです。
 悲劇の方を取れば、ゲームですのでその惨劇からなんとか生き残る、という話になります。

 と、ここまで書いて気付いたのですが、ゲームブックであり、わたしが絶賛した、ミノス王の宮廷はこの悲劇型のデッドロック解消ゲームですね……。なるほど。ミノス王の存在が大きいので、気付かなかったのですが、マクベスやリア王と考えれば、このシェイクスピア悲劇の構造を取っていることに気付きます。


 ■ミリーの天気予報におけるデッドロック

 ミリーの天気予報においては、このデッドロックをゲームにするために3つの段階を経て解決に至るよう作られています。

 ひとつめは、なにか上手くいっていないことに気付くこと
 ふたつめは、上手くいっていない原因であるデッドロックの存在に気付くこと
 みっつめは、そのデッドロックを解消すること

 このデッドロック解消型のゲームの弱点は、実のところ、デッドロックに陥っている人々が、解決を求めていないところにあります。たいていの不幸な人々は、なぜ不幸なのかの原因に気付いていませんし、プレイヤーにその解決を求めないので、プレイヤーに対するインセンティブを発生させるのが困難なのです。

 それでいろいろな手段を用いて、このデッドロックを解消するインセンティブをプレイヤーに与えるのですが、これがたいへんに困難であったことを思い出します。ただ、これはPBM(プレイ・バイ・メール)のマスターをやっていた時に体験して、だいぶ救われたのですが、不幸な子がいて、その子が泣いていると、かなり高い割合のプレイヤーがその子を助けようとするのです。
 そのときにプレイヤーにどのようなインセンティブが働いているのかは、わたしには分からないのですが、事実として、このデッドロック解消型のゲームは機能した、なぜ機能したのかは分からない、ということしかできません。

 ミリーの天気予報を含む浮遊船パオペラ冒険譚においては、その辺の予防線が張られていて、シャリーというキャラクターがそのような不幸な状況を放置することができない性格に設定されています。
 そのため、プレイヤーがそれはあまり得策ではないと思っても、シャリーがだだをこねるので、解決しなければならなくなり、それによりプレイヤーをこのデッドロックの解消に巻き込むことができます。

 このデッドロックを解消するには、実際いまどのようになっているのかを知らないといけませんので(つまりこれが犯罪捜査にあたる)、その中でさまざまな人間模様を展開し、その利害が衝突するところでは、ドラマが発生します。
 なぜ、シェイクスピアや少女漫画がこのようなデッドロックを多用するかといえば、デッドロックの状況は多様なドラマを生みやすいからであり、ストーリーゲームであれば、当然ドラマの質が、ストーリーの質になりますし、そのデッドロックを解消し大団円に移る課程はゲームになります。
 明確にデッドロックを解消できた割合により、そのプレイは成功だったか失敗だったかを判定することができますし、その情報収集の過程は、犯人は誰か、という情報収集よりも非常に多様で、ドラマチックな展開にすることができるのです。
 これがこのデッドロック解消型ゲームの最大の利点であり、豊穣さを持ったストーリーゲームの一類型である理由なのです。

 ミリーの天気予報においては、ミリーの周辺に張り巡らされたデッドロックを解消しないと、だれもが不幸のまま、であり、それではシャリーがだだをこねる、ことによってゲームが成立しています。
 それをプレイしてみたいと思うインセンティブが働くかどうかは分かりませんが、このデッドロックを見事に解消できたあかつきには、かなりのカタルシスがやってくるよう作っていることを書いておいて、そろそろ筆を置きたいと思います。

 思えば、ゲームブックの研究を始めたのは、このデッドロック解消型のストーリーゲームを、ゲームブック形式なら実装できる、と確信したからでした。そしてこれを書きながら、気付いたらその目標をわたしは達成していたことに気付きました。

 いつの間にか、ミリーに振り回されているうちに、到達してしまっていました。
 もちろん、このデッドロック解消型の類型は、実際のところかなり広大ですので、といいますかこの世の問題のほとんどはデッドロックと言うこともできますので、ネタは尽きないのですが、まずはひとつの到達点として、ミリーの天気予報を遊んで頂ければ幸いです。


 ■関連エントリー
 ・ 【ミリーの天気予報】セーブ機能搭載版投入しました!&作品の概要
 http://blog.story-fact.com/?eid=1177436

 ・ミリーの天気予報にみるゲームブックの作り方。「サイボーグを倒せ」をヒントに。[前編]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1179473

 ・ミリーの天気予報にみるゲームブックの作り方。「サイボーグを倒せ」をヒントに。[後編]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1180167








| 物語研究 | 16:26 | comments(0) | trackbacks(1) | 昨年の記事
 なんでこんな事に気付かなかったのか・・・。

 なんか、変なシナリオだなあと思っていたのである。
 プロットをいじりながら、事態が妙な方向へ、妙な方向へと転がって言ってしまう。
 ゲームでライターをしていたとき(正確にはPBMのマスターだが)、いろいろノウハウを教えてくれたベテランが、コメディーの鉄則として教えてくれた展開ではある。
 みんなキャラクターはまじめにやっているつもりなのに、どんどん変な方向へ行ってしまう。
 それをプレイヤーは面白がる。
 それが理想的なコメディーだと。
 たしかにわたしはそのときコメディーらしいシナリオをマスタリングしたし、書いている本人もかなりまじめに書いていたのだけど、あのシナリオは半分わたしのシナリオじゃないしなあとか、うんぬん。

 今書いているお話は、シェイクスピア喜劇をなぞっているので、まあ同じように変な展開になるのだが、だいぶ物語の組み方が違う。
 それで、わたしが今まで見たことのない構造になっていて、首を傾げる。
 これはいったい何なのだろう?
 と。
 先日、新聞を読んできてはっと気付いた。
 分かった。
 そーか、そうだったのかと爆笑してしまう。
 それは落語の展開だったのである。
 それに気付いたとき、わたしの目の前にはおそろしく良質なコメディーの研究材料の一群が輝くように目の前に広がっているのが見えた。
 あのベテランはこう付け足してくれればよかったのだ。
 それは落語の展開だね。
 落語を研究するといいよ、と。

 わたしはけっこうNHKラジオを聞くラジオっ子なので、落語はよく聞くと言うよりも耳に入る。ときどき、まじめに聞く。なので、同じ年齢の人に比べれば落語は聞く方ではあるのだが、あんまりまじめに聞いたことはない。
 名作を挙げろと言われても目黒のさんまをタイトルだけ知っているぐらいで、当然ながら、体系的に調べてみたことはないし、当たり前だが物語解析を使って分析をしてみた事は一度もない。
 しかし、わたしが短編と言ってすぐに思いつくお手本である、宮部みゆき、北村薫、山本周五郎と言った辺りは、おそらく落語の影響を受けていて、その影響を間接的にわたしは受けているのだ。

 なにかずっとこの周辺をうろうろしていたのだけど、実はその「落語」こそが真っ先に掴むべき存在だったと気付くのである。
 今になってこの辺りを読むとかなりもどかしい。

 ■「サリバン家のお引越し」 シリーズ 野尻抱介を考える
 http://blog.story-fact.com/?eid=721461


 おまえ、そこまで気付いているなら、落語へ行けよ!!!!
 と思ってしまうのであるが(笑)、この当時は落語を解析対象とすることがとても勉強になる事とはつゆとも気付いていなかったし、まして、それを解析するなどと言うことさえ思いつきもしなかった。
 なぜだろう?
 わからない。

 今こう気付いてみて、なんだこんな簡単な事だったのかと唖然とする。
 さっそく落語本を買ってきて、どれ解析しようかなあと物色している。

 すぐにでも、落語解析を始めることにする。
| 物語研究 | 20:11 | comments(0) | trackbacks(0) | 昨年の記事
ゲームブック作りの作業工程をさらしておく

 えーと、亀のようにのろのろとしておりますが、カリカリ書いております。
 書き始めると、音信不通になって、生死不明になってしまうのがつらい・・・。
 いつも通りなのですが、難航気味。
 もっとペースを上げていかなければならないのだけど、遅筆を速くする方法ってなんかあるんですかねえ・・・。
 というわけで、詰まったので、現実逃避しております(^_^;

 さて、そういえば書いてなかったなあと思いますので、いまわたしが書いているゲームブック作りの作業工程をちょっと書いてみたいと思います。
 まだ完成させているわけではないのですが(辺境の祭はあんまりゲームブック・ゲームブックしていないので除くとして)、だいたいこんな感じで書いてるよ〜というのが伝わればいいかなあと思います。


 ■1.シナリオ作成

 これは、いわゆるTRPGのシナリオ作成だと思っていただければ、そのままなのでOK。
 わたしはこれを作るのが異様に速いので、他が異様に遅く感じられてしまう。
 このシナリオ作成の工程は以前書いたことがあるので、こちらをご参照ください。

  シナリオの組み方を実践してみる(4)
 シナリオの組み方を実践してみる(3)
 シナリオの組み方を実践してみる(2)
 シナリオの組み方を実践してみる(1)

 これです。
 ちなみに、これは改作して(というかしないと話のネタがばれるので)、四本目のシナリオに採用する予定。今後の予定としては、

 1本目 辺境の祭 → ウォーク周りの話。一応、帝国領内。明るい話。
 2本目 名称未定 → リニー周りの話。キュディスをぐりぐりと書く。暗い話。
 3本目 名称未定 → トラン浮遊船団周りの話。ショートシナリオ集。トランを(ry 明るい話。というかスラップスティック・ストーリー。
 4本目 名称未定 → ボルニア王周りの話。エストという国の陥落を描く。暗い話。シェイクスピア悲劇みたいな、というかパクる。

 というわけでこの四本目の話なのですね・・・。
 (というか、これ書くの、いつになるんだか・・・)

 あと必要なのは、ペネス周りの話と、ザブンデ周りの話と、あとどこだ・・・、ラスペのシティーアドベンチャーとかも書きたそうだし、もうちょっとまじめにウォーク周りに
帝都の話も書きたいかなあとか、と、無限に構想は膨らむし、シナリオなんてぽんぽん書けるので、遅筆がネックになってしまう。


 ■2.プロット作成

 このプロットは、いわゆるあらすじではなく、どっちかというと、アウトライン化した出来事の連なりというか、これは以前書いたので、サンプルを。


 ■物語展開(プロット予定)

 起

 ・心臓移植手術(6歳ぐらい?)
  →少年(仮)から、ヒロイン(仮)に心臓が移植される。
   →移植者は父(仮)
  ○この辺、16歳のヒロインの心の独白をかませながら、
  ○ちょっとアンニュイ入った感じで展開していく。

 ・ヒロイン16歳(仮)が、目覚め、ニューカルタヘナの光景を描きながら、
  現状を確認していく。買い物とかしにいってもいい。
  ○独白は続いている。

   (ここまで、3〜4ページぐらい?)

 ・拡大EU軍に声を掛けられる。
  →ヒロイン、意味不明でびびる。
   →軍は結構ものものしい。ジープ2台、1小隊(数十人)ぐらい。
    →「○○さんだね?」調の感じ。
     →囲まれて連れて行かれそうになる。
  ○イキナリ軍人が出てくる。異様な雰囲気。

 ・少年が突然、小隊を襲撃してくる(装備はショックガン)
  →戦闘始まる。少年結構強い。
   →小隊、武装ジープを動かして応戦を始める。
    →少年、分が悪くなる。
  →少年がヒロインの名を呼び、逃げろー、という。
   →いきなり逃げろといわれて、首をかしげるヒロイン。
    →少年は、小隊に追いかけられ、逃げていく。
  →小隊、お父さんの名を出して、助けられるのは君しかいないみたいな
   ノリで、同行を願う。
   →「どこへ行くんですか?」
    「アトランティスさ」
  ○ここからしばらく戦闘がないので、派手めに。
  ○少年はAKIRAっぽいイメージ。

   (ここまで、掴み。ここから、もっとヒロインの心象に入っていく)

 ・ジープに乗り、ニューカルタヘナを郊外まで向かう。
  →この辺、ヒロインの回想シーン。
   →父は数年会ってない。母は死んでる。
    →今一人。生活は軍の支給(にしておくか?)。
     →アトランティスってなに?

 ・飛行機に乗り、アトランティス第3閉鎖区域へ移動。
  →この間も回想。自由につかって可。
   →飛行機には、情報局の将官らしき男(おー、新キャラ(笑))。
    →ちなみに、ムスカではない。怪しい感じが出ればよい。
  →飛行機、空港到着。
   →あからさまに基地。見上げると、巨大な遺跡。
    →富士山みたいに巨大。※注1

 ・基地の施設に入っていく。将官から解説を受ける。
  →お父さんは英雄。研究者。この遺跡に入った。
   →でも帰ってこない。どうしても取り戻したい。
    →アトランティスの概要を説明。
  ○ここ、ちょっと長めに一般的な伝説を説明。
  →戸惑うヒロイン。将官アトランティス人の協力を得ているという。
   →時間が止まったアトランティス人が出てくる。
    →君の心臓はアトランティス人の心臓、しかも特別な心臓。
     だから、君にしかこの遺跡に入れない。
     →君のお父さんはアトランティス人なのだ。

 ・逡巡するヒロイン。
  →これまで見てきた夢はアトランティスの記憶なのかも
   (忘れてた、どこかに不思議な夢を見ることをぶち込んでおく)
   →なんとなく価値観のない自分、それを確かめようか?
    →お父さんは何をしていたのだろう? 何を考えているのだろう?

 ・決意するヒロイン。
  →アトランティスを見に行こう。
   →そして、お父さんを助けよう。

  (起は以上。12ページぐらいで書けるかなあ・・・(笑)<無理くさくない?)。


 承

 ここから先は考えていない(笑)



 これです。
 これは、漫画の原作のつもりで書いたので、起承転結で整理しているのだけど、ゲームブックの場合は項番で整理する。なので、上のプロットを無理矢理ゲームブックに改造すると、


 1.

 ・心臓移植手術(6歳ぐらい?)
  →少年(仮)から、ヒロイン(仮)に心臓が移植される。
   →移植者は父(仮)
  ○この辺、16歳のヒロインの心の独白をかませながら、
  ○ちょっとアンニュイ入った感じで展開していく。

 ・ヒロイン16歳(仮)が、目覚め、ニューカルタヘナの光景を描きながら、
  現状を確認していく。買い物とかしにいってもいい。
  ○独白は続いている。

  ・市場へ出かける 2へ


 2.

 ・拡大EU軍に声を掛けられる。
  →ヒロイン、意味不明でびびる。
   →軍は結構ものものしい。ジープ2台、1小隊(数十人)ぐらい。
    →「○○さんだね?」調の感じ。
     →囲まれて連れて行かれそうになる。
  ○イキナリ軍人が出てくる。異様な雰囲気。

  ・逃げ出す 3へ
  ・助けを求める 4へ


 3.

 ・拡大EU軍が追いかけてくる。
  →ジープとかで追ってくるので怖い。
  →路地に逃げ込もうとするが、兵隊足が速い。
  →威嚇発砲されて縮こまる。
   →でもすぐに逃げ出す。

  ・市場の群衆に紛れる 5へ
  ・家へ引き返す    6へ


 4.

 ・少年が突然、突然現れる。小隊を襲撃する(装備はショックガン)
  →戦闘始まる。少年結構強い。
   →小隊、武装ジープを動かして応戦を始める。
    →少年、分が悪くなる。
  →少年がヒロインの名を呼び、逃げろー、という。
   →いきなり逃げろといわれて、首をかしげるヒロイン。
    →少年は、小隊に追いかけられ、逃げていく。

  ・逃げる 7へ

 5.

 ・市場へ逃げようとすると、後方で銃声。
  →なんか、小隊が襲われているみたいだ。
   →ヒロイン、不思議に思って振り返る。
 ・少年が戦っている(装備はショックガン)
  →戦闘始まる。少年結構強い。
   →小隊、武装ジープを動かして応戦を始める。
    →少年、分が悪くなる。
  →少年がヒロインの名を呼び、逃げろー、という。
   →いきなり逃げろといわれて、首をかしげるヒロイン。
    →少年は、小隊に追いかけられ、逃げていく。

  ・逃げる 7へ

 6.

 ・家に逃げ帰ろうとする。
  →前方に少年が現れる。
   →ここにいたか、あぶないところだったとか、意味不明なことをいう。
 ・少年が小隊に戦いを挑む(装備はショックガン)
  →戦闘始まる。少年結構強い。
   →小隊、武装ジープを動かして応戦を始める。
    →少年、分が悪くなる。
  →少年がヒロインの名を呼び、逃げろー、という。
   →いきなり逃げろといわれて、首をかしげるヒロイン。
    →少年は、小隊に追いかけられ、逃げていく。

  ・逃げる 7へ

 7.

 ・あっけなく小隊に捕まる。
  →小隊、お父さんの名を出して、助けられるのは君しかいないみたいな
   ノリで、同行を願う。
   →「どこへ行くんですか?」
    「アトランティスさ」

 とまあ、こんな感じ。
 分岐としては、

 1
 ↓
 2
 ↓   ↓
 3   4
 ↓ ↓ ↓
 5 6 7
 ↓ ↓
 7 7

 という感じになっている。
 かなり手抜きでざっと書いているので、もうちょっと膨らますところなのでしょうが、まあ、だいたい雰囲気は分かると思う。
 こんな感じで、プロットは書いていく。

 プロットも、うーんそうですね・・・。
 書く速度で書けますかねえ。たとえば、十項目ぐらいのプロットなら原稿用紙10枚で長くて2時間ぐらい。
 プロットで悩むことはあんまりない。


 ■3.データベースに登録

 このプロットの時点で分岐構造は出来ているので、もうこの時点でデータベースに入力してしまう。そうすると、ゲームブック解析ツールが勝手にグラフ構造を示してくれるので、非常に助かる。
 なんか思いつきでぱっぱと分岐させていると、とんでもなく複雑になっていたりして、泣く泣く選択肢をリストラしたりする。


 ■4.実際に書く

 あとは、がりがりと書く。
 これが鬼のように時間が掛かる・・・。
 ただ、プロットを見ると分かると思うのですが、少年の戦闘シーンとかって、まったく同じ事件が3つの項目で起こっていますよね。この戦闘に突入の仕方が違うので、若干ヒロインからの見え方は変わるので、修正はするのですが、無から迫力のあるシーンを生み出すよりも、流用してしまった方がだいぶ楽になる。
 文章的にはまったく違うようにみえても、起こっている事実は変わらないので、労力的には半分ぐらいになるし、まあ、またほとんど修正が必要ない場合もある。
 言い回しとかを使いまわしたり、結構この辺は、積み木を積み上げているような感じになる。
 ただ、まあ、他から持ってこれない、完全な新作シーンが大変なんですよね・・・。

 というわけで、今はこの完全な新作シーンを書いていて、あまりにもとろとろしているので、現実逃避しているのですが・・・。

 くそー、この鬼複雑なプロット書いたのだれだよ!!!!
 絶対、あいつ書き手のこと考えてない。
 くそー、むちゃくちゃなシナリオとプロット作りやがって!!!!

 と、わたしに怒鳴り散らしたい気分・・・(ため息)。
 さあさあ、怒るだけエネルギーの無駄だよ、さっさと書け書け。
 という感じ・・・。

 あとは、2.〜4.を繰り返す。
 以上です。

 はいはい、逃避は終わり終わり、さあさあ、頑張って。

| 物語研究 | 17:43 | comments(0) | trackbacks(0) |
 起承転結問題集 -初級編- 見せてもらおうか、単語ジェネレータの実力とやらを!

 えーと、単語ジェネレータのデータ収集にまい進しておりました管理人でしたが、だいぶいい感じになってきたように思えるので、ちょっとテストを敢行してみたいと思います。


 経緯はこちら。

 ■わたし以外にはほんとにどうでもいいアプリケーションを思いついた…。
 http://blog.story-fact.com/?eid=1025733


 わたしはシナリオのネタを考え始めるとき、よくランダムで単語を三つ並べて、そこからネタを作ることが多い。
 こういうのを落語の世界で三題噺というらしいのだが、ブレスト風にいろいろ考える発端として便利なので、よくつかっている(そして、昔から使われていた事が、この方法が便利であることを証明しているように思える)。
 で、このランダムの単語を三つ探すがとてもめんどくさいのである(笑)。
 まあ、何というか、極端にものぐさな管理人ですんませんという感じなのだが、だったら、これを発生させるアプリケーション作っちゃおうぜ! と思いついたのである。



 地道に単語を収集して、現在、ワード数は、えーと、3436らしい。
 現在オンラインで公開してあるのは、わたしが書いた文章から抽出したものしか乗っかってないバージョンで、これは1400ぐらいだったか?

 http://story-fact.appspot.com/randstr/

 で、今回はテストとして、起承転結を理解しているかのテストを作成してみたいと思います。昔物語解析でやっていたやつです。こういうの。

  この四つの文章に「起」「承」「転」「結」のそれぞれに役割分担し、
 並び換えをし、足りない隙間を補ってストーリーにしてみてください。
 
  ・新生活が始まったばかりの少女は夜が遅い
  ・少年は犬をつれてランニングをする
  ・夜桜が好きなんて言い訳は、そんなに、もたない
  ・川堤の桜は咲き乱れている


 この答えは、

  つまり起承転結は、
  「起」 川堤の桜は咲き乱れている
  「承」 少年は犬をつれてランニングをする
  「転」 新生活が始まったばかりの少女は夜が遅い
  「結」 夜桜が好きなんて言い訳は、そんなに、もたない



 となります。
 なんとなくどういうテストかはわかったでしょうか。

 ■くわしくはこちら。解説などもあります。

 物語解析 起承転結法 基礎
 http://story-fact.com/mk_log.php?shu=kmk&num=1



 ただ、こういうのって、実はこの短文を考えるのがすごい大変だったりするのですよね。
 というわけで、わたしの作った単語ジェネレータの登場です。
 ほんとにランダムで単語を出すだけなのですが、その威力はいかに。
 では、いってみましょう。



 ■第一問

 ・うなり声をあげながら、家路につく。
 ・母はそんな、典型的な日本の母親だった。
 ・今日も東京の底で、引込んで仕事。
 ・家賃が苦しくなると仕送りをしてくれる。


 ■第二問

 ・誰もが仏教の法会のように念仏を唱えた。
 ・今夜を逃せば、一揆が成就する好機はない。
 ・徒歩者たちは周囲の森に耳を済ませた。
 ・豪雨が提灯をぬらす夜。


 ■第三問

 ・兜を脱ぐ時が、息を飲む瞬間。
 ・大軍勢の将を前に、豪族は自分をお山の大将だったと悟る。
 ・灰色の予感が、身体を走る。
 ・欄間には、敗軍の将を笑う鬼たち。


 ■第四問

 ・心残りは英語をちゃんと勉強しなかったこと。
 ・周囲は何んだかガヤガヤ云っている大勢の声。
 ・悪い者になった心持ちでぼくは国立大学から帰宅する。
 ・全身に疲労感を感じながら坂道を下る。


 ■第五問

 ・高橋さんは、世間との交渉に疲れ果てたという。
 ・万歳三唱の中、ぼくらは戦場へ向かう。
 ・ついに学者へと登る梯子はおろされた。
 ・夏の道にしゃがれ声が響く。


 ■第六問

 ・スキー場の仕事は体力勝負だ。
 ・フロントグラスの雪を落とし、剛は送迎バスを出した。
 ・まぶしく輝く銀世界から嬌声が聞こえてくる。
 ・四本の溝がゲレンデにパラレルのシュプールを描く。


 どうですか?
 出来ましたか?
 もし用意がいいのであれば、答え合わせをして見ましょう。

 ちなみにこの文章は、単語ジェネレータを使用して、6つの単語をランダムで表示して、それを元に作っています。
 ただ、全部使っているわけではない場合もあるのと、また出元がばれるような単語や、単語が固まった場合には飛ばしています。
 この辺は単語数が数万のオーダーになってくると自然解消すると思うのですが、とりあえずは運用でカバーする以外にありません。

 さて、では行ってみましょう!


 ■第一問

 家賃が苦しくなると仕送りをしてくれる。
 母はそんな、典型的な日本の母親だった。
 うなり声をあげながら、家路につく。
 今日も東京の底で、引込んで仕事。

典型的な日本の母親    家賃    家路
和尚    引込んで仕事    うなり声


 ■第二問

 豪雨が提灯をぬらす夜。
 徒歩者たちは周囲の森に耳を済ませた。
 今夜を逃せば、一揆が成就する好機はない。
 誰もが仏教の法会のように念仏を唱えた。

耳    豪雨    提灯
夜    徒歩者    仏教の法会


 ■第三問

 兜を脱ぐ時が、息を飲む瞬間。
 灰色の予感が、身体を走る。
 欄間には、敗軍の将を笑う鬼たち。
 大軍勢の将を前に、豪族は自分をお山の大将だったと悟る。

息を飲む瞬間    兜    身体
灰色の予感    お山の大将    欄間


 ■第四問

 全身に疲労感を感じながら坂道を下る。
 周囲は何んだかガヤガヤ云っている大勢の声。
 心残りは英語をちゃんと勉強しなかったこと。
 悪い者になった心持ちでぼくは国立大学から帰宅する。

心残り    全身    坂道
国立大学    何んだかガヤガヤ云っている大勢の声    悪い者


 ■第五問

 夏の道にしゃがれ声が響く。
 高橋さんは、世間との交渉に疲れ果てたという。
 ついに学者へと登る梯子はおろされた。
 万歳三唱の中、ぼくらは戦場へ向かう。

世間との交渉    道    戦場
夏    梯子    しゃがれ声


 ■第六問

 四本の溝がゲレンデにパラレルのシュプールを描く。
 まぶしく輝く銀世界から嬌声が聞こえてくる。
 スキー場の仕事は体力勝負だ。
 フロントグラスの雪を落とし、剛は送迎バスを出した。

スキー場    石    四本の溝
体力勝負    仕事    フロントガラス


 こんな感じです。
 で、実際にこれだけ書くのにかかった時間は、

 30分!


 単語ジェネレータ、
 すげぇぇぇえぇぇぇぇぇぇっぇ!



 ちょっと使った作品が古いので、内容が古めになってしまっているのですが、この辺は本数が増えてくれば、だいぶ変わってくるでしょう。
 しかし、面白いんじゃないかぐらいで考えていたツールの、この破壊力はなんだwww

 連邦のモビルスーツは化け物か!

 じゃなくて、あまりにもすごすぎて腰が抜けた…。
 すげぇwww


| 物語研究 | 22:42 | comments(0) | trackbacks(0) | 昨年の記事
黙々と解体作業・・・
 本当に黙々と解体作業を続けている。
 設計したデータベースのデータを打ち込むのだけど、これが、何というか本当に勉強になる。こういうイメージのキーを、イメージが発しやすいように切っていくというほんとそれだけの作業なのだが、イメージの並び方が、上手いものとあまり上手くないもの、あと、イメージの強度のバランスとか、そういうのが、とてもダイレクトに頭に入ってくる。

 その中で、ちょっと思ったのは、イメージの選び方の部分。
 たとえばその時代にしかない言葉を使う場合と、普遍的な言葉を使う場合。
 これ、多分直感でわかると思うのだけど、その時代にしかない言葉を使う方が、強度が強いと言うことに気付いた。
 まあ、当たり前と言えば当たり前なんだけど、これにフラグ付けをしているから、あーこの言葉はSFでは使えないとか、逆にそういうのを使うと、SFと言っても違う風味付けになるんだなあとか。また、逆に、そういう時代をいくつも重ねて書くと、奥行きが出るんだなあとか。
 結構、この作業オススメです(笑)。
 あんまり単語の出元を悟られたくないので、多分、わたしが書いたやつ以外のやつを出すのはちょっと先にするつもりですが、とりあえず2000ワードぐらいになってきた。
 あー、もう実例をだして、文章解析とか、五本ぐらいできちゃいそうだよ、という感じなのだが(笑)、これは多少フラストレーションを感じつつ、まあ、仕方あるまい仁義は切ろう。
 しかし、ほんとに単語に分解して、その単語の性質を調べるだけで、なんか研究成果がばんばん出てきそうな感じである…。こういうのって誰かやってないのかなあ…。まあ、いいや。とりあえず、黙々と解体しております。


| 物語研究 | 22:33 | comments(0) | trackbacks(0) |
データベースの仕様策定と、その他もろもろ
 えーと、どうしようかと思っているのですが、データモデルだけ作ってしまおう。
 Bigtableはいつでもレコードごとにフィールドを追加可能なので、あんまりかちこちになってテーブル設計をする必要はない。
 というわけで、どばーっと。

 SEQ   int ユニークキー :シーケンシャルナンバー
 writer  str        :書き手。

 writerは基本的に利用できないようにする。
 管理用のフィールドで、フラグ付けなどをするときに参照にするのみ。
 なんで利用できないようにするかというと、これは著作者(というか著作人格権に配慮している)に配慮している。あとパブリシティ権。あくまで利用者は、管理者側でつけたフラグでしか利用できない。まあ、厳密にはパブリシティ権がなければ、著作権違反になる可能性はゼロなんだが、まあ、研究というか分析に使いたいだけとはいえ、一応、作家と作品からとの紐付きは利用できないようにする。
 というか基本的に著作権が切れている作品がほとんどメインになるはず。
 というか、今公開されているのは、わたし書いた短編ベースだし、わたしの著作ベースでも数千枚のオーダーであるので、全部使い果たすことはほとんど不可能に近い。過去の試算で11Mb近くあるし。そこからもう既にゲームブック関係だけでも800枚は積み上げているし、ちなみにこのブログだけでも、ピュアテキストで2.2Mbある。なので、尽きるということはほとんどないのだ。
 ただ、そうなると、わたしが新たな語彙を獲得できるチャンスが全くなくなる。
 これがねえ、痛いんだよねえ…。
 なんとかならんかねえ・・・。

 title str         :タイトル。同じく管理用で、一般には利用できない。
 word  str         :これがメインとなるキーワード
 f_ost flag 0:NO 1:YES   :今後、頭にf_がつくのはフラグ。これは歴史小説
 f_nst flag 0:NO 1:YES   :これは現代小説。
 f_fst flag 0:NO 1:YES   :これは主にSF。
 f_jas flag 0:NO 1:YES   :これは日本が舞台の物語。
 f_fos flag 0:NO 1:YES   :これは外国が舞台の物語。
 f_owr flag 0:NO 1:YES   :これは古い書き手。
 f_nwr flag 0:NO 1:YES   :これは現代の書き手。
 f_jaw flag 0:NO 1:YES   :これは日本人作家。
 f_fow flag 0:NO 1:YES   :これは外国人作家。つまり翻訳もの。
 f_has flag 0:NO 1:YES   :これは喜劇。Happy story Sad story。
 f_sas flag 0:NO 1:YES   :これは悲劇。
 f_maw flag 0:NO 1:YES   :男性の書き手。
 f_wow flag 0:NO 1:YES   :女性の書き手。

 んーとりあえずばーっと書いてみました。
 どうかなあ…。
 わたしは40フィールドぐらいどばーっとあるテーブルばっかり見ているので、なんか物足りない感じがしないでもない。ただ、あんまり多くして使いこなせるのかという問題もあるきがするし、どうせ、初期は十作品分とかそんなもんなので(たぶんこれだけでも数千ワードになるはず)、あんまり細かくしても意味がないかなあと思ってしまう。
 ただ、GQLってどうなんだろう…。
 あちこち見てはいるのだけど、どこまで便利でどこまで不便かが見えにくい。
 んー…。

 どうでもいいが、Adobe CS4の発売があと一週間ぐらいあとに迫る。
 もう、何年ですか(笑)、これは大げさだけど、AIRが出てきた辺りからもう乗り換える気満々で、お金もこつこつ貯めてきたのが、ようやっと発売となる。
 うれしい誤算で、出費額も7万8千円ぐらいで、しかもビッグカメラで予約したから、10%のポイントが帰ってくる。これで、もちろんActionScript3の書籍を大人買いだ!!!! やったー! 一年前の24インチの三菱フルHDを買ったときに勝るとも劣らない興奮であるのだ。
 これで、ゲームブックUIが完全に刷新される。
 これまでの、UIはまあ頑張って作ったのだけど、さんざんにActionScript2とFLASH Basic8のバグと思わしき現象に、悩まされて、開発を凍結してしまったという状況なのだ。これが、信頼性の高いActionScript3に刷新され、しかも、FLASH10にはAdobeのPDFチームのテキストレンダリング技術が乗る。
 これまでFLASHのテキストレンダリングは、Web以下だったけど、突然にそれが印刷品質になる。もう、AdobeとMacromediaの合併の最大の功労と手放しで喜んで、クラッカーを鳴らしても誰も文句を言わないに違いない。
 InDesignとDreamweaverの融合。そしてFLASHとの融合。
 こんな興奮することがほかにあるか。
 パブリッシングとWEBが融合してしまったのだ、技術的には完全無欠に。
 だって、そのクリエイティブスイートを作っていた本人たちが融合してしまったし、そこを前面にAdobeは押し出しているし、こここそが、Webパブリッシングの総本山であるからだ。
 もちろん、社内からは、別の会社が何個も存在しているようだと、その断絶については、たくさんの言が出ている。ただ、これは希望的観測で全く信頼できないのだけど、Adobeはこれを乗り越えるだろう。Adobeにできなければ、この世に乗り越えられる企業はない。永久に出版とWebの垣根を越えることのできる企業は出ない。そう断言したくなるほど、フロントエンドのソフトウェア会社として圧倒的すぎて、ため息が出る。
 だからさ、みんなで祝おう!
 12月19日。
 この日に革命が起こる!
 デジタル・パブリッシングがついに本当になる!
 これに、FLASH10搭載の電子書籍端末が登場すれば、すべてが変わる。
 インタラクティブな読書環境が普及する。
 こんな未来が、本当にやってくるのかはわからない。
 ただ、現在売り出されているPDFリーダー端末が、タッチパネルのFLASH10リーダーになることは、少なくとも電池の問題を無視すれば、非常に現実的である。まあ、なんといっても作っている会社が同じなので。
 いま、誰もがパブリッシングが変革する地点に立っているのである。

 しかし、こうやって考えると、新しいパブリッシングのハブとなる企業体(出版社に該当する)が備えなければならない機能は結構厖大である。どーするんですかねえと、そんな感想しかない。
 わたしが見ているのは、DTPとWebの融合であって、それが本とあまり変わらない読書体験で格安なら、データにパブリッシングは移るだろうという確信であって、これはもうどんだけ話されてきたのかわからないほどなので、わたしが語るのは避けるけれど、UIを改良してよいものを作る人はあるのである。
 わたしがかなり前に造ったゲームブックは、内容はたいしたことないのだがもう、千人台後半のアクセスがあって、ほんとにこいつら読んでるのだろうかと思ってしまう。
 もっと驚くべきは、youtubeに公開したオブリビオンというゲームの戦闘シーンの何気ないキャプチャーが1万人が見ていることである。こんなくだらない映像を、1万人もの人々が見るのかと、あきれてしまう。
 ここにあるのは便利さに対するニーズだ。
 既存のメディアはあきれるほど不便だ。
 あまりにもくだらなくて、キャプチャーするのに五円もかからない映像に、こんだけのニーズがあるのである。もう一年ぐらい放置している。その一年のあまりにも厖大な毎秒に生まれたニーズにわたしのキャプチャー動画は答えたようなのだ。
 一時間に一人ぐらいしか需要が無い。
 だけど、一年で着実に一万人が見る。
 こういう長期的な発想はいまのところテレビ業界では出ない。
 ロングテールという言葉はあるのだが、なぜかこれはAmazonで完結してしまう話になってしまう。ほんとに、見る価値が無いような、どうでもいい映像なのだ。うそだと思うなら、それなりに需要が多そうなキーワードにどうでもいい映像を流してみるといい。例えば同じようなところで言えば、ドラクエ9の映像とかどうだろう。たぶん、わたしと同じような経験をするはずである。そして思うのだ、なんで、こんなくだらない映像に一万人も。
 これがマーケットニーズなのである。

 どうでもいいが、友人を救わなければならなくなった。
 こういう役回りはいつもどおりで、わたしが死んでいたときには誰も助けてくれなかったのに、放置できないことだけはわかる。毎度おなじみの神経の問題だ。わたしももう何度も乗り切ったので、またあれか、基本的にあれは周りが悪いのだ、しかし、これを乗り切るには本人が乗り切らなければならない、とかなり理不尽な不公正な戦いなのだと、ため息をつく。
 肝は、すべては自分が悪いと思っている人に、周囲の劣悪な環境に対する抵抗力を持たせることなのだが、これが難しい。諦めている人間に戦う方策を教えることに等しくて、そのためには戦略とか、戦術とかもあるかもだけど、ようは、害悪をなしている人をいかに精神的に反撃するとか、逃げ出す、というようなかなり道徳的にどうかと思うことも教えなければならない。これは正当防衛だ。正当防衛局面でしか使わないのだけど、この正当防衛を発動させる局面があまりにも多すぎる。
 不眠症で精神科に通院しなければならない状況に追い込まれれば、なんらかの措置を講じなければ、基本的人権という人間が生きるうえでの基本的な権利が侵されているという、極めて重大な局面にあるのだと認識しなければならない気がする。
 日本人は、こういうところに疎すぎる。
 強い人も弱い人も、最低限の人間的な尊厳を守られる。
 それは最低限の国家だ。
 これがなせないなら、国家は存在する意味はない。
 しかし、現在の麻生政権はこういうところはわかっているようである。わたしはヘビースモーカーだけど、たばこ税はあげてもよかったんじゃないかなあと思いつつ、ちゃんとリサーチしたんだろうかと、職業柄心配になる。

 んー。自己都合で不幸になる人はあんまりいない。
 予測できない事情の連鎖で不幸になるし、ほとんどが環境が問題を引き起こしている。
 これはまさに物語解析理論で、それを考えている身としては、この複雑さに耐えられない知的脆弱性を抱えるおろかな人々が、なんかくだらない空論を振り回しているように感じる。問題は複雑に絡んだ事情のティッピングポイントにあるのだ。これを見つけるのが、給料をもらう資格がある人間である。

 なので、どうすれば、彼を救えるのかなあ。
 気楽に書く癖がついたが、これは深刻な問題である。
 時間が掛かる問題だとは思うのだが。
 わたしだって2年かかった。
 その前は4年かかった。
 いくつかアイデアはあるが、あるだけなんだよな。それを飲んでくれるかどうか。基本的には世界観を開くしかないのだと、そうは思うのだけど。
 あたらしいエンジンに火を入れるしかないのだとは思うのだけど。

 困ってはいるのだけど、ある期間の間にひとりの人間が助けられるのは、せいぜい一人ぐらいなのかもしれない。
 絶対にあそこから引きずり出したい。













| 物語研究 | 02:11 | comments(0) | trackbacks(0) |
【完結】喫茶店のコーヒーと紅茶へのリベンジ その5
続きです。


 過去のエントリーはこちら。
 ■【小説の書き方を教えてください】<楽な範囲でやってみた
 ■小説の書き方の話
 ■小説的な表現の実験です・・・、すみません・・・。
 ■喫茶店のコーヒーと紅茶へのリベンジ その1
 ■喫茶店のコーヒーと紅茶へのリベンジ その2  
 ■喫茶店のコーヒーと紅茶へのリベンジ その3  
 ■喫茶店のコーヒーと紅茶へのリベンジ その4



 このシーンを作っている。

 ・主人公がカフェで紅茶を飲みながら、論文を読んでいる。
 ・ヒロインが入ってきて、コーヒーを頼む。
 ・いらいらとするヒロインをちろちろ見る主人公。← 【ここまで冒頭】
 ・紅茶が出てくる。
 ・怒るヒロイン。
 ・主人公がなだめる。
 ・冷たいヒロイン。              ← 【いまここ】
 ・しかし、主人公が読んでいる論文を見て、おっと思う。
 ・ちょうど今の取引に使えそうなネタなのだ。
 ・説明して欲しいと言う。
 ・一時間で突貫でレクチャーする。

 で、

 ・達也がカフェで論文を読んでいるところから始まる冒頭
 ・達也がカフェに入ってくるところから始める冒頭
 ・通りを歩いているところから始まる冒頭

 の三つの冒頭を書き、その差異を示すことによって、使われている技術を明らかにしてきました。その後、残りの工程のうちの中間地点と思わしき付近まで書き進めました。本日は、最後の詰めです。

 しかし、思いの外、長くなりましたねえ(^_^;
 もう79行もある(原稿用紙約8枚)。
 結構ばっさり書いているので、もうちょっと表現豊かに書く余地が大量にあるのですが・・・、その辺はかなり大雑把にやっておりますので、ご容赦ください。
 うーん、もうちょっとコミカル色を出すべきなのですかねえ・・・。
 宮部みゆきってどうやってコミカル色を出しているんだろう・・・。
 なんて事をやっていると、永遠に終わらないので(笑)、まあ、その辺は良い。

 さて、ここから達也がレクチャーしていくシーンになるのですが、どうしましょう(笑)。まあ、今回はあんまり詳しく書かないとしても、まあ、ある程度例示する必要があるので、多少わたしも詳しいところを選ばなければならない。
 わたしが古美術関係で強いセクターは、江戸後期から戦前まで(というか現実に最も流通しているのがこの辺の古美術)。なので、達也は、幕末から明治・大正期の産業文化史でもやっていることにしましょうか。
 この辺の話(特に明治期)の産業や財閥の勃興とかの話はあんまり知っている人も少ないので、それなりに新鮮でしょう。実際のところ、明治期の美術品はこういう人々がパトロンとして君臨していたから勃興したみたいなところがあって、派手な金遣いの時代だったので、ネタはいくらでもあるんです。

 ブツはなにがいいですかねえ・・・。
 真葛とか。
 知らないですよね・・・。
 馬鹿高い陶磁器なんですか、結構ネタがあるんだったりする。
 真葛香山の作とか言うと、とんでもない値がつくブツなんです。
 まあ、いいや。
 真葛でいこう。
 いかにもブツって感じでいい感じだ。

 という訳で、書くか。




 せわしい学内を抜けて、寒々とした街路樹の間を通り沿いに歩くと、達也のなじみのカフェ、シャムロックがある。
 騒々しい通りを十分も歩くだけの価値はある。
「いらっしゃい」
「紅茶ね」
「水曜日ですからね。マスター、紅茶!」
 はじけるような久実の声に、抱えた学会誌と論文と喧々諤々の議論の束を下ろし、達也はほっと腰を下ろした。
 やわらかな日差しの向こうの寒空に、飾られたゴールドクレスト。
 静かなインストゥールメンタルは、甘いクリスマスソングに変わっていた。
「どうぞ」
 久実が湯気をたてるティーカップを置く。
「雪でも降りそうですね。飾ったんですか」
「大変だったですよ。マスター、凝るから。降ってもらわないとやってられません」
「どうして?」
「入るんです、お客さんが、たぶん、寒いから」
「へえ」
 シャムロックの午後三時はいつも閑散としている。ランチとパブで賑わうすこし高いカフェは、騒々しい研究室からの逃亡先としては絶好といえた。
 論文のページを繰り、達也は三色のボールペンでラインを引いていく。
 カップに口をつけると、空気に香りがとけた。

「すみません」
 唐突に扉が開き、落ち着いた女性の声が響いた。
「ここ、煙草吸えますか?」
「ええ、わたしも吸いますから」
 奥からマスターが顔を出し、達也に大丈夫だよな、と念を押す。
「ええ、構いません」
 なにげなく視線を上げたつもりが、釘付けになった。
「じゃあ、ホットを」
 スーツ姿の女性は近くのテーブル席に座る。達也と歳は変わらないのではと思えるほど若く、その若さには不似合いなほどの大きな革のトランクケースを携えている。長い黒髪にぴったりの黒縁の眼鏡をいじり、ほそい煙をくゆらせて煙草を吸った。
 驚くほどの美人だった。
 達也は生まれて初めて、心が動揺するのを感じた。
「どうぞ」
 久実がティーカップを置き、砂糖とミルクを添える。
 若い女性はゆっくりと煙草を消し、静かに言った。
「これは紅茶です。コーヒーを頼んだつもりだったんですが」
 小首を傾げる久実に、鼻白んでいう。
「ホットコーヒーです」
 マスターが奥から顔を出し、遠回しに言った。
「入れ直しますよ、アイリッシュしかありませんが。お時間は大丈夫ですか?」
 若い女性は時計を見て、顎を揺らす。
 会社勤めにはとても見えない。鞄がオフィスには不似合いに思えたし、古風なチェック柄のスカート、淡い灰のベスト、ベージュのコートは趣味的と取られても文句は言えない。
 達也は何人かの女の子たちを思い起こす。
(この人はクリスマスをどう過ごすのだろう?)
 血液が全身を駆け上るのを覚え、論文にまた目を向ける。
 線を引こうとするが、肝心な内容がまったく入ってこない。
 カチカチと色を変えるが、変わるのは芯で、気持ちではない。
(まいったな)
 おそるおそるといった様子でホットコーヒーを運ばれてくる。
 案の定、若い女性のどこかでなにかがカチンと鳴る音が、気まずい店内に響いた。
「これは?」
 カップには攪拌されたコーヒーと、その上に大量の生クリーム。そして普通なら、
「ウィスキーは入っていませんよ」
「あ、当たり前です」
 マスターは困ったなあと頭をかく。
「アイリッシュ・コーヒーしかご用意できないのです。当店はアイリッシュ・カフェでして」
 女性は、細い指を眼鏡にあて、冷静に問い詰めるような声で聞く。
「なぜ、それを先に言わないのですか?」
「ちょっと」
 達也は声を出していた。
 女性が達也を向いて、視線が合う。
 達也はそれをあまりにも無防備に見つめてしまったのだ。
「なに?」
「いえ、言ってましたよね、アイリッシュしかないって、マスターが、それに」
「それに?」
「クリスマス、ですし」
 あきれたように立ち上がり、達也のところまでやってくる。
「もうクリスマスだから、コーヒーは出せないというの?」
「いえ、そうではなく、ほら、聞いてください、クリスマスソングです、この曲は確か」
「ハッピー・クリスマス。ジョン・レノン」
「そうそう、それですよ」
 女性はあきらめたようにため息をつき、椅子に腰を下ろす。
「落ち着けってことですよね?」
「ええ、まあ」

 久実があたらしい紅茶を運んでくると、ささくれだった空気は静かになった。
 女性は煙草に火をつけ、ゆるやかな煙を眺めながら物思いふける。
「おいしい」
 至近でつぶやく。
 達也は論文に集中している振りに熱心になる。
 ラインを引く、ページを繰る、考えているように指で額をコツコツと叩く。
 精読しなければならない資料は、現実に山積みで、しかもそれほど時間が残っているわけではない。
「大学の方ですか? とても忙しいんですね」
 不意に声を掛けられ、ちらと上目遣いに見る。
「ええ、学会が近いんです。今年は号令がかかっちゃってて」
「史学科か何かですか?」
「産業文化史をやっています」
 なるほどとうなずくゆるやかな視線が達也を、かなしばりのように包み込む。
 がたんと椅子が音を立てた。
「こ、これ、宮川寅之助じゃないですか」
「え? 宮川?」
 ぽかんと見上げると、眼鏡の奥の目をまんまるくして立ち尽くしている。
「宮川寅之助、号は真葛香山、著名な陶芸家です」
 達也はあわてて論文を見る。
 ――フィラデルフィア万国博覧会における日本館出品物の評価とその影響
「え、ええ、真葛ですね。ああ、たしかに真葛焼は出品されていますが、それが?」
「たしか、真葛香山の陶器はシカゴの博覧会で世界レベルの名声を得たはずで」
「ああ、でも、その前のフィラデルフィアが確定的だったんです。パリでも十分な評価を得ています。たしかにシカゴが世界展開のきっかけですが、日本代表として万国博覧会に出るほどですから、まあ、この論文によればですが」
「たしか、マクズウェアって、海外では」
「ずいぶん輸出したみたいですし、真葛焼の窯には外国人の金持ちたちが列を作ったようです。当時も高かったんですから、いま買えばとんでもない額でしょう」
 女性は深刻に何かを考え、すぐに言った。
「入っているんです、あのトランクに」
「なにがですか?」
「なにって、その、マクズウェアが」
 しばらく意味がつかめなかったが、とっさに声が出た。
「本物……、ですか?」
「あたりまえです。偽物なんて、うちは絶対に取り扱いません」
 あわててポシェットを探り名刺入れを、一枚を達也に差し出す。
 店名と思わしき表示の下に、黒崎貴子、と細い毛筆字で記してある。
 にこっと貴子は笑った。
「先週、ロンドンのスタッフから届いたんです、だから里帰り。うちのお客さまのお一人がぜひ見たいって、それでこれから」
「はあ……」
 貴子はちらっと時計を見た。
「一時間弱あります。ぜひ教えて欲しいんです」
 せがむような貴子の顔を見て、この人はいろんな表情がそれぞれに美しいんだな、と達也はぼんやりと思った。
「なに、……を?」
「産業文化史。万国博覧会の周辺を重点的に」



 と、だいぶ難航したのですが、こんな感じか・・・。
 この後のうんちくセクターも書こうかと思ったのですが、だいぶ枚数が込んでいるので、この辺で。ただ、このままだと宙づりになってしまうので、緊張をほぐしがてら、解説をしてみましょう。

 この明治の初期という時代は、元号こそ明治に変わっていますが、どちらかと言うと幕末の続きで、幕府の代わりに薩長土肥が政権をたてている時代です。だいたい、明治20年ぐらいまででしょうか。この時代はほとんど江戸で、しかし開国しているのでどんどん珍しもの見たさで外国人が入ってくる。
 もちろん、手ぶらで来るわけではないので、目的は貿易。
 しかし、当時の日本には産業らしい産業がなく、金とか銀を代わりに貿易していたほどです。さすがにちょんまげを持って帰るわけにはいかない。
 そこで、政府は一生懸命、輸出品を作ろうとするのです。
 この当時その代表格だったのが、日本の陶磁器だったのです。

 幸いにも日本には腕の立つ陶工があまたいて、そこに西洋の陶磁技術が入ってきて、一気に爆発するように花開く。最盛期には陶工数百人の陶器工場なんかが建つぐらいで、これといって見るものがなかった日本の代表的な産業になります。
 この中で著名なのが、ここで出てくる真葛香山をはじめとする名だたる陶工たち。
 江戸と西洋が混じり合ったエキゾチックで豪華な陶磁器文化を作り出します。
 それは、フランスで勃興したジャポニズムと呼応するように、アールヌーボーなどの芸術様式とも影響を与え合います。
 ジャポニズムというと北斎をはじめとする浮世絵ですが、実はその浮世絵が包んでいた(つまり浮世絵は包装紙だった)のがこの輸出陶磁器だったのです。
 しらなかったでしょ(笑)。
 なので、国内にはほとんどこういった作品は残ってない。
 だから恐ろしく高い。
 しかもこういう物語を知ってしまうと余計に欲しくなる。
 貴子がぴぴっと来て、必死に達也に教えてくれというのもそういうところからなのです。

 また、こういった陶工たちの作品を紹介する絶好の機会が万国博覧会でした。
 世界の産業商品が並ぶ中、日本を代表する商品として売り込まれたのです。
 たぶん、マクズウェアと呼ばれるようになったのは、シカゴ以降でしょうね。フィラデルフィア、パリで徐々にそういう商品があると知って評判になり、シカゴで一気にワールドクラスになったという感じでしょうか。
 これはわたしの勝手な推測ですが。

 以上、簡単なうんちくでした(笑)。
 ちなみに貴子たちが語っているのは、全部事実です。
 あー、無駄知識・・・。

 実は、こういう、日本の明治の勃興と美術作品が密接に絡んでいるケースというのは異様に多かったりするのです。当時の芸術のパトロンは、新産業貴族たちで、その人たちが熱心に美術品を買ったからというのもあります。
 とにかくこの辺の逸話はこれでもかっというぐらいにある。
 しかも、この時代はそのまま日清日露へ直行しますので、この辺を大々的にかたると、ちょっと外交上まずい。なので、ほとんどテレビなどでは語られない。
 今度の龍馬伝で三菱財閥を築いた岩崎弥太郎をやるらしいのですが、こういった明治の財閥の主たちを扱った大河ドラマはたぶん初めてです。
 たとえば、そういった金持ちたちの間で盆栽が流行ります。
 これは、明治天皇が部屋の飾りとして、西洋風の飾りではなく、いかにも禅とか、枯山水っぽい盆栽を選んだからというのが発端なのですが、そのおかげで金持ちたちの間で一気に流行るんですね。
 当時の金持ちというのは、ビル・ゲイツみたいなのがごろごろいるような状況で、それだけ一部の金持ちにお金が集中していたという事を意味します。この溢れ余る金が湯水のように美術品に向かうんです。
 西洋一辺倒の中で日本的なものが欲しくなるみたいな。
 明治期というのはほんとうに名だたる芸術家を輩出しますが、こういった背景が原因だったりします。

 というわけで、こういうのを絡めて書いてみたら面白そうだなあと思って書いてみました。
 いかがだったでしょうか。
 しかし、わたしはほんとどうでもいいことばっかり知ってるなあ(笑)。

 今回はずいぶん書きすぎましたので、解説等は省略することとします。
 もし何かありましたら気軽に聞いていただければ嬉しいです。

 以上で講座とリベンジとそれにかこつけて貴子が書きたかっただけという、本シリーズを終わります。
 おつかれさまでした!

 あー、つかれた(笑)
| 物語研究 | 00:51 | comments(0) | trackbacks(0) | 昨年の記事
喫茶店のコーヒーと紅茶へのリベンジ その4

続きです。


 過去のエントリーはこちら。
 ■【小説の書き方を教えてください】<楽な範囲でやってみた
 ■小説の書き方の話
 ■小説的な表現の実験です・・・、すみません・・・。
 ■喫茶店のコーヒーと紅茶へのリベンジ その1
 ■喫茶店のコーヒーと紅茶へのリベンジ その2  
  ■喫茶店のコーヒーと紅茶へのリベンジ その3  



 このシーンを作っている。

 ・主人公がカフェで紅茶を飲みながら、論文を読んでいる。
 ・ヒロインが入ってきて、コーヒーを頼む。
 ・いらいらとするヒロインをちろちろ見る主人公。
 ・紅茶が出てくる。
 ・怒るヒロイン。
 ・主人公がなだめる。
 ・冷たいヒロイン。
 ・しかし、主人公が読んでいる論文を見て、おっと思う。
 ・ちょうど今の取引に使えそうなネタなのだ。
 ・説明して欲しいと言う。
 ・一時間で突貫でレクチャーする。

 で、

 ・達也がカフェで論文を読んでいるところから始まる冒頭
 ・達也がカフェに入ってくるところから始める冒頭
 ・通りを歩いているところから始まる冒頭

 の三つの冒頭を書き、その差異を示すことによって、使われている技術を明らかにしてきました。いい加減、飽きたというか、冒頭ばかりを書いているのも馬鹿らしいというか、つらいので、話を先に進めましょう。
 とりあえず、比較的出来のよかった第三の冒頭をベースに続きを書いていきます。
 冒頭は何気ない日常を書いていますが、ここから非日常的な(そして誰でもぶつかりうる)ドラマを書いていくことになります。
 ですので、これまでの描写とは若干違った技法が出てくるはずです。
 こういった日常とドラマをごちゃごちゃにしながら、揺さぶっていく推理小説の群を日常の謎系というらしいです。あんまり事件でがんがんに引っ張っていくと言うよりは、日常の中に事件を発見するという感じでしょうか。
 いま書いているのは、それに古美術系のうんちくが混ざっていく感じ。
 あー、それに、旅情系が混じる(単純にわたしが好きなので)。
 なので、実態としては著名な古美術商の営業担当の日常という感じでしょうか。

 とりあえず、まあ、さっさと書いてしまいましょう。
 ぐだぐだ言っていても、まったく進まないゾ!
 とっとと書こう。


 では。


 せわしい学内を抜けて、寒々とした街路樹の間を通り沿いに歩くと、達也のなじみのカフェ、シャムロックがある。
 騒々しい通りを十分も歩くだけの価値はある。
「いらっしゃい」
「紅茶ね」
「水曜日ですからね。マスター、紅茶!」
 はじけるような久実の声に、抱えた学会誌と論文と喧々諤々の議論の束を下ろし、達也はほっと腰を下ろした。
 やわらかな日差しの向こうの寒空に、飾られたゴールドクレスト。
 静かなインストゥールメンタルは、甘いクリスマスソングに変わっていた。
「どうぞ」
 久実が湯気をたてるティーカップを置く。
「雪でも降りそうですね。飾ったんですか」
「大変だったですよ。マスター、凝るから。降ってもらわないとやってられません」
「どうして?」
「入るんです、お客さんが、たぶん、寒いから」
「へえ」
 シャムロックの午後三時はいつも閑散としている。ランチとパブで賑わうすこし高いカフェは、騒々しい研究室からの逃亡先としては絶好といえた。
 論文のページを繰り、達也は三色のボールペンでラインを引いていく。
 カップに口をつけると、空気に香りがとけた。
「すみません」
 唐突に扉が開き、落ち着いた女性の声が響いた。
「ここ、煙草吸えますか?」
「ええ、わたしも吸いますから」
 奥からマスターが顔を出し、達也に大丈夫だよな、と念を押す。
「ええ、構いません」
 なにげなく視線を上げたつもりが、釘付けになった。
「じゃあ、ホットを」
「はい」
 スーツ姿の女性は近くのテーブル席に座る。達也と歳は変わらないのではと思えるほど若く、その若さには不似合いなほどの大きな革のトランクケースを携えている。長い黒髪にぴったりの黒縁の眼鏡をいじり、ほそい煙をくゆらせて煙草を吸った。
 驚くほどの美人だった。
 達也は生まれて初めて、心が動揺するのを感じた。
「どうぞ」
 久実がティーカップを置き、砂糖とミルクを添える。
 若い女性はゆっくりと煙草を消し、それから静かに言った。
「これは紅茶です。わたしはコーヒーを頼んだつもりだったんですが」
「ホットって」
「ホットコーヒーです」
 マスターが奥から顔を出し、遠回しに言った。
「入れ直しますよ、アイリッシュしかありませんが。お時間は大丈夫ですか?」
「ええ、多少時間はあります」
 若い女性はちらりと時計を見る。
 ビジネスウーマンにはとても見えない。それは革のトランクケースがコンクリートのオフィスビルには不似合いに思えたし、着ている服だって、古風なチェック柄のスカートに、淡い灰のベスト、ベージュのコートは趣味的と取られても文句は言えない。
 達也は何人かの付き合った女の子たちを思い起こす。
 そして思う。
(この人はクリスマスをどう過ごすのだろう?)
 とたんに気恥ずかしくなり、論文に目を向ける。ボールペンで線を引こうとするが、肝心な内容がまったくあたまに入ってこない。カチカチと色を変えてみるが、変わるのは芯で気持ちではない。
(まいったな)
 久実がおそるおそるといった様子でホットコーヒーを運んでくる。
 案の定、若い女性のどこかでなにかがカチンと鳴る音が、気まずい店内に響いた。
「これは?」
「あ、あの・・・」
 カップには攪拌されたコーヒーと、その上に大量の生クリーム。そして、普通なら、
「ウィスキーは入っていませんよ」
「あ、当たり前です」
 マスターは困ったなあと言うように頭をかく。
「当店ではコーヒーはアイリッシュコーヒーしかご用意できないのです。当店はアイリッシュ・カフェでして・・・」
 女性は、細い指を眼鏡にあて、冷静に何かを考える。
 低く、落ち着いた声が問い詰めるように言う。
「なぜ、それを先に言わないの?」
「あー、いや、その・・・」
「ちょっと」
 思わず、達也は声を出していた。
 女性が達也を向いた瞬間、その視線が合う。
 達也はそれをあまりにも無防備に見つめてしまったのだ。
「なんですか?」
「いえ、言ってましたよね、アイリッシュしかないって、マスターが・・・、それに」
「それに?」
「クリスマスですし・・・」
 あきれたように立ち上がり、達也のところまでやってくる。
「もう、クリスマスだから、コーヒーは出せないというの?」
「いえ、そうではなく、ほら、聞いてください、クリスマスソングです、この曲は確か・・・」
「ハッピー・クリスマス。ジョン・レノン」
「そうそう、それですよ」
 女性はあきらめたようにため息をつき、椅子に腰を下ろす。
「落ち着けってことでしょ?」
「ええ、まあ・・・」




 っと、こんなもんか。
 長え・・・。
 結構、貴子が動きにくくて、ぐちゃぐちゃといじってしまった・・・。
 あんまり出来はよくないなあ。

 えーと、この文章自体は、あんまり出来のよくない、べたっとした文章。
 ただ、この状況を成立させるのがとても難しくて、文章的な出来を気にする余裕がなかったという感じ。これをベースに第二稿で、この辺を修正していく。
 しかし、このレベルになると、さすがに力不足が目立ってきますねえ。
 へたですねえ(笑)。
 それなりに書けるからと言って、えっちらおっちら書けるレベルで、負荷が高いシーンになると、どうしても、そのシーンを成立させることだけでいっぱいいっぱいになってしまう。
 そのために第二稿が必要になる。

 このシーンは貴子と達也をくっつけるシーンで、しかも見ず知らずの人が会話するところまで持ってくのは、結構難しい。
 おっと、86行もあるのか・・・。
 たぶん、75行ぐらいまで絞れるはず。

 このシーンは、コーヒーと間違って紅茶が出てくるだけでは、貴子が動かない感じだったので、さらに、コーヒーのつもりがアイリッシュ・コーヒーだったという展開で貴子を怒らせている。
 ちなみに、このアイリッシュ・コーヒーが出てくるのは、マスターのいじわる心。これはマスターがからかっている。なので、貴子はその挑発に乗ってしまう。という展開だったりする。
 ここはわざとなんです。
 なので、この話の最後の方で、
「あそこでアイリッシュ・コーヒーを出したのは、わざとでしょ」
「あ、ばれてましたか。ぜひあなたのようなすてきな方には、当店のお客さんになっていただきたいと思いまして」
「それだけ?」
「わたしは、シャムロックが好きなんです。そこにいらっしゃるお客さますべてを含めて」
 といったような、告白をするシーンを用意する。
 (この会話はちょっと甘い感じはするが・・・)
 わざわざこの展開を持ち出しているのは、マスターがさっと場をおさめてしまいそうだったから。
 あとは見るべきところはないですかねえ・・・。

 どんだけ、序盤で喚起したイメージが残って、このシーンに突入しているかというところもある。この辺は、さすがに分けてかいているので、ぶちっと切れてしまっている感がしないでもない。これは修正しよう。
 クリスマスで全部を解決しているのは、貴子がこのカフェになじんでいく様子を書きたかったから。ここは、クリスマス気分を楽しむ、ほっと一息をつくカフェなんだよ、ということを、カリカリしている(大きな商談前なので)貴子と対比させることで、カフェのほんわか感をだそうとしているのです(そして、まだ上手くいっていない)。
 こういう、たくさんのイメージを縒って、自然な形として仕上げるのが、非常に難しい。
 流れを使ったり、イメージのぶつけ方で調整したり、セリフの使い方だったり、イメージを融合していく。それが小説を書くと言うことだったりするのです。


 まあ、よい。
 こんなにまじめに書いたのは久しぶりだ(笑)。
 修正を行ってみることにしましょう。
 すこしの修正が、だいぶリズムをよくするのだなというのが分かると思うのです。


 せわしい学内を抜けて、寒々とした街路樹の間を通り沿いに歩くと、達也のなじみのカフェ、シャムロックがある。
 騒々しい通りを十分も歩くだけの価値はある。
「いらっしゃい」
「紅茶ね」
「水曜日ですからね。マスター、紅茶!」
 はじけるような久実の声に、抱えた学会誌と論文と喧々諤々の議論の束を下ろし、達也はほっと腰を下ろした。
 やわらかな日差しの向こうの寒空に、飾られたゴールドクレスト。
 静かなインストゥールメンタルは、甘いクリスマスソングに変わっていた。
「どうぞ」
 久実が湯気をたてるティーカップを置く。
「雪でも降りそうですね。飾ったんですか」
「大変だったですよ。マスター、凝るから。降ってもらわないとやってられません」
「どうして?」
「入るんです、お客さんが、たぶん、寒いから」
「へえ」
 シャムロックの午後三時はいつも閑散としている。ランチとパブで賑わうすこし高いカフェは、騒々しい研究室からの逃亡先としては絶好といえた。
 論文のページを繰り、達也は三色のボールペンでラインを引いていく。
 カップに口をつけると、空気に香りがとけた。

「すみません」
 唐突に扉が開き、落ち着いた女性の声が響いた。
「ここ、煙草吸えますか?」
「ええ、わたしも吸いますから」
 奥からマスターが顔を出し、達也に大丈夫だよな、と念を押す。
「ええ、構いません」
 なにげなく視線を上げたつもりが、釘付けになった。
「じゃあ、ホットを」
 スーツ姿の女性は近くのテーブル席に座る。達也と歳は変わらないのではと思えるほど若く、その若さには不似合いなほどの大きな革のトランクケースを携えている。長い黒髪にぴったりの黒縁の眼鏡をいじり、ほそい煙をくゆらせて煙草を吸った。
 驚くほどの美人だった。
 達也は生まれて初めて、心が動揺するのを感じた。
「どうぞ」
 久実がティーカップを置き、砂糖とミルクを添える。
 若い女性はゆっくりと煙草を消し、静かに言った。
「これは紅茶です。コーヒーを頼んだつもりだったんですが」
 小首を傾げる久実に、鼻白んでいう。
「ホットコーヒーです」
 マスターが奥から顔を出し、遠回しに言った。
「入れ直しますよ、アイリッシュしかありませんが。お時間は大丈夫ですか?」
 若い女性は時計を見て、顎を揺らす。
 会社勤めにはとても見えない。鞄がオフィスには不似合いに思えたし、古風なチェック柄のスカート、淡い灰のベスト、ベージュのコートは趣味的と取られても文句は言えない。
 達也は何人かの女の子たちを思い起こす。
(この人はクリスマスをどう過ごすのだろう?)
 血液が全身を駆け上るのを覚え、論文にまた目を向ける。
 線を引こうとするが、肝心な内容がまったく入ってこない。
 カチカチと色を変えるが、変わるのは芯で、気持ちではない。
(まいったな)
 おそるおそるといった様子でホットコーヒーを運ばれてくる。
 案の定、若い女性のどこかでなにかがカチンと鳴る音が、気まずい店内に響いた。
「これは?」
 カップには攪拌されたコーヒーと、その上に大量の生クリーム。そして普通なら、
「ウィスキーは入っていませんよ」
「あ、当たり前です」
 マスターは困ったなあと頭をかく。
「アイリッシュ・コーヒーしかご用意できないのです。当店はアイリッシュ・カフェでして」
 女性は、細い指を眼鏡にあて、冷静に問い詰めるような声で聞く。
「なぜ、それを先に言わないの?」
「ちょっと」
 達也は声を出していた。
 女性が達也を向いて、視線が合う。
 達也はそれをあまりにも無防備に見つめてしまったのだ。
「なに?」
「いえ、言ってましたよね、アイリッシュしかないって、マスターが、それに」
「それに?」
「クリスマス、ですし」
 あきれたように立ち上がり、達也のところまでやってくる。
「もうクリスマスだから、コーヒーは出せないというの?」
「いえ、そうではなく、ほら、聞いてください、クリスマスソングです、この曲は確か」
「ハッピー・クリスマス。ジョン・レノン」
「そうそう、それですよ」
 女性はあきらめたようにため息をつき、椅子に腰を下ろす。
「落ち着けってことでしょ?」
「ええ、まあ」


 79行。
 だいぶ、表現は削ったはず。
 結構、たくさんの修正をしたので、どこを修正したかは確認をしてください(投げやり・・・)。基本的に削る事しかしていないはずなので(若干入れ替えていたりはするが)、二つの文章を並べてみれば、なにをしたかは分かるはず。
 その結果なにが起こったかを比べてみれば、わたしがなにをしたかは明らかでしょう。
 何というか、伸び放題の植木を刈ったような気分。
 こういうのをイキナリ書けないのかと言われれば複雑。
 まあ、だいぶ鋭いときは、素でこれぐらいは書けそうですが、いつもそんなに研ぎ澄ませて置くわけには、日常生活的にはいけない。神経が疲れ切ってしまう。参ってしまう。
 細かい表現は、いくらでも語る部分はあるのだけど、ちょっと疲れ切ってしまった感がしないでもない。

 知りたいことがあれば、質問を。
 なにも隠すことはないし、結局、小説というのは書き手のバランス感覚がすべてという当たり前の結論に至るのだ。
 精度の問題だったり、考え方の問題だったり、これまで見てきたものの問題だったり。
 碁を打っているみたいな世界なのだ。

 こればっかりは機械化できないなあと、自分で書きながら思ってしまう。
 FPS方面はどうなるかは、わたしには知ったことはないのだけど。
| 物語研究 | 00:28 | comments(0) | trackbacks(0) | 昨年の記事
喫茶店のコーヒーと紅茶へのリベンジ その3


 えーと、間が空きました。
 続きです。


 過去のエントリーはこちら。
 ■【小説の書き方を教えてください】<楽な範囲でやってみた
 ■小説の書き方の話
 ■小説的な表現の実験です・・・、すみません・・・。
 ■喫茶店のコーヒーと紅茶へのリベンジ その1
 ■喫茶店のコーヒーと紅茶へのリベンジ その2  


 このシーンを作っている。

 ・主人公がカフェで紅茶を飲みながら、論文を読んでいる。
 ・ヒロインが入ってきて、コーヒーを頼む。
 ・いらいらとするヒロインをちろちろ見る主人公。
 ・紅茶が出てくる。
 ・怒るヒロイン。
 ・主人公がなだめる。
 ・冷たいヒロイン。
 ・しかし、主人公が読んでいる論文を見て、おっと思う。
 ・ちょうど今の取引に使えそうなネタなのだ。
 ・説明して欲しいと言う。
 ・一時間で突貫でレクチャーする。

 で、

 ・達也がカフェで論文を読んでいるところから始まる冒頭
 ・達也がカフェに入ってくるところから始める冒頭
 ・通りを歩いているところから始まる冒頭


 これまでの二回で、第一のシーンと第二のシーンを書きました。
 今回は第三のシーンです。
 通りを歩いているところから始まるシーンですね。

 このカフェはどこにあるんでしょうね。
 一応モデルはあるのですが、その場所をもろに書いてしまうと元ネタがばれる(笑)。しかもその場所は大学が近くにないし、著名な骨董店もない。なので、適当に都合のよい場所とコンパチして架空のカフェを作ってしまうのです。
 うーん、物語的には青山とかだとそこそこぴったりなのですが、カフェの設定とまったく合わない。あんなに地価の高いところにあるカフェがこんなにのんきであるはずがない。
 でー、おしゃれめで、人はそんなにいなく、大学が近くにあり、著名骨董店もある場所を探しましょう。
 なんかすごい難しい設定ですね(笑)。

 まずはじめに思ったのはお茶の水界隈かなあと。
 お茶の水&神保町界隈の、一本裏に入ったカフェ。
 この区域は実は働いていたことがあるので、土地勘もある。
 (この辺だと浮世絵とかになりそうであるが・・・)
 あー、うーん。
 骨董店やめて、稀覯本店にする?
 ただ、わたしは稀覯本の取引に関する知識はない。また、ちょっと、RODというアニメの設定にまんま直撃で、隣接するのはあんまりよろしくない。
 と言うわけで保留。

 ◆この辺の界隈。
 
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 根津とか・・・。根津ねえ・・・。
 あの辺知らないんだよな・・・。
 骨董店はあるにはあるけどね・・・。
 あと、東大裏はいやだ。

 大学とかだと、金沢大とか、横浜国大とか、そんな感じのところ。
 文化研究がなんか進んでいそうな感じのところ。

 金沢ねえ・・・。行ったことないし、あの辺に骨董店は著名なのはなかった気がする(どうでもいいが、わたしは仕事で骨董屋データベースを作っていた時があるので、その辺の記憶から)。横浜もさりげなくなくて、あの辺はアンティークショップになる。
 そうなると、アンティーク店だな、貴子は。
 まあ、アンティークでもいいんだが、わたしはアンティークは強くない。
 あとそうですなあ、鎌倉とか?
 あの辺、大学あんのかなあ・・・。
 まあ、雰囲気はいいし、土地勘もあるし、実はあの辺は骨董店が集まっているのでいいんだが。

 う。
 うわあぁぁっぁぁぁぁぁぁあああぁっぁぁぁっぁ!

 観光地NG!
 NG! NG! NG! NG! NG! NG! NG! NG!
 絶対にNG!
 客来ちゃうじゃん!!!
 だめ、だめ、だめ、だめ、だめ、だめ、だめ、だめ、だめ、だめ。

 あー、同じく京都も駄目。
 そうかー、京都あったねぇ。

 わたしは結構、街歩きが好きで、関東近県ならあちこち歩き回っていたりする。
 中学の成績ではダントツだったのが物理と地理。
 地図なんて、もう何時間でも見ていられる。
 好きなのだ。
 だけど物理の点があまりにも良すぎたので、間違ったんだよね・・・。
 わたしにとって物理は勉強さえすれば必ず学年たったひとりの満点を取れる科目で、地理はまったく勉強しなくても必ず学年十位に入る科目だった。これで物理が得意と思ってしまったのが人生最大の失敗。
 高校では赤点ぎりぎりの低空飛行だった英語さえできれば、わたしは間違えなく商社マンだった気がする。
 地理と歴史と経済が得意なんて、あと旅好きなんて、どう考えても商社マンじゃないですか。あーあ、英語だなあ。まあ、特許の仕事も似たようなもんでまったく正反対にあるが、適職とは思うけど。
 テクノロジーは商社マンもそうだと思うけど、大好きだし。
 あー、そんな話はよい。
 地理の話をしていたのだった。

 で、まあ、そうやって歩き回った感覚から言うと、どこだろうねぇ。
 あー、うーん。
 こんなことをやっていると、よし! 週末はシャイロックのある場所を探しに東京都内を歩きまくろうツアー決行!!!! とか言う感じになってしまうのだが(<そしてなんどもやったことがある・・・)、えーと、これは一応、単なる講座で3枚ぐらいの描写のためですから!!! と思うのだけど、そういうの大好きだから、どうしてもそういう流れになりそうになってしまいます。

 うーん。
 気は進まないのだけど、早稲田の裏かねえ・・・。
 あー、主人公は早稲田の院生なのか・・・。
 あの辺は・・・、まあ圏内か・・・。

 おし、決定! 
 早稲田通り付近ね。
 あの辺は歩いているんだよね。

 ◆この辺の界隈。

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 カフェの存在も目視で確認。
 うーん。一応、早稲田は大学院に日本史学科もあるみたいだ。
 まあ、この辺は大学多いから、別にどこと決め付けられるわけでもないし。


 と、がーっと書いてみましたが、たぶんこれを読んで思ったのは、そんなモデルをいちいち決めるの? ということだと思います。
 まあ、わたしがそういうのが好きと言うこともあると思う。
 ただ、こういうイメージの蓄積がないと、文章は書きにくい。
 書けたとしても、若干劣る文章になりやすい。

 たとえば、現在見ている「ザ・ホワイトハウス」というアメリカの大統領を扱ったドラマでは、仮想敵である国家をクマーという実在しない国家名で呼んでいる。これは現実ではイランやアフガニスタンなのだろうけど、作中では、この中からイスラム原理主義色を完全に消し去っている。これは、外交上かなりまずいからだろうと思うのだが、そのために、このクマーがインベーダーゲームに出てくるインベーダーのようになってしまっているのは事実だと思う。

 たとえば旅情サスペンスのようなものが流行るのは偶然ではないと、わたしは思う。
 舞台が発生させるパワーみたいなものがたぶんあるのだ。
 たとえば、舞台をフランスにした場合と、イタリアにした場合と、ロンドンにした場合に、ロミオとジュリエットがまったく違う筋になる、というような。
 ちなみにどうでもいいが、本家のロミオとジュリエットの舞台はイタリアのヴェローナである。シェイクスピアさん、あんた、そこ行ったことないでしょ、イタリア。しかもこの話の原作はギリシャ時代まで戻りますから。底本はイタリアで流行った本だから、まあ、その辺から雰囲気はもらったんでしょうが。
 これがロンドンを舞台にしていたら、違う物語になりそうではないか。
 ロミ☆ジュリに関して言えば、現代で言えば、ハリウッドかぶれの日本人が書いた、ロスで起こった悲劇みたいな話なのである。
 イタリア人が観れば、
「ちげーよwww ばーかwww」
 と文句を言われていたに違いない(笑)。
 逆に言えば、日本人がハリウッドの「パールハーバー」を観て、
「ちょwww これはないだろwww JKwww」
 と言っているような状況だ。
 話が大幅に予定を超えてずれた。
 えーと、なにが書きたかったんだっけ?

 あー、舞台ドリブンのとき、結構、舞台が持っているパワーを無視しては行けないということだ、たぶん。当たり前すぎて、ため息が出るが・・・。
 この話は、カフェが特殊な役割を果たす。
 なので、このカフェ周り、つまり主要舞台周りは固めておかないと、かなりヤバイというか、ぶっちゃけいうとわたしは、そんな状況で書くことはできない。
 小説とは、数十の過去と未来へ伸びるイメージの束を縒るようなものだ、と書いた。
 どうやって達也はカフェまで来たのか。
 貴子は三十分前になにをしていたのか。
 これをイメージできないと、書き出せないのである。
 少なくともわたしは。
 そのためには、カフェが存在している土地を確定しないとならないのである。

 結構、書くという作業は、それ以前にイメージを固める作業が大量にあって、それをやっていないと少なくとも上手い文章は書けない気がする。なので、こうやって、もう、167行も費やして書いているのだが、こうやってイメージを固める作業をしている。
 何らかの調査レポートを書くとして、こんなイメージがないだろうか。
 調査1週間、レポート執筆3時間。
 小説も結局同じである。
 書くためのイメージ集めがやはり長いのである。
 わずか3枚を書くためにと思われるかも知れないが、集めたイメージは使い回しが効くので、続編を書くのはしやすい。もちろん、たとえば、200枚ぐらいの長編だとしても、シャイロックは何度でも舞台として使うことができる。
 知らないことは書けないのだ。
 そのためにイメージを形成する資料を集める。
 それだけなのだ。

 ながい(笑)。
 長々と書いた。
 もう、二十枚近く書いた(笑)。

 おっとどうでもいいがカフェの名前、シャイロックじゃなくて、シャムロックだろう・・・。意味がぜんぜん変わってしまう(笑)。
 シャイロックは、ベニスの商人の商人の名前。
 シャムロックは、アイルランドの象徴で、三つ葉のクローバー。
 油断していると、あっさり間違えます(<最低・・・)。



 よし書くか。
 おっと、いつも同じような出だしだとつまらないので、今回は出だしが長い冒頭縛りをしてみよう。
 この技法は、長い文章でも使えるのである。
 では。



 せわしい学内を抜けて、寒々とした街路樹の間を通り沿いに歩くと、達也のなじみのカフェ、シャムロックがある。
 騒々しい通りを十分も歩くだけの価値はある。
「いらっしゃい」
「紅茶ね」
「水曜日ですからね。マスター、紅茶!」
 はじけるような久実の声に、抱えた学会誌と論文と喧々諤々の議論の束を下ろし、達也はほっと腰を下ろした。
 やわらかな日差しの向こうの寒空に、飾られたゴールドクレスト。
 静かなインストゥールメンタルは、甘いクリスマスソングに変わっていた。
「どうぞ」
 久実が湯気をたてるティーカップを置く。
「雪でも降りそうですね。飾ったんですか」
「大変だったですよ。マスター、凝るから。降ってもらわないとやってられません」
「どうして?」
「入るんです、お客さんが、たぶん、寒いから」
「へえ」
 シャムロックの午後三時はいつも閑散としている。ランチとパブで賑わうすこし高いカフェは、騒々しい研究室からの逃亡先としては絶好といえた。
 論文のページを繰り、達也は三色のボールペンでラインを引いていく。
 カップに口をつけると、空気に香りがとけた。
「すみません」
 唐突に扉が開き、落ち着いた女性の声が響いた。
「ここ、煙草吸えますか?」
「ええ、わたしも吸いますから」
 奥からマスターが顔を出し、達也に大丈夫だよな、と念を押す。
「ええ、構いません」
 なにげなく視線を上げたつもりが、釘付けになった。
「じゃあ、ホットを」
「はい」
 スーツ姿の女性は近くのテーブル席に座る。達也と歳は変わらないのではと思えるほど若く、その若さには不似合いなほどの大きな革のトランクケースを携えている。長い黒髪にぴったりの黒縁の眼鏡をいじり、ほそい煙をくゆらせて煙草を吸った。
 驚くほどの美人だった。
 達也は生まれて初めて、心が動揺するのを感じた。



 んー、いろいろ考えたんですが、文章的にはほとんど変わらないですね・・・。
 まあ、同じ人が書いているので、同じような文章になるのはしかたないのですが、わざわざ変えるまでもないかなあと思ってしまう。

 だいぶ達也サイドの状況をにじませている内容になっています。
 文章的には冒頭をちょろっと変えただけですが、その後に乗ってくるイメージがガラッと変わってくるのがわかるのではないでしょうか。
 たった、4行変えただけ。
 わたしも4行変えて、ちょっといじってみたら、がらっと印象が変わったので、あーまあ、これでいいかと納得してしまったのです。

 この辺はこの書き方というか小説の難しいところでしょうか。
 結局、小説というのは読者のイメージ上に物語の実体があるので、読者の中にあるイメージが違うと、全く同じ単語を読んでも、全く違うイメージが想起されてしまうのです。
 今回の文章では、だいぶ達也が疲れた人に見えないでしょうか。
 また、なにやらしっかりした人に見えます。
 そうすると、達也の台詞や見解ひとつひとつの印象ががらっと変わってしまう。
 久実に話しかけるシーンが、前回では雑談をしているように見えるのですが、今回はなんというか社交辞令のように見えます。
 ここは全く同じ文章です。
 おっと。
「雪が降るかもしれないですね」を「雪が降りそうですね」に変えたか。
 これは、達也が外を歩いてきた描写があるので、そことのバランスを取っている。
 あー、あと、それにあわせて、
「雪でも降ってもらわないとやってられません」を「降ってもらわないとやってられません」に変えましたね。
 これは、「雪が降りそう」への返答として変だったので、「そうだそうだ、降れ降れ」という感じの若干同意気味の久実を出してみたという感じか。
 ただ、この修正は与える印象には影響のない修正なので、実質的には同じなんだけど、説得力はないか(笑)。

 まあ、いい。
 前回書いた文章とはほとんど変わっていないのだけど、今回の文書は全く印象が変わってしまっているというのだけ確認できればいいです。
 なんというか、同じ冒頭を3回も書くのってつらいですね(笑)。
 とっと続きが書きたいよ(笑)。

 というわけで今回は特に解説するところもないので、あっさり終わることにして、ようやっと「喫茶店でコーヒーを頼んだつもりが紅茶が出てきた」を実現することにしましょう。
 うわー、長かった(笑)。
 もう解説とか100枚近いんじゃないか?

 どーしますかね・・・。
 出来がいいのは、今回書いた稿なので、この稿をベースに続きを書いてみることにしてみましょう。おっと、なんか一気に書くのはもったいないので(というか解説しきれない)ので、何回かに分割してみましょう。
 どんな感じで進んでいくのかがわかるのではないでしょうか。


 ・主人公がカフェで紅茶を飲みながら、論文を読んでいる。
 ・ヒロインが入ってきて、コーヒーを頼む。   
 ・いらいらとするヒロインをちろちろ見る主人公。 ← いまここ
 ・紅茶が出てくる。
 ・怒るヒロイン。
 ・主人公がなだめる。
 ・冷たいヒロイン。
 ・しかし、主人公が読んでいる論文を見て、おっと思う。
 ・ちょうど今の取引に使えそうなネタなのだ。
 ・説明して欲しいと言う。
 ・一時間で突貫でレクチャーする。

 んー、どうしますかねえ・・・。
 冷たいヒロインあたりまでは、貴子が魅力を厖大に振りまくシーンなので、この辺で切って、前半として、そこから先は達也の心理描写が中心になるので、これを後半としますか。

 あー、疲れた(笑)。
 ほんと、続きがかけないというのは、監獄に近いですねぇ・・・。
 まいった。

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