CALENDAR
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>
本家STORY FACTサイト
NEW ENTRIES
CATEGORIES
RECENT COMMENTS
  • GB解析 -NG- 邪聖剣ネクロマンサー イシュメリアの悪夢 やったことあるんだよね・・・
    hikali (05/08)
  • GB解析 -NG- 邪聖剣ネクロマンサー イシュメリアの悪夢 やったことあるんだよね・・・
    マイケル村田 (05/04)
  • GB解析 -NG- ウィザードリィ3 ダイヤモンドの騎士 橋爪さんですね・・・
    hikali (03/29)
  • GB解析 -NG- ウィザードリィ3 ダイヤモンドの騎士 橋爪さんですね・・・
    マイケル村田 (03/25)
  • GB解析 -NG- ルパン三世/暁の第三帝国 良作なエンターテイメント
    hikali (01/09)
  • GB解析 -NG- ルパン三世/暁の第三帝国 良作なエンターテイメント
    マイケル村田 (01/06)
  • GB解析 -NG- 邪聖剣ネクロマンサー イシュメリアの悪夢 やったことあるんだよね・・・
    hikali (11/24)
  • GB解析 -NG- 邪聖剣ネクロマンサー イシュメリアの悪夢 やったことあるんだよね・・・
    マイケル村田 (11/21)
  • GB解析 -NG- 新・鬼ヶ島 暗黒の化身を討て! 成功した理由が良く分かりました。
    hikali (06/27)
  • GB解析 -NG- 新・鬼ヶ島 暗黒の化身を討て! 成功した理由が良く分かりました。
    マイケル村田 (06/24)
RECENT TRACKBACK
ARCHIVES
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS
無料ブログ作成サービス JUGEM
 
管理人hikaliの開発の日々の備忘録です。
本家はこちら。
http://plaza.rakuten.co.jp/hikali/
これがSJマジックだ! サイボーグを倒せ(後編)[細密GB解析]
 えーと、こんばんわ。
 hikaliです。

 ずいぶん長い間、鎖骨骨折の影響で、放置していましたが、復帰です。

 さっそく始めましょう。

 ■関連エントリー
 ・名作ゲームブックのパラグラフ組みを徹底研究
 サイボーグを倒せ(前編)[細密GB解析]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1195677

 ・名作ゲームブックのパラグラフ組みを徹底研究
 サイボーグを倒せ(中編)[細密GB解析]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1195687

 ・詳細GB解析 サイボーグを倒せ [前編]
 スティーブ・ジャクソン・マジックを完全解析
 http://blog.story-fact.com/?eid=1143535

 ・ミリーの天気予報にみるゲームブックの作り方。
 「サイボーグを倒せ」をヒントに。[前編]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1179473

 ・ミリーの天気予報にみるゲームブックの作り方。
 「サイボーグを倒せ」をヒントに。[前編]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1179473



 ■クラスターI 古代エジプト美術館での〈ミイラ男〉事件

 えーと、やって参りました(笑)。
 この「サイボーグを倒せ」に登場する、白眉のクラスター、クラスターIの登場です。
 わたしなどはこれを見ながら、おおおお、こうやるのか!! すげーw これぞ、スティーブ・ジャクソンマジックとうなってしまったのですが、なにやらグラフ図がかなり複雑なことになっています。わかりやすいように色分けしてみましょう。

 

 どうでしょう。
 鮮明になったのではないでしょうか。
 このクラスターは実のところクラスター内部に小クラスターを持っていて、それが上手く交通整理されながら、密接に絡み合っているのです。

 大きな2つの塊として、サーカス団と古代エジプト美術館があるのですが、古代エジプト美術館の方はかなり絶妙にカモフラージュされています。あまりの罠っぷりに、スティーブ・ジャクソンの老練さを感じてしまうのですが、その辺りを探りながら解析を進めていきましょう。

 ●サーカス団

・古代エジプト美術館での〈ミイラ男〉事件
  (新たなウィンドウで開きます)


 327から「自然史博物館 365」「タイタン動物園 408」「サーカス団 4」と別れますが、この4からサーカス団の小クラスターとなります。

 4はいきなり罠が…。ピエロが無言で手を引っ張るのですが、これに乗ってしまうと、もう失敗確定。同様にトレーラーハウスも失敗なのですが、これは実は伏線がありまして、途中で手に入る情報で、ライオンの檻が怪しいという情報を得ているのです。
 なので、399と223のルートは問答無用で失敗になりまして、上述の自然史博物館か動物園へ行きます。

 続いてライオンの檻の前ですが、ここは情報をえてフラグジャンプをしないと、正解のパラグラフにたどり着けない(き、きびしい……)。

 えっと、310からですがここは、
 「情報を得ている(フラグ) 360」「調教師を捕まえる 383」
 「もっと証拠を集める 45」「思念力を持っている 321」
 となっていて、前述の通り、360に行けないと、そのまま148へと強制移動されてしまう。

 続いて207から戦闘が始まり、
 ・超技術を持っている 92
 ・超技術を持っていない 297

 で分岐。92へいくと会議の合い言葉が手に入ります。
 この合い言葉は、会議の超重要情報なのですが、ここを通過しないと回収できないのですね・・・。かなり厳しいことになっております。

 これでサーカス団の一件は完了です。
 こうやってみてみると、けっこうシンプルな作りをしているのがわかるでしょうか。

 ただ、クラスターIの構成の特徴は、このような小クラスターの中身、ではなく、小クラスターの連なり方にあります。後ほど膨大な量を割いて、このクラスターIがどのように構成されているかを分析するのですが、この一点を念頭に置いて、みていくことにしましょう。
 この稀代のクラスターは、なかの小クラスターの繋がり方にこそ、秘密が隠されているのです。


 ●自然史博物館

 さて、続いて自然史博物館クラスターをみてみましょう。
 クラスターIのグラフ図を見れば明らかですが、この自然史博物館クラスターはたいへんちいさいクラスターです。パラグラフが4つしかありません。
 個人的には、こんなちょっとでいいんだw とびびってしまうのですが、これが必要のないところはばっさり切る大局観なのかと、感心してしまいます。

 ここは、365から、「恐竜の復元模型を見せてもらう 345」「巨大哺乳類を見せてもらう 253」と分かれて、253に罠が仕掛けられています。

 253は「一頭の虎の爪に血痕がこびりついている」という、いかにもなにかありそうな記述があります。これってなにかのヒントじゃないかとたぶん思うと思うのですが、じつはこれはブラフ、つまりミスリードを誘発するための罠です。

 用心深い読者諸氏の中には、いや、hikaliが見落としているだけだろ? と思う方もあるのかと思うのですが、いちおう、わたしが持っているデータは完全データで、少なくともこの自然史博物館クラスターに番号ジャンプをする地点はありません。

 わたしも、あれ? これってなんにもないの? ほんと? マジ? とかやりながら照合を続けていき、最後の一パラグラフがカチッと最後の位置にはまったときに、ちょw これブラフかwww やるじゃん、スティーブ・ジャクソンw と爆笑してしまったのですが、当時はなんのためにこのブラフが置かれているのかが分からなかったのです。

 このクラスターIの構造を解析するうちに、その「はてな?」の謎が解けてきて、ちょw スティーブ・ジャクソンw 老練すぎw と思ってしまいました。

 ・前に怪しそうを置いて、後ろの本命を隠す

 グラフ図を見れば一撃ですが、このクラスターの本命は、古代エジプト美術館です。ここにフラグジャンプが存在し、会議の重大な情報が手に入ります。ですが、この古代エジプト美術館のクラスターはあんまり怪しそうな記述がないのですね。ですので、プレイヤーはどうしても、自然史博物館の怪しい記述が気になってしまいます。

 このサイボーグを倒せは、何度もプレイし、何回目か、もしくは何十回目かにクリアできることを想定しています。つまり、プレイヤーは何度もこのクラスターIに突入することが予定されているのです。そこでプレイヤーは、
 このクラスターにある秘密はなんだろう?
 と考えるときに、どうしても、自然史博物館が気になってしまうのです。

 ですが、クラスター内の構成上、後ろの方にある古代エジプト美術館が本命であるのはほぼ間違いないですし、また文脈上、プレイヤーは事件が発生したとして古代エジプト美術館に向かうので、ここに事件があるのは自明です。
 それでもどうでしょうか。
 どう考えても本命は古代エジプト美術館であるのですが、自然史博物館が気になってしまう。
 まさにこれぞブラフw
 スティーブ・ジャクソンはここで、情報を混乱させるスパイスをふりまいているのです。
 なんとなく、その魔法の粉が見えたでしょうか(^_^;
 たった一行、「一頭の虎の爪に血痕がこびりついている」と書くだけなのです。

 ここは魔法の現場ですので、参考までにこの253の全文を掲載しておきましょう。

 館長は君を案内して、展示されている剥製をみせてくれる。ゴリラ、サイ、オオヤマネコ、そしてクジラまでも――そこにはなんでもあり、君は興味を持って調べていく。とくに君の注意をひいたものが、二つある。一頭の虎の爪に血痕がこびりついている。しかし、それが人間の血かどうか、あるいはどれほど古いもののなのかは、わかならい。また、館長の話では、象は昨日掃除のために地下の非公開展示室にうつしたそうだ。


 ここから、「ここにある展示品の調査をつづける 161」「恐竜をみたいと思う 345」と分岐します。

 いやー、いやらしいですねw
 このちょっとした記述が、後の古代エジプト美術館で効いてくるわけです。


 ●タイタン動物園

 続いて、動物園のクラスターです。
 と、これをクラスターと呼ぶのはどうかとわたしは思うのですが(笑)、まあクラスターとしましょう。たった二つのパラグラフしかありません。
 このクラスターがここに置かれていることは、とてもテクニカルで、全貌を把握すると、このクラスターIの白眉さを際立たせているのですが、それはクラスター構成上の問題でして、このグラフ図を見ていても分からない秘密だったりします。
(ちなみにその秘密が理解できると、たぶん目眩がすると思います……。後述します)

 ですので、ここでは、流れだけを追っていきましょう。

 まず、408で、
 「動物園で、逃げた動物のことを聞くが園長に聞いてくれといわれる。そこで、犯罪探知機が、「古代エジプト美術館」で事件が起こったと通報」
 といきなり、犯罪探知機が鳴ります。
 ここで、「美術館に駆けつける 158」「案内係についていく 26」と分岐するのですが、案内係に着いていっても美術館に行けます。

 26では、捜査の意味がないことが分かり、「古代エジプト美術展へ行く 158」「もう家に帰る 113」と分岐します。

 なるほど。
 これだけをみていてもなんでこんなクラスターがあるのかが分かりません。


 ●クラスターI内のクラスター構成

 さて、ここからが本解析の本番です。
 まずはそうですね、各クラスターの関係がどのようになっているかをみてみましょう。



 どうでしょうか。
 これを一瞥して、おおおお、スティーブ・ジャクソン、すげwww と思える人はもうこれ以上の説明は必要ないのですが、たとえばこのようにクラスターを並べてしまうと、このすごさが分かりません。

 

 分かりますでしょうか?
 本質をさらっと流して言うと、

 タイタン動物園のクラスターは、古代エジプト美術館へ行くための別ルートなのです。そして、機能的には148と等価です。


 ゾッとしたのでは(笑)。
 この構成が、なぜ白眉なのかが、目の前に現れてきたのではないでしょうか?
 そして、これはすごい、とため息が出ているのではないでしょうか。
 わたしは、このマジックに震えが止まりませんでした。
 これぞ、スティーブ・ジャクソン・マジック。
 クラスターIが稀代のクラスターである秘密です。

 その話をしていきましょう。


 ・スティーブ・ジャクソンの構成の基礎

 スティーブ・ジャクソンのクラスター構造などをみていると頻繁に目の当たりにするのが、それが階層構造をなしている、と言うことです。わたしがしばしば一列目、二列目、三列目と記載している部分がそれなのですが、彼が作るゲームブックには、明らかに進展を示す段階が存在し、その段階をうまく設計することによって、全体をコントロールしています。

 たとえば、このクラスターIを階層に分けてみればこうでしょうか。

 

 これはとても示唆的な図なのですが、たとえば、サーカス団で最終的な地点まで行くと、二列目のイベントである自然史博物館をスキップして、整理用のパラグラフである148へ跳びます。
 そうでなく、序盤で跳ねられたプレイヤーには二列目、三列目に行く事を許されます。
 階層構造が意図的に作られていることが分かるでしょうか?

 事件がプレイヤーの経験を加味して階層的になっているのです。
 わたしは容赦がないので、この辺はすっとばしますが、最終的には、第三列で序盤の調整が行われます。つまり、タイタン動物園と148が等価であることでいったんバランスが取れて、ここで、安定します。
 つまり、古代エジプト美術館への流入ルートが整えられるのですが、ここで重要なのは、性質があまりにも違いすぎるように見える、148とタイタン動物園のクラスターは、まったく機能的には同じである、という所がポイントです。ここでレベルセットしているのです。分かりますか? つまり、これまでの流れをここで切ってしまって、ここからミイラ事件に繋げているのです。
 なにか、自然史博物館で仕掛けた罠がずいぶん遠くに思えますよね(^_^;


 ・ワンミッション・ツゥールートの原則

 スティーブ・ジャクソンのクラスターをみていると、なるべく一つの突入口から二以上の出口があるように設計されているように思えてきます。
 たとえば、サーカス団の序盤の失敗には、自然史博物館と動物園の二つの選択肢が与えられます。自然史博物館は成功はあり得ないのですが、どうでしょうか、二つの選択肢が与えられています。
 逆に成功した場合は選択肢は一つです。
 このリズムが分かるでしょうか。
 動物園のクラスターをみてみましょう、家に帰るという選択肢があって複数用意されています。

 これがもし、動物園のクラスターが、なかったらどうでしょうか。
 この動物園のクラスターは148のシャドーと言ってしまいそうになるのですが、もう少し豊かな方向に生きているクラスターです。
 とてもつまらない、一本道な構成になりますよね?
 この、一番始めに提示される動物園という、実際にはどうでもいいように見えるクラスターがなかったら、どんだけ、このクラスターIは魅力のない構成になっていたでしょうか?

 ぐうとたぶんうなって頂いたことを確信して(笑)、この解説を終わりましょう。
 マジックが見えましたか?
 これが使いこなせそうですか?
 スティーブ・ジャクソンがせっかく残してくれたのですから(註:まだ、ジャクソンは死んでないけど・・・)、こんぐらい使いこなしましょう!


 ■古代エジプト美術館(表)

 さて、あとはさっと流していきましょう。
 まず、犯罪探知機に従って古代エジプト美術館に来るところから始まります。
 これが、158。

 <158>
 館長はなにもかわったことは起こっていないと言う。なんなら何もなくなってないか、調べてみようと言われる。

 ・分岐
 「彼の言うとおりにさせてみる 416」「案内をつけてくれるように頼む 135」

 ここで、416を選んでしまうと、完全失敗ルート。
 416で、
 「アモン・ラーの像を調べに行く 385」「一番貴重なアンカリス女王の石棺を調べに行く 240」
 と分岐するのですが、どちらへ行っても「とくに異常はない」で美術館を立ち去ることになります。

 ですので、135を選ぶのが正解なのですが、ここで情報を得ていないと「裏」へ行く事はできません。この場合は、416ルートと同様に、240へ飛び、そのまま、美術館を去ることになります。

 フラグを持っていれば、番号ジャンプで270へ。
 ここからは、古代エジプト美術館(裏)です。


 ■古代エジプト美術館(裏)

 270ではいきなり、警備員が正体を現し、ミイラ男になります。ここは戦闘。
 「電撃 170」「超体力 109」「これらを持っていない 61」
 と分岐し、戦いになります。

 この分岐は超体力が正解ルートで、勝てば2へ進み、会議の情報が手に入ります。

 電撃を選ぶと、じつは不利な戦いを強いられることが告げられ、
 「ミイラ男と戦う 431」「逃げ出す 314」
 と選択肢が示されます。

 431へ行き、勝てば英雄点が貰える。
 314へ行き、逃げ出せば英雄点が減点される。
 この辺はシンプルです。

 なにも持っていないと、61へ進み、襲いかかってくるミイラ男と戦うのですが、
 「がむしゃらに戦う 184」「逃げ出す 314」
 と分岐します。

 がむしゃらに戦うと、じつはミイラ男は驚異的な回復力を持っているとのことで、このゲームでは珍しいゲームオーバー。
 逃げると、314へ行くことになります。


 以上で、サイボーグを倒せの稀代のクラスター、クラスターIの解析を終わります。
 いかがだったでしょうか?

 ■関連エントリー
 ・名作ゲームブックのパラグラフ組みを徹底研究
 サイボーグを倒せ(前編)[細密GB解析]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1195677

 ・名作ゲームブックのパラグラフ組みを徹底研究
 サイボーグを倒せ(中編)[細密GB解析]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1195687

 ・詳細GB解析 サイボーグを倒せ [前編]
 スティーブ・ジャクソン・マジックを完全解析
 http://blog.story-fact.com/?eid=1143535

 ・ミリーの天気予報にみるゲームブックの作り方。
 「サイボーグを倒せ」をヒントに。[前編]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1179473

 ・ミリーの天気予報にみるゲームブックの作り方。
 「サイボーグを倒せ」をヒントに。[前編]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1179473





 
| 細密GB解析 | 22:46 | comments(2) | trackbacks(0) | 昨年の記事
名作ゲームブックのパラグラフ組みを徹底研究 サイボーグを倒せ(中編)[細密GB解析]

 こんばんわ、管理人のhikaliです。
 えっと、ずっと以前になるのですが、スティーブ・ジャクソンの名作、サイボーグを倒せのパラグラフの組み方を研究していたエントリがありました。確か前編だけ書いて、放置になっていた気が、と思いだし、本日、急遽、中編という形でお送りしたいと思います。
 そんな前のことはさすがに忘れたという方も、ぜひぜひおつきあいください(^_^;


 ■関連エントリー
 名作ゲームブックのパラグラフ組みを徹底研究 サイボーグを倒せ(前編)[細密GB解析]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1195677

 ・詳細GB解析 サイボーグを倒せ [前編] スティーブ・ジャクソン・マジックを完全解析
 http://blog.story-fact.com/?eid=1143535

 ・ミリーの天気予報にみるゲームブックの作り方。「サイボーグを倒せ」をヒントに。[前編]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1179473

 ・ミリーの天気予報にみるゲームブックの作り方。「サイボーグを倒せ」をヒントに。[前編]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1179473



 というわけで、細密GB解析では、クラスター内のグラフの組み方を徹底研究! 
 じゃんじゃん、行っちゃいましょう!


 ■クラスターE ウィズニーランドでの〈ふざけ魔〉事件

 さてまずは、ウィズニーランドでの事件。
 グラフ図はこのようになっています。




 数字だけでは分かりませんので、実際の内容を書いたメモをリンクしましたので、これを開いて、実際に各項番で何が起こっているかを確認してみて下さい。

 ・ウィズニーランドでの〈ふざけ魔〉事件の中身
  (新たなウィンドウで開きます)


 ここは、まず、「ジェットコースター」「びっくりハウス」「ドッジェム」のどこへ行くかを聞かれる。情報を得ているとびっくりハウスだと分かるのだけど、分からないと、ジェットコースター(187)、ドッジュム(357)へ行ってしまう。
 ここははっきりと失敗になっていて、どちらも事故が起こってうまく処理できないと、死亡事故になる。一日に二件も死亡事故がある遊園地ってなんだ(笑)という気がしないでもないけれど、まあ、よい。この2つはそのままクラスターの出口へ向かう。

 で、さて、びっくりハウス。
 174で人が閉じ込められているのを知り、ふざけ魔の仕業とわかり、超能力を使うことになる。
 まずここは、248が成功ルートで、ここで情報を知っていると、198でふざけ魔との戦闘、勝てば会議の情報が手に入る。
 で上手く行かないと結局143に流れて、「回転部屋」「トランポリン」「鏡の間」のどれを調べるかを聞かれる。この敗者復活戦に近い状況を、それと悟らせずに作るのはうまいかなあ。
 で、「トランポリン」だと成功で、ふざけ魔と戦える。倒すと英雄点。ここで情報が手に入らないのだなあと思った。
 他は失敗ルートで、「回転部屋」は鍵を見つけるのだけど、それは少年の自転車の鍵だったという落ちがつく、この辺はくすっと笑うところか。
 なお、「鏡の間」は完全な失敗なのだけど、そこからジェットコースターの事件に飛べるという救済ルート(?)がある。この辺の心遣いはけっこう素晴らしい。

 すべてが終わると、家に帰ることになる。


 ■クラスターG デパートでの〈炎の戦士〉事件

 まずはグラフ図を見ることにしましょう。



 続いて中身です。

 ・デパートでの〈炎の戦士〉事件の中身
  (新たなウィンドウで開きます)


 さて、このクラスターもさらっと流しますが。
 まず、111で「デパートで上司へのプレゼントを探す(429)」か「会社に向かう(301)」を選択。会社に向かうと、会社でクラスター分けとなる。けっこう、この「サイボーグを倒せ」はクラスターの頭とお尻にクラスター分け用のセクションがある。

 429でなにを買うか、どこへ行くかと聞かれ、「書籍売り場(42)」「ゲーム売り場(355)」で分岐する。書籍売り場へ行くとまんまと火吹き山の魔法使いを買うことになって無事(?)会社に向かうことになる。この辺振り落としですなあ(笑)。

 ゲーム売り場へ行くと火の戦士たちが暴れていて、超能力で対抗することになる。四分岐。「超体力(133)」を使うと、そのまま戦闘になり勝てば解決へ(380)、「思念力(178)」は上手く行かず、結局133へ行って戦闘へ、「超技術(156)」では完全成功で、火の戦士たちは降伏して380へ。

 以後「電撃(283)」を追う。
 まず、電撃が当たったか外れたかを聞かれ、はずれなら(200)で恥ずかしい思いをして、そのまま会社へ退散、301へ。
 当たった場合は炎の戦士たちのうちの何人かがやられ、残りと戦うことになる(53)。53では、残り一人になり、その残りの人が逃げ出す。ここで判断を問われる。

 この辺のやり方はスティーブ・ジャクソンの常套手段なのだけど、上手いなあと思ってしまう。成功行動を取っても、一気に全滅とまでは行かずに、変化した局面を提示して、その判断を聞く。なんか、すごい単純な事なのだけど、スティーブ・ジャクソンはこういうなんというのだろう、戦況の細分化が上手い。わたしが解析してきたゲームブックは、たとえばこうだ。

 W杯準決勝キックオフ。前半が始まった。いくらスペインでもドイツには苦戦するだろう。技術ロールを振れ。
 ・13以上 4へ
 ・13未満 17へ

 4 前半1−0 イニエスタのゴールだった。
 17 前半0−0 エジルの危ないシュートがあった。DFは怖じ気づいている。

 これがスティーブ・ジャクソンの作品だとこうなる。

 4 始終パスを回しポゼッションで勝っているが、ドイツのディフェンスは堅い。
 ・サイド攻撃を仕掛ける 15へ
 ・サイドをおとりに使って中央からミドルを狙う 78へ

 78 ゴール!!! イニエスタの芸術的なミドルシュートが決まった。

 これが前半が終了するまでに100ステップも掛かるようなゲームブックだと、閉口するかも知れないかもだけど(やってみたい気がむんむんするのですが(笑))、この程度の細分化は、もしくは細分化するためのゲームトークンの用意は、そこそこ重要かなあと。それはなぜかといわれれば、局面の変化を提示して判断を求める姿勢がより深いゲームになるからだと思う。
 例示したサンプルを見れば、前者が自動的に状況が決定されているのに対して、後者はいちいち判断を求めている。「判断を楽しむために作られたもの」がゲームだとすれば、当然後者の方に軍配が上がる。もちろん、その判断が楽しめるものでなければならないのだけど(笑)。

 なんか、話がこんだ。
 で、53で、逃げた一人を追いかけるか、倒した三人が警察に引き渡されるのを確認するかを聞かれる。
 追いかけると(13)その火の戦士はジャケットを投げて、その中に会議の情報がある。つまりこれが成功。警察に引き渡されるのを確認するのは、そのまま380へ。いわゆるこのクラスターの解決状況項目へ。

 380でクラスター分け。
 「会社へ走っていく」か「地下鉄で行くか」
 で、地下鉄でスリが起こって、それを捕まえるか捕まえないかでクラスターが分かれる。このクラスターもそんなに複雑ではないんですよね…。




 以上、ざっとみてみましたが、いかがだったでしょうか。
 あまりにも長すぎたため、この解析のクライマックスである、クラスターIは後編に回さざるを得ませんでした(^_^;
 ですがなんとなく、スティーブ・ジャクソンのパラグラフの組み方が見えてきたのではないでしょうか。

 と言うわけで、本日はこの辺で。
 おつかれさまでした!


 ■関連エントリー
 名作ゲームブックのパラグラフ組みを徹底研究 サイボーグを倒せ(前編)[細密GB解析]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1195677

 ・詳細GB解析 サイボーグを倒せ [前編] スティーブ・ジャクソン・マジックを完全解析
 http://blog.story-fact.com/?eid=1143535

 ・ミリーの天気予報にみるゲームブックの作り方。「サイボーグを倒せ」をヒントに。[前編]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1179473

 ・ミリーの天気予報にみるゲームブックの作り方。「サイボーグを倒せ」をヒントに。[前編]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1179473




| 細密GB解析 | 19:55 | comments(0) | trackbacks(0) | 昨年の記事
名作ゲームブックのパラグラフ組みを徹底研究 サイボーグを倒せ(前編)[細密GB解析]
 こんばんわ、管理人のhikaliです。
 以前より、ゲームブックの細かなグラフ構造を分析してご紹介するとアナウンスしてきましたが、[細密GB解析]と銘打ちまして、お届けしたいと思います。

 本日お届けするのは、S・ジャクソン謹製「サイボーグを倒せ」です。
 もう、この開発日誌ではさんざんに取り上げたので、またか、もううんざりだよ、とお思いの方もいらっしゃるかもと思いつつも、空気を読まずに、お届けします(^_^;
 この作品、S・ジャクソンのソーサリーシリーズ以後のエポックを目指して書かれたと思える作品でして、たいへんにみるべき所が多いのです。それは、これまでの分析であきらかであるとは思います。


 ・詳細GB解析 サイボーグを倒せ [前編] スティーブ・ジャクソン・マジックを完全解析
 http://blog.story-fact.com/?eid=1143535

 ・ミリーの天気予報にみるゲームブックの作り方。「サイボーグを倒せ」をヒントに。[前編]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1179473

 ・ミリーの天気予報にみるゲームブックの作り方。「サイボーグを倒せ」をヒントに。[前編]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1179473



 ■前回のおさらい

 前回は、この「サイボーグを倒せ」のクラスター構成に注目して分析をしました。
 そこでの結論は、

 要はこの「サイボーグを倒せ」では、因果関係をクラスター内のみにとどめ、その入口と出口を規格化しているのです。
 自作PCを思い起こして頂ければ、分かりやすいでしょうか。
 たとえばグラフィックボードであれば、その入口と出口の規格を定めているおかげで、windowsPCであれば、自由にグラフィックボードをユーザが選ぶことができます。
 このPCで起こっていることをモジュール化といいますが、このサイボーグを倒せでは、クラスターのモジュール化がされていて、ぶっちゃけ、どのようなルートを通ってきても問題がないように作られているのです。


 ということでした。
 拙作「ミリーの天気予報」では、このS・ジャクソンの製作法を真似し、実際にその方法で組んでみました。かなりフリーダムにゲームブックを作ることができるということが分かったのですが、この作り方は、たいへんに規模が大きくなると言うことも同時に分かったのです。

 実際に、紙という制限があるゲームブックを効率的にしているのは、そのクラスターの組み方ではなく、クラスター内のパラグラフの組み方です。
 そこで今回は、そのパラグラフの組み方を研究してみよう、と相成ったわけです。

 というわけで、細密GB解析では、クラスター内のグラフの組み方を徹底研究! 
 じゃんじゃん、行っちゃいましょう!


 ■クラスター3 〈錬金術師〉の銀行強盗事件

 まずは簡単なところから行ってみましょう。
 クラスター3の〈錬金術師〉の銀行強盗事件です。
 ここのグラフ図をみて下さい。
 このような関係になっています。



 数字だけでは分かりませんので、実際の内容を書いたメモをリンクしましたので、これを開いて、実際に各項番で何が起こっているかを確認してみて下さい。

 ・〈錬金術師〉の銀行強盗事件の中身
  (新たなウィンドウで開きます)


 比較的にちいさなクラスターで戦闘も起こりません。
 しょっぱな付近の事件なので、かなり穏やかです。

 始めの三分岐でわかれて、支配人の方を突っつくと、氷の女王の情報が分かる。警部は失敗ルート、警備員の場合は電撃を持っている場合のみ有効で、2回使うと、金庫が開き、会議の情報が分かる。
 なかなかにシンプルです。
 クラスター3の全貌が見えたでしょうか。

 みるべき所は、259→5でしょうか。
 電撃を持っていない場合でも、一応扉を打ち破る事を試すことが出来るのです。

 しかし、このちいさなTwitterみたいなゲームブック、面白いですね(笑)。
 こんな、Twitterみたいな、256字限定のミニゲームブック、作ってみたいかも、と思ってしましまいました。クラスター毎に分けて、アンカーリンクにすれば、それほどサーバにも負荷かかりませんしねえ。
 どーなんでしょ。


 ■クラスター7 スターカーズ・ビーチでのサメ事件

 まずはグラフ図を見ることにしましょう。



 続いて中身です。

 ・スターカーズ・ビーチでのサメ事件の中身
  (新たなウィンドウで開きます)


 これは純粋な戦闘シーンです。
 始めに超能力による4分岐となり、電撃を使った場合だけ、123へ分岐して、サメを木っ端みじんにしてしまい、ビーチの客に顰蹙を買うという、ほほえましい(?)エピソードへ分岐する以外は294でサメと戦うことになります。

 ここはとくにみるべき所はありません。


 ■クラスター8 〈錬金術師〉の銀行強盗事件2

 つづきまして、再び〈錬金術師〉の事件です。クラスター3は事件が起こってしまった後の捜査でしたが、今回は現行犯逮捕を行うクラスター。グラフ図を見てみましょう。



 ほほー、若干、複雑ですよ。
 いったいどうなっているのでしょうか。
 中身をみてみましょう。

 ・〈錬金術師〉の銀行強盗事件2
  (新たなウィンドウで開きます)


 まず、飛び込むか、出てくるのを待って捕まえるかでわかれますね。
 で飛び込む方は、437で運試しをして、凶が出ると28で完全な失敗、吉が出ると一人目の〈錬金術師〉と戦えて、勝ったら354へ。ここで二人の〈錬金術師〉戦い、勝てば336で英雄点が貰える。

 で、待ち構える方は、309で子供が喜んでしまい、ばれるかどうか運試し。
 ばれると155へ行って、243で3人の〈錬金術師〉と戦う羽目になる。
 ばれないと、128で超能力を使える。

 超体力をつかうと172で戦闘シーンなく倒せる。そのまま336へ。
 超技術は超音波精神錯乱機を使うか聞かれる。使うなら406、使わないなら243で三人の〈錬金術師〉と戦う。
 使った場合は、超音波精神錯乱機が裏目に出て、逃げられてしまうと。

 なんとなく節約具合が分かるでしょうか。


 ■クラスターA 宇宙科学者と〈煙男〉事件

 ここはフラグで隠れているパートで、情報を知っていて273へこれると、34へ飛ばされる。
 グラフを見てみましょう。



 んー、一端29へ集約する構成のようです。
 中身をみましょう。

 ・宇宙科学者と〈煙男〉事件
  (新たなウィンドウで開きます)


 えーと、序盤の三分岐は、書斎を見せてくれるように行った場合のみ、〈煙男〉が電送カメラで、ノートを撮影している姿が見れて、あとは、エアコンに吸いこまれる煙がみれるだけという差があるのみで、そのまま、29へ向かうと。

 で29でどの超能力を使うかが聞かれて、超体力だと11で問答無用に成功当たったか聞かれて、当たったならば、捕まえることが出来て、英雄点が貰える。電撃は203で当たったか聞かれて、当たったならば、捕まえることが出来て、英雄点が貰える。当たらなかったら153で、失敗と。

 この203→153がなかなかに面白い仕組みですね。



 以上、ざっとみてみましたが、いかがだったでしょうか。
 力を入れてみてみた割には、拍子抜け、なんて事ありませんでしたか?

 しかし大丈夫!
 実はこの「サイボーグを倒せ」、始めの方のクラスターはかなりシンプルな構成をしているものが多いのです。ですが、後半に進めば進むほど複雑なクラスターが。その徹底研究は後編に回すこととしましょう!

 おつかれさまでした!


 ■関連エントリー
 ・詳細GB解析 サイボーグを倒せ [前編] スティーブ・ジャクソン・マジックを完全解析
 http://blog.story-fact.com/?eid=1143535

 ・ミリーの天気予報にみるゲームブックの作り方。「サイボーグを倒せ」をヒントに。[前編]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1179473

 ・ミリーの天気予報にみるゲームブックの作り方。「サイボーグを倒せ」をヒントに。[前編]
 http://blog.story-fact.com/?eid=1179473





| 細密GB解析 | 16:45 | comments(0) | trackbacks(0) |