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GB解析 -PG- ニフルハイムのユリ 旅型ゲームブックの最高峰
 暑苦しい夜をお過ごしのゲームブック・フリークのみなさま、こんばんわ。
 ゲームブック解析でございます。

 えーと、お待たせいたしました。
 累計たぶん14時間ぐらいのグラフとの格闘の末、本解析をお届けしております。
 うわー、疲れた・・・。

 というわけで参りましょう!
 林友彦さん、「ニフルハイムのユリ」の解析です!

 まずは、この都市と言ってよい偉容、木星船団ジュピトリアス級輸送船を最大望遠で見てみることにしましょう。



 なんか、スターウォーズに出てきそうですね・・・。
 え? あー、もう、輪郭しかわからない。
 ごもっともです。
 地球の衛星軌道から、アステロイド・ベルトを通過中の船を見ているようなものですからねえ・・・。元は7000px×3500px。というわけで、横2400pxまで接近して全影を見つめてみましょう。
 誰ですか?
 うちのディスプレイは横1024pxしかないと嘆いている方は・・・。
 このゲームブック解析という戦場は、ちょっとフルHDサイズのディスプレイがないとちょっとぎびしい・・・。適せん縮小してご覧ください。
 というか、ほんと、DELLの30インチが欲しくなってきます・・・。
 横2560pxの大画面でも、ジュピトリアスの1/3しか映らないですか・・・。
 すごいことになっております。

 さて、本作ですが、このグラフ解析図を見れば明らかなように、典型的な樋口スタイルの旅型ゲームブック。ただでさえ旅型は富士山型になるうえに、本作は戦闘時の選択肢が大量にあるため、このように極端な尖塔のような形になります。
 また、途中から山が落ち着いてくるのは、この辺から迷宮パートだから。
 ある意味、本作「ニフルハイムのユリ」は前作「ネバーランドのリンゴ」の形を引き継いだゲームブックなのですが、作者が知恵の実でも食べてしまったのか、神がかり的に進歩してしまい、圧倒的な完成度を誇っています。
 山を見て、
「ああ、やっぱり旅型のゲームブックは極めれば極めるほど、美しい一峰形になるのだな」
 と感心してしまいました。
 グラフに関してわたしから言うことはないでしょう


 本作、「ニフルハイムのユリ」は前作「ネバーランドのリンゴ」の続編に当たる作品です。続き物ですし、ルールも全く変わらず、世界観も主人公も当然一緒ですので、どうしてもこの二作が同等なものと誤解しやすいと思います。
 しかし、詳細に読み込み、グラフ打ちをすれば、それがゼロ戦とF−15ぐらいの圧倒的な性能さがあることに気付きます。
(ああ、ネバーランドのリンゴは、練習で書いてみた、みたいな作品なんだな)
 そういう感想が出てきます。
 「ニフルハイムのユリ」での14時間の激闘から帰ってきてみると、「ネバーランドのリンゴ」は幼稚園児が描いたお絵かきのよう。ネバーランドが1986年7月4日発刊、ニフルハイムが1987年7月28日発刊ですから、あいだにちょうど一年ぐらいの期間があるのですが、信じられないほどの成長ぶりです。

 グラフもそうですが、精緻なフラグ構造、物語力、そして、文章力。
 なにをとっても一級。
 とくにフラグと格闘しているときは、かなりリスキーな使い方をしていて、ちょっと大丈夫かとビビッてしまったほどです。というか例えばキー19の使い方とか、かなり重要なアイテムを、かなり危ないと思うのですが、あれはちゃんと整合性が取れているんだろうか・・・。
 この感覚はよいプログラマーのコードを見たときの感覚に似ています。
 圧倒的な論理力の匂いがして、自分の論理力ではついていけない感覚。
 たぶん、林さんは優秀なプログラマーだったのでしょうね。

 さて、では、もっとわかりやすい文章の引用をして見ましょうか。
 どこがいいでしょう。


 「ネバーランドのリンゴ」

 島の中央、縦横百メートルほどの広さにわたって、地面の正方形の大きな敷き石が敷きつめられ、その南西の隅のあたりに、煙突のように細長さ二十メートルほどの物見の塔が立っています。塔のまわりの壁は窓も扉もない。まったくののっぺらぼう。あたりに人影は見えません。塔の周囲を歩き回るうちに、あなたは南西端の敷き石に次のような文字が刻まれているのを見つけました。


 「ニフルハイムのユリ」

 フヴュルゲルミル河の河口付近の中洲にいます。中州は底辺三十メートル、高さ五十メートルほどの三角形で、頂点は川上を向いています。
 街道は中州の南端、ちょうど三角形の底辺あたりを東、西に横切っています。道の北側には葉の幅が広く暗緑色のすすきが密生しており、草むらの手前には、
 「クナイホープの危険な草むら
  理由なく立ち入らないこと」
 と、記された立て札が立っています。
 草むらは風が通り抜けるたびに、ざわざわと葉鳴りの音をたてるのですが、気のせいか耳を澄ますと、それが「おいで、おいで、こっちにおいで」というささやきのように聞こえてきます。


 似たようなニュアンスのところを採ってみたのですが、ちょっと、差が圧倒的でしょうか。ちなみに、下の文章はこの直前にフラグ分岐があり、五六度は読んだので、結構、記憶に染み付いていたので選んだのです。
 なんとなく、帰ってくると幼稚園の絵のように見えたというのはわかるのではないでしょうか。

 そして、なによりもぐっと広がった物語力、そして豊かな世界表現にも触れなければいけないでしょう。
 冒頭からの躍動感。
 そしてみずみずしく、そして静かに進んでいく物語。
 仲間たち。
 恐ろしい闇のグールー(吸血鬼みたいな種族)たち。
 ウルフヘッドの森から、海を行くヨット、鮮やかな緋色の煉瓦塀に囲まれた都市。
 そして深く、恐ろしく、そして豊かな地下迷宮。
 本作が、改めて、旅型の物語であることを思い出し、そののどかな冒険を満喫してみたくなる想いに駆られます。
 誰が本作を、「ネバーランドのリンゴ」の続編というのでしょうか?
 「ネバーランドのリンゴ」こそが、この圧倒的なゲームブック「ニフルハイムのユリ」の前座なのです。
 あれは練習台で、これが本番なのです。

 ただ、難点がないこともありません。
 やはり、それは番号ジャンプを多用しすぎるというところでしょうか。

 例えば、本作の魔法の発動は、「使用する魔法番号+指定番号」のパラグラフに飛ぶことで行うのですが、手に入れていない魔法の番号はわからないので、ジャンプできないのです。間違えて書き写してしまったら、アウト。計算を間違ってもアウト。これは厳しいかなと思うのです。
 ソーサリーにしても、ファイティング・ファンタジーにしても、このようなリスキーなシステムは採っていません。というか、この傾向があるのは創元系と、レッカ社の一部だけです。

 なんで、こんなユーザビリティ無視の、しかも脱落する可能性の高い危険なシステムが蔓延してしまったのでしょうか。ゲームブックが滅びた原因の一つをあげろといえば、わたしはたぶん3番目ぐらいにこれを上げるでしょう。
 危険なほどに複雑なことをユーザに要求するシステムが蔓延してしまった。
 その最右翼がこの番号ジャンプの乱用です。
 たどり着いたところが本当に正しいところか確認する術がない、という、致命的なシステムなのです。

 ここは、ゲームブックの構造的にどうしようもない致命的な欠点なのですが、数百のページを番号どおりにめくるだけでも、充分にヒューマンエラーが発生する可能性は高い。
 それが、さらに危険な操作を要求するのは、どうでしょう。
 人間は必ずミスをします。
 完全にミスをしない、オペレーションの熟練者というのは、このヒューマンエラーが発生する状況を、しやすい箇所を熟知していて、それを避ける技を厖大に積み上げている人のことなのです。
 必ずミスをすると信じているから、ミスをしないのです。
 それが普通の人はミスをしないと妄信するのはどうでしょう?
 プレイヤーに、ミスをするかもという恐れを抱かせて、ミスしないことに集中させてプレイさせるのはどうでしょうか?
 純粋にプレイヤーには、何の心配もなく、ゲームを楽しんでもらいたいと思うのです。

 以上。
 これは、一番言いたかったことです。


 さて、本作にはPGが付くのですが、なんかあっさりしているでしょうか(笑)。
 PGが付く理由は上記の通りなのですが、足りないですか・・・。

 ゲームブック解析ではおおよその基準として、

 ソーサリー級          → MG
 ファイティング・ファンタジー級 → HG

 としています。
 となると、PGはソーサリーを超えている作品。
 言い換えれば、ソーサリー+αの作品です。

 「ミノス王の宮廷」がソーサリーを超えているのは明らか。
 本作「ニルフハイムのユリ」は、部分的には劣るところもあるけれど、旅型のゲームブックとしてソーサリーを圧倒しているのは明らか。

 おそらく旅型のゲームブックとして、本作を超える作品はないだろう、とも思っています。ならば、旅型のチャンピオンとして、PGを付けようというところ。
 「ニフルハイムのユリ」がそれ以外のところでも一級の水準にあることは書きました。
 ならば、PG以外のグレードが付くことはありえない。

 また、蛇足ですが、このPGのグレードを百冊に一冊の水準にあるゲームブックという位置づけにしたいとも思っていました。
 800冊のゲームブックの中で8冊しかない水準。
 本解析は本作でちょうど200冊解析達成となりますが、この「ニフルハイムのユリ」でやっと2冊目。
 ちょうどいいでしょう。

 というわけで、


 おめでとう!
 「ニフルハイムのユリ」!
 きみはパーフェクトなゲームブックだ!
 素敵な冒険をありがとう!




 そして、圧倒的なグラフと戦う苦闘の時間も(笑)








| ゲームブック解析 -PG- | 22:15 | comments(12) | trackbacks(0) |
GB解析 -PG- ミノス王の宮廷 ギリシャ神話アドベンチャーゲーム2 最高峰の名にふさわしい出来


 続いてまいりましょう。
 ゲームブック解析でございます。

 現在、ギリシャ神話アドベンチャーゲームシリーズを解析中です。

 シリーズはこちら。
 ■GB解析 -HG- アルテウスの復讐 ギリシャ神話アドベンチャーゲーム1 ハード・コア・ファンタジーって感じ
 ■GB解析 -PG- ミノス王の宮廷 ギリシャ神話アドベンチャーゲーム2 最高峰の名にふさわしい出来
 (↑いまここ)
 ■GB解析 -HG- 冒険者の帰還 ギリシャ神話アドベンチャーゲーム3 オデッセイヤ風?


 本作、ミノス王の宮廷は、ギリシャ神話アドベンチャーゲーム三部作の第二作。
 実質上のクライマックスです。
 ミノタウルスに殺された兄テセウスが、クレタに渡って、ミノス王との虚虚実実のやり取りをし、最後はクレタ王になるというとんでもない話。
 あれ、なんかPGってついてますよね?
 これはプロクター・アンド・ギャンブル社の略称ではありません。パーフェクト・グレードです。
 いやー、ついに付きました。
 パーフェクト・グレード。
 なんかひょっとしたら永久に付かないんじゃないかと思ったりしてたのですが、ついに該当作の登場です。いやー、長かった・・・。
 本作は誰からも全くチェックされていないという、すさまじいノーマーク作だったのですが、わたしの目利きが正しければ、これがパーフェクト。パーフェクトの名を冠すグレードにふさわしい作品です。

 本作は、第一巻で説明しましたとおり、これを楽しむための障壁が異様に高い。
 しかも、第一巻は非常につまらない。
 しかも、タイトルと名前からはぜんぜん面白さが分からない。
 という絶壁の孤島に近い感じの作品なのですが、その広大な高地には、荘厳な宮殿が建っていました。まさに神話に彩られたイリオンの遺跡。これが幻と伝説のトロイアです。
 シュリーマンの気持ちが、今わたしにも分かるような気がしてきます。
(おおげさすぎ・・・)

 本作は一言で言えば、クレタ島の宮廷の陰謀劇とその中で王にのし上がる英雄、という感じ。この陰謀劇の出来があまりにもよすぎる。まるでシェイクスピアを読んでいるかのごとくめまぐるしく動く状況。シェイクスピア解析屋のわたしとしても、無言でグットジョブのサインを出したくなります。
 ちょっと引用をして見ましょう。

「アルテウスと呼んでくれ」と君は言う。
「わたしの名はタイジアよ、でもツバメって呼ぶ人が多いわ」
「ぼくは、貢物をやめる交渉をしに来たんだ」と君はある程度の親しみを見せて彼女に言う。「アテネはもうこれ以上、毎年のように若い男女を犠牲にしきれなくなっているんだ」
 タイジアはこれを聞いて、賢しげに考え込む。「でも、戦争になれば、死者は14人どころじゃすまないでしょうに」と彼女は言う。
「問題なのは、なんのために死ぬかさ」と君は答える。「それに、とにかく、戦争が起これば、父の地位はいまよりずっと強固なものになるだろう。王というものは、戦いを、ほとんどありとあらゆることを正当化するために利用できるんだ」
 タイジアの顔がふいにパッと明るくなる。「それじゃ、あなたはテセウスの弟さんね、もしアイゲウス王があなたの父上ならば」それから彼女は眉をひそめる。「でも、テセウスはあなたの話を一度もしなかったわ」
 君は、自分の生いたちの事情を説明する。「そうなの」と彼女はようやく言う、「まったく、神々のやり方って変わってるわね。わたしたち、もう急がなくちゃ。ミノスの機嫌が悪くなるわ」彼女は君に赤い上着を着せ、玉座の間へまた案内する。「テセウスの弟さんにお越しいただいて、嬉しいわ」と彼女は言い、「アンドラはとりわけ大喜びするわよ」といたずらっぽくつけ加える。
「どういう意味?」
 だが、君たちはすでに宴会場に着いていて、彼女の答えを聞くひまはない。君は、しゃべりすぎたのではないかと少々気がとがめながら、室内に入る。


 どうです、この明らかに群を抜いてパーフェクトな感じ。
 順次この調子で進んでいくのですが、とにかく印象的な登場人物ばかりで、しかも書いてあることはすべて伏線みたいな、とんでもない状況なんだったりします。もちろん、ツバメの名も、最後の方で一発大逆転気味な部分への伏線だったりします。
 とにかくテンポが速い。
 いちいち質がいい。
 そして、なんともすばらしいことに、完璧なゲームブックとしてのゲーム性も兼ね備えている。
 わたしが文で語るよりも、実際に手にとっていただき、プレイするのがよいでしょう。
 本書からはじめても問題がないはず。
 コキャスティンはゲームブックに文学の域に達している作品はないと申しておりますが、たぶん、このミノス王の宮廷を読んでいないのでしょう。
 わたしは、あえて宣言します。
 ゲーマーよ! これがパーフェクトだ!

 山へ行ってみましょう。



 どうです。
 ぐっと来すぎて、もう一度、親指を立てたくなります。
 グッド・ジョブ!!!
 ファンタスティック!!!

 速攻で、映画化だ!

 ゲームブック形式でこれぐらいのことは出来るぜと微笑む、作家の顔が見えてくるようです。

 




| ゲームブック解析 -PG- | 20:46 | comments(0) | trackbacks(0) |