CALENDAR
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< May 2012 >>
本家STORY FACTサイト
NEW ENTRIES
CATEGORIES
RECENT COMMENTS
  • [hikaliのゲーム論](9) レコンキスタ 物語解析解説(後編part5)
    hikali (05/10)
  • [hikaliのゲーム論](9) レコンキスタ 物語解析解説(後編part5)
    綴 (05/09)
  • [hikaliのゲーム論](5) ストーリーに従属している? これはゲームです。 物語解析解説(後編part1)
    hikali (03/09)
  • [hikaliのゲーム論](5) ストーリーに従属している? これはゲームです。 物語解析解説(後編part1)
    hikali (03/09)
  • [hikaliのゲーム論](5) ストーリーに従属している? これはゲームです。 物語解析解説(後編part1)
    綴 (03/07)
  • [hikaliのゲーム論](5) ストーリーに従属している? これはゲームです。 物語解析解説(後編part1)
    hikali (03/06)
  • [hikaliのゲーム論](5) ストーリーに従属している? これはゲームです。 物語解析解説(後編part1)
    hikali (03/06)
  • [hikaliのゲーム論](5) ストーリーに従属している? これはゲームです。 物語解析解説(後編part1)
    綴 (03/05)
  • [hikaliのゲーム論](5) ストーリーに従属している? これはゲームです。 物語解析解説(後編part1)
    hikali (02/26)
  • [hikaliのゲーム論](5) ストーリーに従属している? これはゲームです。 物語解析解説(後編part1)
    hikali (02/26)
RECENT TRACKBACK
ARCHIVES
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS
無料ブログ作成サービス JUGEM
 
管理人hikaliの開発の日々の備忘録です。
本家はこちら。
http://plaza.rakuten.co.jp/hikali/
[hikaliのゲーム論](10) 建築論、組織論 物語解析解説(後編part6)

 こんばんわ! 管理人のhikaliです。
 な、ながい……、圧倒的に長いと書いていてひるみそうになるのですが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか(^_^;

 いや、静の物語解析だけで、こんなに書くことがあるのかとびっくりしているのですが、ん……、でもこれって氷山の一角だよねえ……、と思ってしまうところが恐ろしいところ……。
 ちょっとコンパクトに行きたいところですよね、そうですよねと、自分会議してしまうのですが、楽しめているでしょうか、分かりにくいところはないでしょうか。

 前回までで、物語解析の根本的な理念や、どういうものであるのかを説明したつもりなのですが、お分かりいただけましたでしょうか? 今回は、その基点をつかみつつも、じゃあどうやって実際に展開していくの? という話になるかと思います。
 いま、今回の回を構想しながら、遠いなあ、説明すること多いなあと打ちひしがれているのですが、ん……、どうなるかなあと思っている次第だったりします(^_^;

 さて、おそろしく長く、複雑な話をするにあたって、概要を分かりやすく説明するために建築の話をたとえにしますが、
 1.たぶん構造を構築する方法論の話になって(設計図の描き方)、
 2.その方法論は民法と一緒という話になって(現実の抽象化論は法律が最上の宝庫)、
 3.具体的に図面を作ってみる(実践のアプトプットの作り方、模型とか)、
 4.それがどんな物語になるか想像してみる(模型の検証)、

 物語にわくわくできたら完成!

 となるのですが、遠いw
 どんだけ説明しなければ、そこに辿りつけないのだろうと、怖くなってきます。
 一冊ぐらいの本になりそうな気さえしますw

 絶望的に遠いのですね。
 まずは設計図のほうか、と書くのですが、すでにお見せしたとおり、わたしはランダムをうまく組み合わせていく人なので、じゃあ、それって、どう組んでいくの? という話になっていくのですが、多分ここが理解し難いと思うのです。
 基礎的にランダムであって、やってきたランダム要素をうまいこと組み上げるだけなのですが、この「うまいこと組み上げる」の部分がなかなかに説明が難しい。
 これは、あるべき建築物ってどういうものなの? という部分が説明が難しいからです。
 ここで話そうとしているのが、いろいろな人の意見を取り入れて作るショッピングモールの作り方とはどういうものか? という話だからです。

 多くの建築家はどう説明すると思いますか?
 そこへ踏み込む前に、もうちょっと基礎的なところから入ってみましょう。


 ■建築論から見る、物語。

 それって、ひとつの建築論的な考え方になるのですよね、という話から。
 微妙にロジカルにはねじれているので、理解し難いはずです。
 それは、この建築論が、基本的には人の流れというか、どう動くか、どう発想するかを想像することから始まるというところから始まるからです。建物の話なのに、それよりもそこに訪れる人が快適に過ごすにはどうしたらいいか、と建物の話じゃない部分から話を始めなければならないのです。
 おじいちゃんにとっての快適と、幼児にとっての快適は違いますよね。
 おじいちゃん快適論と、幼児快適論から始まるのです。
 これって全然違いそうですよね。
 そうすると、訪れる人によって、どんな人に訪れて欲しいかによって、フォーカスするポイントが全く違ってくるということになります。

 このへんの説明が一番難しいのですが(^_^; 一言で言えば、興味の喚起の仕方で、客層を絞って、その喚起で集めた層に最適化する、なのですが、例えば渋谷ヒカリエがどういう層をターゲットにあの建物を作ったかと同じなのです。
 要するに、あなたの為に作りました!
 と、どこにアピールするかの問題になりますし、これはどう建築するかのはなしではあるのですが、それよりもどうマーケティングするかの話のほうが重要そうです。それによってある程度客層を絞って、そこに最適化するのです。

 ビジネス的には当たり前な話に思えてきます。
 ですが、これを物語解析的に考えてみると、動の物語解析と、静の物語解析の重要な部分にまたがっていて、非常に説明が難しい。ここが一番難しい部分なので、ここさえ抜けてしまえば、何とかなりそうなのですが、抜けられるかな。
 わかっている人のために書いてしまえば、建築物である静の物語解析は、実は説明していない、動の物語解析から導き出されるものなのですよ(^_^; つまり、マスターリング論から、シナリオ論が導き出されているのですね。
 でも、動は、静を理解しないと理解できない。
 ここが悩ましいところです。
 だから、まずは静から入るのですが。


 ■組織論から考えてみる、シナリオ構成

 人が入ってくるってどういうことでしょうか。
 建築論の話で構いません。
 お客さんが参加してくる。
 この概念が難しいのです。

 そのために建築物はどうなっているべきか、飛躍しますが、組織はどうなっているべきか。これが物語解析が扱っている根本的な問題なのです。
 動と静を使えば、これは容易です。
 エネルギーを、ポテンシャルを最大化できる。
 いま、ひたすらにその方法を、ひたすらに話しているのです。
 それは、ひたすらに支配は最大公倍数に陥る、統治は最小公倍数に到達する、という話になるのですが、それはひたすらに、ストーリーは倒すべき最大の敵であって、ゲームはよって立つ正義だという話なのですが、どうすればゲームは機能するのか。ここに頼るのはあまりにもみっともないのですが、どうすれば美しいサッカーが実現できるのか、この話なのです。

 基本的には、ある要素が持っているポテンシャルをどうやって引き出して、どう貢献させるかの問題なのですが、これは、いらだちを持って言えば、非常に簡単なのです。支配を捨てればいいのです。つまり、ストーリーを捨てればいいのです。
 ストーリーを捨てた途端、参加者全員の利害関係の調整の問題になる。
 それは、自分ができるから、多分そういうのですが、単なる簡単なパズルになる。
 呆れるほど簡単な話なる。

 ここで少し遠回りをしてPBMに戻るのですが、PBMというのは、参加してくださる方は全てお客様で、お金を払ってもらっている。誰一人としてお帰り願うとかはありえないわけです。その参加して下さった方全てで最高の物語を作らなければならない。
 この感覚は、旅館の女将の感覚に近いと以前書いたのですが、それで分かりにくければ、バスガイトさんの感覚、ワークショップの主催者の感覚に近いと書くと、だいぶ理解しやすいでしょうか。

 これは大袈裟に言うと統治の感覚です。
 女将さんの立場になればわかりやすいのですが、参加してくださる方の全経験に対する責任は自分にあります。それはwebサービスであれば、結構限定的なアクセス数とかに反応が限られそうですが、PBMの場合は、シナリオに対する感情的な反応が反ってくる。
 うまくいけば物語に熱狂してくれる。
 どうすれば、その熱狂を生み出せるのか、という話しなのです。

 少なくともお客さんにこうしてくれと、命令することは出来ません。
 そして参加してくるのはランダムなプレイヤー。
 では、こういうお客さんを受け止める旅館はどんなふうになっているでしょうか。いろいろな姿が思いつくかもしれません。風情があるかも知れませんし、また逆にテーマパークのようになっているかも知れません。
 どんな従業員を配せばいいでしょうか?

 賑やかで元気な従業員? それとも気の利く従業員?
 すこしトラブル解決に長けた従業員がいてもいいかも知れません。

 おっと、気づきましたか(笑)。
 これは、どのようなNPC(ノンプレイヤーキャラクター)をシナリオで用意すればいいかの検討をしているのです。
 なんとかシナリオ論のさわりの部分にたどり着くことができました。


 ■プレイヤーが描かれたいのは、自分の活躍

 さて、旅館においてプレイヤーであるお客さんをもてなすためには、どんな従業員がいればいいか、に想像を巡らせることができているでしょうか。
 料理長、は、いたほうがよさそうですね。
 年配の女中さん、は、いたほうが便利かもしれません。
 若くハキハキした女中さん、は、活気をもたらしてくれそうです。
 力仕事ができる番頭さん、は、何かと重宝します。
 冷静沈着で端正な顔つきの若旦那、は、女性ファンが付きそうです。
 こうやって考えていくと、どんどんと旅館で働く人々の姿が描けるようになり、そこにこんなお客さんが来たら、こんなことになるかも、なんてことが想像できるようになってきます。
 猛者なら、熱海温泉鶴屋の繁盛記、などと企画を立て始める状況ですが、ちょっと待った!
 なにか忘れています!
 そうそう、これはゲームの話をしているのです。

 PBMをやっていた時に、エライ人に言われたのはこうでした。
 キミね、プレイヤーさん、つまりお金を払ってくれるお客さんは、キミの文章を読みたいんじゃないんだよ。キミの文章とかはどうでもいいんだよ。それにお金を払っているわけじゃないんだよ。
 いったい、彼らは何お金を払っていると思う?

 これは、何度か書いたのでわかるかもですが、自分の活躍にお金を払っているのです。

 この感覚は難しいのですが、たぶん180度ぐらい意識が違います。
 プレイヤーは自分が活躍する姿にお金を払っていて、それ以外の、ストーリー展開とか、文章力とかには興味が無いのです。どうやって活躍させるかが命なのです。これ以外は意味が無いというか、お客さんは興味が無い。
 ここはすごく分水嶺になる部分で、考えて欲しいポイントなので繰り返しますが、ゲームを考える際に、このお客さんが活躍する姿を、お客さんが描けるか、を考慮しなければならないのです。なにかナチスがどうやって国民を熱狂させたかみたいでちょっと嫌なのですが、参加したら自分は活躍できそうだ見えた瞬間に、とても多くのエネルギーを投じはじめるのです。

 たとえ、毎月原稿用紙100枚近いお話を送りつけても、隅から隅まで丹念に読み、字が小さすぎて(小さくしないと入らないから)目がチカチカするんだけど、それでも面白くて読んでしまいます、などと愚痴を言いながらも、考えぬいた次回のアクションを、B5用紙に細かい字でびっしりと書いて送ってくれたりします。
 それは、

 1.考えぬいたアクションに対して、考えぬいたリアクションが返ってくるから
 2.そこに自分の活躍が、そこそこの文章力で描かれているから
 3.その百枚のお話の中に、次の活躍へのヒントが大量に散りばめられているから

 なのです。

 つまりこうなのです。
 シナリオには、お客さんが活躍できるシチュエーションが入っていなければならない。出来ればそれがわかりやすいほうがいい。そして、お客さんの活躍により物語が動くほうがいい。自分が何かをしたことによって、良い方向に物語が動くほうがいい。しかし、1アクションで解決してしまっては困る(回数があるから)。予想通りに展開しつつも、意外な方向にも動いたほうがいい(そうしないと飽きられるから)。
 そしてお客さんはランダム的に参加してくる。
 はい(笑)、とても難しい課題のように見えますよね(^_^;
 今、その恐ろしく難しい話をしているのです。
 究極的には、ゲーム感という言葉に行き立つのですが、ゲーム感、難しいですよねw ゲームセンスと行っても良いかも知れません。これは一言で言えば、この情報を出せば、このへんにたどり着きそうという、お客さん側を想像する能力なのですが、ゲーム感というのは基本的には、どうプレイするかな? という想像力なのです。

 しかし、こうは言えるでしょう。
 予定されたストーリーがあるってことは、お客さんの自由な発想を奪うことになりますし、お客さんの活躍で物語が動いていくということを実現しそうにありません。お客さんは、どうすれば活躍できるだろうということを考えるのが楽しくて、そして考えぬいたアクションに、納得の行く(頭に描いていたのとは違っていても)結果が返され、もちろん物語が大きく動けば熱狂し始めるのです。
 もし、マスターの思い通りの展開にしかならないのであれば、もはやお客さんは参加する意義を失ってしまいます。お客さんはわたしの書いたストーリーが読みたいのではなく、参加者全員で紡いだ物語が読みたいのです。
 リーダーシップを持って、みんなこうしよう!
 と言うよりも、
 わー、みんな! こんなことになっちゃったよ! みんな助けて!
 のほうが活躍できそう、というのはわかるでしょうか。

 なんとなくシナリオのあるべき姿が見えてきたところで(^_^; 今回はこの辺にしておきましょう。次回は、またすこし横道にそれるのですが、活躍とは何かということを掘り下げてみましょう。そこから、あるべきシナリオに辿り着きたいなあ……。

 そこからようやっと、静の物語解析にたどり着くってなんだよ! という話になるのですが(笑)、こんだけ難しいのですw たどり着いてしまえば簡単なんです。たどり着いてしまった途端に、全く別の地平が見えるのです。それはゲームという地平です。すべてがプラスサムになっていく世界です。
 そこに行くのは、とても簡単です。

 ストーリーを捨てればいいのです。
 次回は、そのプラスサムの世界になっていく世界の話をしましょう。

JUGEMテーマ:ゲーム


| hikaliのゲーム論 | 06:37 | comments(0) | trackbacks(0) |
[hikaliのゲーム論](9) レコンキスタ 物語解析解説(後編part5)

 こんばんわ! 管理人のhikaliです。
 なんか、間が空きました(あいてないか?)。
 がしがし続けていきましょう。

 なんか、物語解析を思いっきり説明したような気がするのですが、なんか説明していない気がする。
 物語解析理解できましたか!
 できていればこのパートの任務完了、できていないとまったくだめだめなのですが、前回二回に渡って、ちょっと実例ばかりになってしまったので、すこしロジカルに補足的な説明を、幅広いところに触れながらしたいと思うのです、そっちの方が分かる方も多い気がしますので、もうちょっと丁寧に説明していきたいと思います。

 物語解析ってなんでしょうか?
 これまでの連載を続けながら、ああ、わたしはこれをやってきたのだなと感じたのは、この図式でした。

 倒すべき悪の枢軸 ストーリー < 物語 > ゲーム よって立つ正義

 これは前回も書いたと思います。
 物語解析は、ゲーム原理主義的な思想からの、物語を介してのストーリー側への反撃に近いところがあります。
 わたしの視点からしますとゲームは、つまりよって立つ正義であるはずのゲームは、一本道シナリオになっていったり、映画っぽくなっていったり、ゲーム製作者がストーリー論を語り始めたりと、もう敗北どころのはなしではないほどずたぼろに負けまくっていたという印象でした。
 暗黒の中世でいえば、せっかく勃興したキリスト教圏が、イスラム教圏に押されまくって、どんどんと領地を失ってしまっている状態です。
 見るも無残と書く以前に、ストーリーゲームはなくなってしまうのではないか、という印象さえ受けるといいますか、現状を冷静に見回してみれば、ゲームである物語は絶滅危惧種になってしまったといってもおかしくありません。

 物語解析はゲーム原理主義な立場から、物語を介して、ストーリー側に攻め込んでいった、十字軍というと大げさなので、もう少し小規模なレコンキスタ、みたいなものだと思うと分かりやすいかもしれません。
 ゲーム側の思想、ロジックで、物語を語り、ストーリーの領地に攻め入って、その領地を奪い返す。
 これが物語解析の本質を端的に言っている言葉なのです。
 が、こういう試みがあまりされていないので(そしてゲーム側の敗勢がかなり明らかなので)、あまりにも異質すぎて分かりにくいのかもしれません。

 分かりやすくいうと、ゲーム視点で見ると物語はこれまで文学論で語られてきたことを全否定するぐらいのことを言うことができる。もしくはそれぐらいのポテンシャルがある。
 しかし、もはや放棄に近いような状況になっていて、キリスト教徒はこの世からいなくなってしまうのではないかとさえ思えてくるのです。
 別にこれは文学論憎しではないのです。
 そうじゃなくて、反撃しないとゲームが滅びてしまうので、反撃せざるを得ないのです。
 なので、別に文学論によらなくても、シェイクスピアなんて簡単に理解できるぜ? と言ってみたり、どー考えてもシェイクスピアのパクリだろうというゲームを実装してみたり(これはミリーの天気予報)、傑作と呼べる作品、例えば千と千尋の神隠し、例えばのび太と鉄人兵団を、ゲーム視点で分析して、それが的確な分析であることを証明してみたりしてきたわけです。
 これは文学論が間違っているというわけではなく、別の視点があって、文学論は唯一の視点ではない、ということを言いたかったのです。
 ストーリー論による支配を崩したかったのです。
 世界が全部、どこかの宗教でなければならない状況を想像してみてください。
 別にキリスト教の人がいても、イスラム教の人がいても、無宗教な人がいても、まあ、わたしは一応仏教ですw と逃げつつも、いろいろな考え方があったほうが、多様性があるほうが世界は安全だし、豊かであると、わたしは思います。
 またこれは個人的なモチベーションですが、誰も考えたことのない理論体系を構築し、その構築したものが実際にはかなり多くの問題を解決出来てしまうものであることを解き明かし、実際にそのやり方で実装できてしまったりするのを見るのはとても知的な事であり、またエキサイティングな事です。
 カジュアルな言い方をすれば、新しい戦術をサッカーに持ち込もうとしている、サッカー監督のような気分です。上手くいけばサッカーが変わるかもしれません。その可能性にとてもわくわくするのです。

 しかし、この考え方は、実はわたしが発明したものではありません。
 ずっと前から確かにあったはずのものが、なぜか体系立てて研究されることなく、雨ざらしになっていたのです。
 それでわざわざ物語がゲームであった時代の遺物を掘り起こして、それはどのような考え方で成り立っていたのか、どうやっていたのかを研究していたりするわけです。
 ああ、もちろん、その成果を元に実践もしてみています。
(その実践だけで数年かかってますので、あまりにも気長に見えるかもしれませんがw 淡々とやってます。ちなみにわたしは恐ろしく気長な性格です。というか、あまりにも気長すぎて、自分でも何のためにやっているのか、よく忘れますw)
 ちょっとこれだけ読んで、ああ、結構まじめにやっていたのね、と思って頂ければ、ほんの少しでもその意義が分かってもらえると嬉しいのですが。

 実践の成果はこちら!
 ■ミリーの天気予報 < シェイクスピア風のゲームブック
 http://story-fact.com/gamebook_dt3.php
 ■死神の帰還 < ゲーム的な作り方で書かれた小説
 http://p.booklog.jp/book/20474

 えっと、宣伝乙ですねw
 ちなみに、ミリーと死神の帰還は、分かる人には破壊力満点です。
 ただ、その破壊力は、物語解析の破壊力なのですね。
 それが、これからお話しする話です。


 ■静と動の物語解析の本質的な話。それはなに?

 と、いうわけでして、物語解析理論の説明なのですが、この理論は物語をゲーム側の視点で見た理論体系と説明してきました。
 この物語解析理論は、静の物語解析理論、動の物語解析理論があり、現在話しているのは静の物語解析です。これはぶっちゃけていうと、TRPGのシナリオ(静)とマスタリング(動)の話になるのですが、それでは分かりにくい人のためにもう少し説明しましょう。

 まず、ざっくりとした感覚が掴めるように、何も知らない人にはわかりやすい、何もかも分かっている人にはわかりにくい説明をします。

 静の物語解析は、つまりシナリオの設計理論は、ゴルフコースの設計理論です。
 動の物語解析は、つまりマスタリング論は、実際のゴルフのプレイ論そのものです。


 たぶん分かっている人は首をかしげるはずなので、言い換えます。

 静の物語解析で作るのは、スーパーマリオのステージです。ブロックや敵の配置。
 動の物語解析で話すのは、スーパーマリオのプレイそのものです。


 だいぶ、あ、なるほど、と思ってくれたと思うのですが、もう一段階分かりにくいところがあって、いまからそれを説明します。
 動の物語解析の説明が分かりにくいのです。
 実のところ、TRPGにはマスターとプレイヤーという2種類のプレイヤーがいまして、それぞれに役割が異なります。TRPGの大規模版であるPBMのマスターをしていた感覚では、マスターが旅館の女将などの従業員、プレイヤーがお客さん、シナリオが旅館そのもの、というのが一番近い感覚です。
 で、動の物語解析で話すのは、マスタリング、つまり旅館の女将などの従業員はどうもてなせばいいのか、という話になるのです。
 ですので、

 ゴルフプレイヤーのプレイ論というわけではない。
 スーパーマリオをいかに上手くプレイするかの話ではない。


 この点が非常に分かりにくいのです。
 ただ、ここまで来て、この言葉を言われたときに、たぶん気付くと思うのです。

 ストーリーってプレイヤーが作るものであって、あらかじめ用意するもんじゃないよね?

 この感覚を掴み取ってほしいのです。
 ゴルフコースは、そこで名ゲームが誕生してほしいから存在するのです。プレイヤーを支配したいから存在するわけではない。名プレイを生んでほしいから存在するのです。
 ここはとても難しいので、言葉に困るのですが、ゴルフってそんなに不自由だろうか? とかくと、だいぶ突破できた気がします。
 この辺になってくると、ストーリーが「倒すべき悪の枢軸」に見えてくるでしょうか。
 正反対のサイドである「こちら側」が認識できれば成功ですw

 ストーリーはプレイされた結果であって、その通りにプレイする予定表ではない。

 もうすこし、ストーリーサイドに攻め込んでみましょう。

 シェイクスピアの台本って、お芝居をしながら、毎日のように書き換えられていたと思うのですよね。役者のアイデアとかを取り込みながら。

 これは忠臣蔵が日々改善されながら演じられていたところからかなり自明だと思うのですが、少なくとも競争の激しかった当時にあって、お客さんの反応を見ながら、シェイクスピアともあろう人が、台本を書き直さなかったというのは考えずらい。役者と相談しながら台本を書かなかったはずがない。
 というか、当時印刷するとなると、かなりコストがかかりますので、現在のように舞台台本が印刷されたというのは考えにくい。それよりもだいぶ下った時代である忠臣蔵において、印刷された台本が役者全員に配られたのだろうか?
 もし、印刷された台本がなければ、その台詞よくないなあと思ったら、みんなで考えて台詞書き直すんじゃない? 普通は。

 こういうことを考えた人がいないというのが極めてふしぎなのですが、想像力の問題なのですが、ゲーム視点から見るとこういうことが当たり前に出てきます。ゲームをしていれば、当然にどういうゲームになるか、サッカーを想像すると分かりやすいのですが、当然に、ゲーム前にイメージトレーニングします。想像力がないとまずはゲームをすることはできない。
 シェイクスピアを論じることなどできない。
 これは一種の盲点なのですが、その盲点を生み出すシステムにほころびがあって、当然にそれは改善可能なのですが、残念なことにそこに恐ろしくでっかいチャンスがあることに気付く人が少ない。
 キリスト教の思想以外を許さなかった暗黒の中世のように、ストーリー教以外を許さなかった暗黒の現代であるかのような気がしてしまいます。
 でも地球は動いているよね?
 死刑にはならないとは思うけれどもw

 シェイクスピア周りを読んでいてびっくりするのは、当時のエリザベス朝時代の劇作家は基本的には、シェイクスピアと遜色ない、という記述が現れることです。
 これを読んだ瞬間にこう思わないでしょうか?

 その当時のやり方こそ正しかったんだよ! ばかもん!

 われわれは輝かしい黄金時代のやり方を失ってしまった、哀れでお粗末な、自己満足気味の現代人なのです。そのことに想像力を働かせてみて、あれ? もしかしたら、遺跡を掘ればお宝ザクザクなんじゃね? と思えば、なんとなくどんだけ損しているかがわかるでしょうか。
 ルネサンスというと大げさですが、それぐらいのチャンスはあるのです。

 創造的なサッカー、いやゲームの話をしましょう。
 もし楽しくなってきたのならば、ようこそ、ここがゲームです。ストーリーとかありえないよねw ようこそ、ゲーム教へ。


 【本編に取り上げられなかった内容の断片で、意味ありそうなこと】

 断片的に羅列します。
 いい論点なので。


 ・シェイクスピア喜劇の捉え方

 結果論として残った台本がシェイクスピアであると。
 わたしはそんな風に思います。
 特に喜劇の台本を読んでいると、ほんとうに横道にそれまくるのですね、シェイクスピアは。わたしは、バスとかで読んでいて、爆笑しそうになるので、まあその横道も楽しいよね、と思うのですが、これって、お客さんにウケたネタを、その後もやることにした、ということではないのだろうか? と考えて、

 シェイクスピア喜劇 = コント

 と考えると、ああ、落語でもいいのですが、台本を書き換えそうですよね?


 ・マリー・ロール・ライアン

 これが恐ろしく高度な問題提起をしているという風に分かった瞬間に、わたしの仕事は終わりです。これが、マリー=ロール=ライアンが超えられなかった壁なので、あとは、わたしじゃない人に任しても大丈夫な気がしますが、ここを突破できる人がどれだけいるのか、そう思ってしまいます。

 ストーリーってプレイヤーが作るものであって、あらかじめ用意するもんじゃないよね?


 ・SKYRIM

 物語解析の定義はシャープすぎるのですが、ゲーム側のかなり実力のある人から見るとたぶん、なにいってんの? こんなの当たり前じゃん、という定義なのです。

 ゲームというと幅が広いのですが、分かりやすいところでは、PCゲーム業界で、正統派過ぎる正統派として名高いというか、出すたびに年間賞をとる、エルダー・オブ・スクロールシリーズの最新作、SKYRIMを紹介するのですが、この動画をみるだけで、物語解析が言っていることが理解できるかもしれません。

 ここで、とりあえず言っておきたいのは、SKYRIMの世界は、人物を表すポリゴン(オブジェクトのほうが正確ですが)、舞台を表すポリゴン、道具を表すポリゴン(ただし効果等は決まりごと(ルール)に属す)、そして全体を束ねる決まりごと(ルール)だけで構築されているということです。

 ぴたりと物語解析の定義と当てはまるのは、出元がD&DといいうTRPGでおなじなので当たり前なのですが、それが事実であることを確認してください。

 あっと、例えば人物が話す台詞は当然に人物に従属します。
 これは独立要素ではありません。
 もし、その人物が殺されてしまっていれば、当然にその台詞は出てこないことになります。いないかもしれない可能性があるのは、ゲームとストーリーの大幅な違いですね。ここは考え始めるとすごく長いのでw さらっと流しますが、ドラえもん、のび太と鉄人兵団からしずかちゃんを消そうとしているのを振り返って、それってどうなるんだろうと考えて頂けると、だいぶ高度です。
 これはとてもゲーム的な思考で物語を見ているのです。

 王道的な、いやこっちのほうがいいでしょうか、伝統的な、もうちょっと格好つけるとエンシェントRPG的のゲームでは、これは実際に起こることです。

 SKYRIMでも、あと例えばダークソウルでも、このあたりのゲームが滅び行くゲームでないことを祈りますが、そこで展開される物語は、しずかちゃんを主人公が殺してしまったという世界がありうる世界です。それができることがいいのではないのです。それがあっったとしても物語が続くだけの強靭性を持っている、この部分がゲームだねえという部分だったりします。

 だって、プレイヤーは自分の権限内で、世界を好きにできるのですから。

 とりあえずみてみましょうか。





 読んでない可能性が高いですが、なんとか次回ではしずかちゃんにたどり着きたい・・・。


JUGEMテーマ:ゲーム
| hikaliのゲーム論 | 01:35 | comments(2) | trackbacks(1) |
[hikaliのゲーム論](8) ミリーの天気予報解説 物語解析解説(後編part4)
 こんばんわ! 管理人のhikaliです。
 みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

 さて、前回に引き続き、物語解析とはどういうものかという話の続きなのですが、おや? なにか妙に更新が早いですね(^_^;

 実のところ前回の更新で、あれ? この更新方法を採れば、圧倒的に手抜きができるじゃん! 分かりやすい解説になるじゃん! と発見してしまったからでして……、水を得た魚のようにがしがし更新をかけて行きたいと思います。

 実のところ、このゲーム論を始める前は、けっこうぐだぐだと悩んでいたんです。
 もともと、死神の帰還のメイキングでもやろうかなと思っていたのです。しかし、何度書いても書いてもちっとも分かりやすくならない。もちろん、あのシリーズが10年ぐらい構想を積み上げてきたお話だからというのもあるのですが、それ以前にわたしがどう考えて、どういうフローをとおって書いてきたのかが、圧倒的に分かりにくい。
 それで考えているうちに、

 というかわたしの作り方が特殊なんじゃないか?

 と思うようになり、

 というかあれ説明するのには、物語解析から説明しないとダメなんじゃないか? 

 という経緯になり、

 というかもともと物語解析って、ゲーム論だったじゃないのか?

 と、原点にたどり着いて、

 おお、そうだゲーム論なんじゃん!

 と書き始めたものなのですよね(^_^; <経緯がぐだぐだすぎw
 回り道して結論から言うと、死神の帰還って、ストーリー一切考えてないんですよね(笑)。ログを見るとわかるのですが、週刊マンガ雑誌の2、3話先ぐらいしか考えてない状況で、がががと書いているのです。
 台詞とかもけっこう即興で書いてますし、演説とかもけっこうがーっと書く速度で書いてしまっている。
 そんなので書けるの?
 と言われると、なんかへんな人に見られているようで返答に困るのですが、宮部みゆきも「ミステリーの書き方」でそうやって書いているとか言ってましたし、内田康夫(浅見光彦シリーズの人)なんかミステリー作家のくせに、

 「書いているうちに、あ、こいつが犯人だ! と分かってくる」

 などとぶっ飛びなことを言ってたりします<犯人決めないで書いてるw
 わたしもけっこう登場人物の自由に任せているというか、なんと言えばいいのだろう小説を書きながら、その登場人物たちを即興で演じている、という感覚が近いのです。
 死神の帰還の例で一番ひどいのは、ウタリ(翼竜少年)が10層までしか作られていないセントラルを見て、

 「つくりたい」

 と言い出して、仕方ないのでセントラル大開拓時代なるものをでっち上げるはめになったとか、え、そんなのも考えてなかったの?! とびびられると困るのですが、わたしとしては、

 「だって、ウタリがそう言ったんだから仕方ないじゃん! 言うなっていえないでしょ!」

 というのが書き手の本心だったりします。
 ん……、なに言うかなこいつと思っていたら、いきなり「つくりたい」などと言い出したので、そっか、そう言うよね……、ウタリだものね……、まいったな……どうしよう……。
 というような状況で書いていたりするわけです。
 これを説明しようとしていたので、そりゃ、無理だよねw なのですが、ここまでhikaliのゲーム論を読んできて、ああ、なるほど、この人だったらそういう書き方するだろうな、というのがおぼろげながらでも分かって頂ければ、もうこの連載を続けてきた甲斐があるというものです。
 そうそう、まずは、ここにたどり着きたかったんです(^_^;

 わたしの感覚で行くと、物語って、ストーリーというよりもゲームに近い。

 これなのです。
 その中で、ひとりで全員の役をやるのが小説、という感覚なのです。
 これがまずお伝えしたいことでした。

 というわけで、今回はもう少し静の物語解析の具体的な使い方に踏み込んでいきましょう。前回は、エアフォース・ワンを魔改造する実演の解説をしましたが、今回は、無から物語の原型を作るお話。
 物語って無からどう生み出すんですか?
 そんな疑問が生まれませんか?

 方法論はいろいろあるのですが、ログが残っていて、これからながながと解説しようとしている『ミリーの天気予報』では、はっきりといえます。

 ランダムです。

 苦笑するしかないのですがw こう言い換えると分かりやすいかもしれません。

 ストーリーを紡ぐ、とは、物語上で自由に動く登場人物たちの予想不可能な動きを取り込みながら、彼らの軌跡を説明していくことなのです。
 はじめからストーリーという設計図があるわけではなく、予測不能なあらゆる要素たちを紡ぎ上げていくものなのです。
 シナリオ(物語の企画書)の段階では、ランダムに生まれてきた要素を、物語解析を使ってひとつの物語構造を作り上げ、プレイ可能にするのです。そして、登場人物を突っ込んでみて、プレイさせてみる。
 感覚的には、落語の三題離にちかいことをしていると想像すると、大体合っています。
 というわけで、行ってみましょう!
 『ミリーの天気予報』のメイキング解説です!


 ■単語ジェネレータの説明

 さて、解説をしていくのですが、わたしのシナリオ作成方法がけっこう特殊なため、事前にツールの説明をしなければなりません。
 特にわたしがお気に入りで使っているのが、単語ジェネレーター。
 いわゆる三題噺の三つのお題を、自動で提供してくれるようなツールです。

 仕組みはいたってシンプル。
 わたしが小説などから切り出してきた単語をランダムで表示するものです。
 ただ、単語と言っても、1wordではなく、数wordで使いやすいなあとわたしが思ったサイズで切り出しています。
 例えばこんなのが入っています。

 宿屋へ運んだように見せかけた  時代のせい  お酒の壜
 多くのもの淋しい時の記憶  まったく解きがたい神秘  一緒に来て下さい 


 切り出し元の小説は、特にこれと言った傾向はなくばらばらで、例えば、小泉八雲、モーリス・ルブラン、北村薫、萩原朔太郎、高村光太郎、角田光代と、とにかくまあ、わたしの手の届く範囲にある小説と思って頂ければ、大体合っています。
 これが、たぶん現時点で1万単語ぐらいあるはず。
 他にも歳時記リストとか、イベントリストとかがあり、場面に応じて使用しています。

 これが、ランダムでつくっている、と言っている部分です。
 なんとなく想像できたでしょうか。


 ■シナリオ作成時のログ、ひとりブレスト

 また、わたしはシナリオをつくるときに、ひとりブレストをします。
 これは、とにかく思ったことをひたすらにテキストエディターに書いていくというもので、そんなに特殊なことをしているのではないのですが、あんまりひとりブレストをしている人がいなくて、便利なのになあ、なんでやらないんだろう? と思ってしまいます。
 やっていることはいたって簡単で、例えばこんな文章になります。
 かなりぐだぐだですw

 歳時記randstrを作った。思いのほか強力っぽいのだけど、いかんせん風土が日本だ・・・。まあ季節感が出るからいいか、みたいな(超適当・・・)。

 あー、あと、なんか、やっぱり導入しやすい話しにしようぜ。
 なんか、シドとボルニアの因縁とか言われてもわからねえよ、みたいな感じだった気がしてきた。なので、できるだけ、あんまり世界観が表に出ないように。で、あんまり堅い話じゃなくて、もうちょっとノリがいいというかキャッチーな感じで、おっと分かったポップな感じで行こうぜ。
 そう言う意味では、イコウの歌姫とかなかなかノリはいいんじゃないかという気になる。あんぐらいノリがよくてよい。


 まあ、企画会議の砕けた会話が全部文字になって残っている、みたいなイメージでいると分かりやすいかもです。

 で、ひとりブレストをすると、当然にテキストデータが残りますから、それをログと呼んで、全部保存しているのです。そして、当然にといいますか『ミリーの天気予報』は、そのログが全部残っているのですね(^_^;
 ですので、一部分かりにくいところは解説しつつも、その全貌をお見せすることによって、どうやってあの話は作られたのか、ということを通して、物語解析を説明してみたいと思うのです。
 準備はいいですか?
 これは何の秘密でもなく、ほんとうに無邪気で単純なことの積み上げなのです。
 ただ、ここまで説明しないと理解不能なだけでw

 行ってみましょう。


■ミリーの天気予報に見る、シナリオのつくり方
  〜単語選び編〜


 まずは、ランダムに単語を選びます。
 この『ミリーの天気予報』を作っていたときは、

 1.まず、6つをランダムで選び、そこから1つ外す
 2.続いて歳時記から、1つランダムで選ぶ
 3.最後に、使えそうなのを恣意的に3つ選ぶ

 で、この9つの単語から、6つ以上使うことにする、というルールでやっていました。
 このやり方がその当時は安定していたので、そうしていたのですが、別にそれでなければいけないというわけではありません。
 どんな単語が出てきたのか見てみましょう。
 説明を加えながら、ログを引用していきましょう。

 うりゃー!

 職業範囲  両耳  一つの新聞
 繊細な衣のひだ  前から知っていたこと  父の一族の知人

 一つの新聞を外す。


 ここまでが、「1.まず、6つをランダムで選び、そこから1つ外す」です。

  大文字:大文字の火、精霊送火、妙法の火、船形の火、鳥居形の火【秋】行事 

 まあまあ。


 これが、「2.続いて歳時記から、1つランダムで選ぶ」です。

 6+3。
 ここをちょっとキャッチー風に選ぶことにしよう。

 職業範囲  両耳  精霊送火
 繊細な衣のひだ  前から知っていたこと  父の一族の知人

 なので、そこから行きますよ。
 まった、先に舞台を決めよう。

 東岸諸国人 フェニキア的な人々

 なんか、強引に選んだような(笑)。


 ここで、先に舞台を選んでしまっていますね。

 大きな琥珀のパイプ  壁画の中の三人 あわれな少女の顔は涙に濡れて

 これが、「3.最後に、使えそうなのを恣意的に3つ選ぶ」です。
 どういう単語が選ばれたかというと、

 職業範囲  両耳  精霊送火
 繊細な衣のひだ  前から知っていたこと  父の一族の知人

 大きな琥珀のパイプ  壁画の中の三人 あわれな少女の顔は涙に濡れて

 この9つが選ばれました。この9つからとりあえず6つ以上使えばいいのですが、おっと、これは全部使ってますねw なんとなく、これはあれだなというのが思い浮かぶものが散見していないでしょうか。


■ミリーの天気予報に見る、シナリオのつくり方
  〜キーワード点検編〜


 続いて、キーワードを点検していくのですが、「あわれな少女の顔は涙に濡れて」が引っかかって、思わぬ方向へ転換します。

 んー・・・。
 というわけで、風呂の中で、一番はじめの蛾の少女の話とミックスすることにした。
 これね。

 −−
 えーと、風呂入っている内にシナリオできた。

 1.病気で眠れない少女
  → 故買屋で、パオペラに女の子載せてくれと言われる。
  → 屋敷に行ってみると悪そうな商人。
  → 少女を預かる。
 2.パオペラで少女と遊覧飛行
  → 喜ぶ少女。
  → あちこちを見せてあげる。
   → この子は何かが欠落しているのではないか?
     (何かをあきらめている気がする)
   → 倉庫へ入れるか。(かなり汚いし、ほこり臭い)
    → 入れると蛾が飛べなくなって喘いでいる。
     → 少女が助ける。
       (空気が薄くなっているから飛べないんだよ)
  → 夜景を見せてあげる。
 3.地上に戻ってきて、少女が消える。
  → 必死に捜す。
   → 酒場の街灯のところで見つける。
    → 蛾をはなしたっぽい。
    → 寒そうにしながら寝ている。
  → 家に帰す。
 −−

 職業範囲  両耳  精霊送火
 繊細な衣のひだ  前から知っていたこと  父の一族の知人

 大きな琥珀のパイプ  壁画の中の三人 あわれな少女の顔は涙に濡れて

 東岸諸国人 フェニキア的な人々


 ここで出てきたシナリオは、シナリオラッシュといいますか、片っ端からシナリオを作っていたときに(20個ぐらい)できたシナリオの1つなのですが、どう考えてもゲームにはならなそうなので寝かしておいたものです。
 これはもうプロットの形になっているというか、原稿用紙10枚ぐらいの短編ぐらいにしかならないようなシナリオです。それで、このシナリオを、今作っているシナリオにミックスしてしまうことにしたのです。
(そうすると、「あわれな少女の顔は涙に濡れて」がクリアできるので……)

 で、ちょっと難しそうなので、がんがんに物語解析を使ってみる。

 まず、人物だな。
 パオペラ4人はいい。
 今のところ見えているのは、故買屋、病気少女、悪そうな商人。

 で、キーワードに、「壁画の中の三人」がいる。
 あと、「繊細な衣のひだ」、これは誰かが着ている。
 「父の一族の知人」ん・・・。
 「職業範囲」、これはなんだ?
 「あわれな少女」、これは病弱な子だろうか。
 「両耳」、これはだれ?
 「前から知っていたこと」、これは誰が知っていた?


 これは、物語解析の4つの要素、人物、舞台、道具、決まりごとに落とし込もうとしています。キーワードで人物に関係がありそうなのをピックアップしてみているのですね。これをやるだけで、かなり多くのキーワードが整理しかけているのがわかるでしょうか。


■ミリーの天気予報に見る、シナリオのつくり方
  〜物語構造構築開始編〜


 で、今、実はパオペラ以外が立体的ではないのだな。
 つまりここでドラマを作れない。なので、ここを広げる。

 「壁画の三人」を利用する。これは過去の様子だよね。
 どこにあるんだろうか。まあ普通なら家族の肖像画なのだが、この中に少女はいない。つまり生まれる前の絵ね。で、悪い商人と、その妻、そして息子が描かれている。で、妻は少女を産んだときに死んだ。息子は少女には死んだと言われているが、実はどこかで生きている。
 少年は父が悪徳商人になっていくのに我慢ならず、家出している。

 「父の一族の知人」と「職業範囲」はこの少年に使おう。
 つまり、この話は兄と妹の話。
 だいぶ立体的になってきたでしょう(笑)。


 ここで、「壁画の三人」を過去にしているのは、現在にしてしまうと新たな要素が生み出せないからです。立体的にする、といっているのはその辺を指していて、現在−過去があることで、要素の分布する範囲が増えることがわかるでしょうか。
 こうやって見てみると、この着想だけで、だいぶ『ミリーの天気予報』の原型ができてきていますね。
 続きを見ましょう。

 さて、「大きな琥珀のパイプ」は絵に描かれている商人の持ち物だった。それを少年が持ち出してしまった。で、故買屋がそれを手に入れて、商人へ返すところが発端。
 なので、実はけっこうドラマチックなところから始まっている。

 で、「繊細な衣のひだ」をこの少年が着ていて欲しいのだな。
 で、これを「職業範囲」に絡める。
 彼の職業はなんだろう?
 条件は少女と触れる機会があること。
 画家かなあ。
 まあ、それなら壁画と一応絡むか。


 ここですでにディシュの原型が出てきています。
 『ミリーの天気予報』は序盤がけっこうゆっくり進むので分かり難いのですが、物語の深層から見てみると、けっこうディシュの深慮遠謀っぷりが見えてくるのですね。で、パオペラの4人はそんなことも露知らずに、事件に巻き込まれていくのです。
 続いて状況を整理し始めます。

 これでだいぶ立体的になってきたかなあ。
 少年は、商人の依頼で、少女を描いている。
 つまり、兄が妹を描いている。
 で、故買屋はそれを知っている。
 なんか、突然に人間関係がぎゅっとした感じが分かるかな?
 少年は、今売り出し中の、超有名な画家。ちなみに多少歳をとったような容貌をしている。これは年齢を誤魔化すための変装。

 パイプを返したのは、少年の作戦開始ということにしよう。

 だいたい構造はできたか。
 整理しよう。

 パオペラというかリオネのお得意の故買屋にエケルで手に入れためずらしい装飾品を売りつけるシーンから。で、丁々発止の様子で売っていく。
 それが一段落すると、ちょっと、重い仕事があるからついてきてくれないか、といわれる。大きな琥珀のパイプを届ける仕事らしい。報酬ははずむ、といわれる。リオネは、まあ、恩を売っておこうという気つもりらしい。
 で、商人の家に高価なパイプを届けに行く。
 故買屋は、それれを悪徳商人にわたし、報酬を受け取る。
 その間に、館を紹介され、肖像画を見る。

 で、少女は少年に描かれている。
 それを商人は説明して、精霊送火に娘をパオペラで見せられないかと提案する。報酬はよさそうだし、どうも、少女は今にも死にそうだし、まあいいかみたいな雰囲気に。というわけで、全員がパオペラで遊覧飛行状態になる。

 これはOKかなあ。
 よし、OKで!


 間がすこーんと抜けていますがw 物語構造がだいぶできてきたので、なんとなく満足してしまったのですねw それに後日に気付きます。


■ミリーの天気予報に見る、シナリオのつくり方
  〜コンセプト構築編〜


 およ?
 完成していることになっているwww
 実は、不完全なので、食事中とかに考えていたので、そのフィードバックを。

 現在の状況だと、

 依頼 → 遊覧飛行

 とあっと言う間に結論にたどり着いてしまって、その間にドラマを作りにくい。
 で、実は祭りは2〜3日後なので、その間我が家に滞在して欲しい、という内容に変更する。で、その間、邸宅で過ごしたり、街を歩いたりする。その間に、どたばたとした事件が起こることにする。
 というわけで、タイトルも変更(笑)。
 これまで、
「辺境の祭り」
「ジャングルの要塞」
 と来ているので、「○○の××」に変更する。
 ジブリ方式ですな。
 で、シェイクスピア喜劇を参考に、喜劇仕立てにする。
 今考えているのは、十二夜みたいな感じ。
 ただ、シェイクスピア喜劇は色恋ものが多いのだな。
 なので、どっちかというと、そこへ「ベニスの商人」を混ぜていく。
 あー、あのシャイロックのエピソードではなく、あの商人たちが街路をかけていくような感じのさわやかな感じ。

 あとどうでもいいが少年はシャリーに惚れることにしよう。
 (なんかすさまじくどうでもよいように付け加えたが・・・。)
 これは、少年は少女に惚れている訳じゃないよ〜、というのを伝えたかったのと、これぐらいの年齢の子たちがなんかあったときに、まあ、色恋の一つもなければおかしいよな、という偏見から(笑)。

 ここで、シェイクスピアの「ベニスの商人」がモデル、ということが決定されています。ベニスをこう読む人はそうとう物語解析力がある人ですが、『ミリーの天気予報』って実はシェイクスピア喜劇をかなり混ぜ込んでいる話なんです。
 というか、わたしからしたら、まんまシェイクスピアじゃんw なのですがw
 その流れから中盤のミリーを大活躍させるシーンを、夏の夜の夢から発想しているのですが。
 そして、これはなんで思いついたのか分からないのですが……、まあ才能というものがもしあるのであれば、こういうことをいうのですね……。おそらく、ベニスの商人は、主人公の商人の船が難破することから事件になっている、という部分からの発想だと思うのですが、

 おっと霊感がピッときた。
 タイトルは「窓辺の天気予報」。この少女の元には、商人がその予報を聞きに来る(船が難破すると困るから)。よく当たると評判。この子は、嵐がやってくるのが、庭の鳥たちの様子で分かる。おっと、キーワードの「両耳」は予報するときに、この子が鳥たちの声を聞くのに、両耳をかざすから。
 キーワードの消化を見ておくか。
 というか、二つのシナリオを合体させたからとんでもない事になっているなあ(笑)

 現状:

 職業範囲  両耳  精霊送火 繊細な衣のひだ
 大きな琥珀のパイプ  壁画の中の三人 あわれな少女の顔は涙に濡れて

 残るは、

 前から知っていたこと  父の一族の知人

 ほほー、かなり消化しているのか。
 なんか、この話はすぐにでも作れそうな感じだな・・・。


 「父の一族の知人」は消化してますけれどもね……。
 起承転結チェックが始まります。

 とりあえず起承転結チェックしておくか。

 起:起が弱いんだよなあ・・・。

 承:は基本的に舞台の開示と人物の開示ね。

 舞台は、商人の館とサディスの街。サディスは、スペインのカディスから。
 人物は、つぎつぎとやってくる面白いサディス商人たち。この辺は千と千尋を参照。
 どうでもいいが、少女のお父さんは抜け荷をやっている。
 たとえばお酒タブーな国に酒を運んだりしている。
 まあ、そんなに悪いことではないけど、ずるはしている。
 このサディス商人たちは、どこか落ちこぼれ商人っぽいところがあって、ひょうきんで面白い。

 転:は少年の決起。遊覧飛行で終わりに、少女を逃がしてしまう。

 結:は少女が見つかり、なにか生きる力みたいなのを見つけたみたいな話。

 後日談:

 ・シャリー、少年を振る。
 ・少女、明るくなる。
 ・絵の完成。


 だいぶ構想が見えてきましたね。
 ここで日が改まります。


■ミリーの天気予報に見る、シナリオのつくり方
  〜企画の確認編〜


 このあたりから、プロットに落とそうとし始めています。

 タイトルの「窓辺の気象台」は仮。
 一応、もう一つ「窓辺の天気予報」も候補としてあるけど、これは、窓辺と天気予報が両方とも弱いので、気象台とちょっと不思議感がある方にしてみている。もし、窓辺の方にもっといい言葉があればできれば天気予報を使いたい感じかなあ。

 あとどうでもいいが、どうも、あの宮崎駿のタイトルは宮沢賢治を踏襲しているのだなあ。今日ちょっといろいろ調べていて思ってしまった。

 話的には、サディスという東岸諸国の一都市国家ののどやかな空気を描きながら、そこにいる、悪徳商人と病床の娘と画家として帰還した息子の人間模様の話。これをシェイクスピア喜劇の風味を混ぜつつ、ジブリ風にさわっとまとめてみたい。
 ふんわりした、そうですねえ、よしもとばなな調の話なんだけど、実はヴェニスの商人って感じの話。ヴェニスの商人のミニゲームがぎゅっと詰まっているけど、実は青春群像みたいなところを目指していく。
 あんまり、泣きをついていくのではなく、ぐるぐるとあれこれ起こして引っ張り回していくシェイクスピアのテクニックを使っていく。

 かなりでっかい原案原稿があって、そこそこのボリュームとなっている。
 幾つあるんだ?
 25枚ありますね・・・。
 スゴイデスネ・・・。

 このシナリオは、途中から急遽、別のシナリオをミックスして、そこへ物語解析を使ってぐりぐりやっているから、なかなかやっていることは凄いというか、なんじゃこりゃ、というシナリオなのだが、まあよい。


 プロットに落とすために、ゲームの構成というか、実際のパラグラフの構成を考え始めています。

 今回は前回の反省を生かし、いつの間にか物語にぐいぐい入り込んでいて抜けれないみたいな方向で行きたい。

 で、今回は館モノなので、各部屋には基本となる項目があって、イベントへ入ると、フラグで分岐するみたいな話になる。いきなり難しくなるなあ。
 館は、館の見取り図が大量に載っている書籍が2冊あるので、それを参考にする。

 期限は3日。つまり2泊3日。

 1日目 夕方:館へ行く 〜 就寝
 2日目 一両日自由行動 館・サディス
 3日目 起床 〜 夕方:パオペラで祭り見物

 こんな感じで進める。

 まず舞台から。
 館は10舞台ほど。つまり行けるところが十カ所。
 サディスは5舞台ぐらいを想定。

 これで、最低15舞台。

 でクラスターを考えるか。
 これは素直に日にちでいいかなあ。

 クラスター1が1日目
 クラスター2が2日目:館
 クラスター3が2日目:サディス
 クラスター4が3日目:出発まで
 クラスター5が祭り見物〜ラスト

 けっこうでかいですねえ。
 で、今回は項目を100は使いたい。で、枚数は300枚から400枚に抑える。


 うそだw
 項目が200近くあって、枚数は1600枚が正解ですw
 誤差、すでに5倍w

 まず、舞台で一応、最低15。
 クラスター1が20。
 クラスター2は、どうしようかなあ。

 クラスター2+クラスター3+舞台で、50とすると、どうなるんだ?
 クラスター2+クラスター3で35か。
 となるとクラスター2で25、クラスター3で10。

 クラスター4が20
 クラスター5が15

 で、どうなった?

 舞台:15
 クラスター1:20
 クラスター2:25
 クラスター3:10
 クラスター4:20
 クラスター5:15

 合計:105か。
 まあ、いいところではないか。


 続いて、起こるイベントを整理し始めます。

 ■起こること

 ●1日目

 ・リオネが故買屋に商品を売る。
 ・商人に琥珀のパイプを渡す。
 ・三人の絵を見る
 ・少女のところへいく。
 ・画家に会う。
 ・商人がやってきて少女が天気予報をする。
 ・祭りをパオペラで見せられないかと打診される。
 ・シャリーは、少女が気になる。
 ・イコウがシャリーに、じゃあ共感者の能力を使えという。
 ・画家が怪しげな言動。
 ・どうも上手くいっていない感じのこの家。
 ・少女キレる。
 ・責任を感じるシャリー。

 ・食事。上手くいかない会話。
 ・リオネが解説。
 ・仕方なく泊まることになる。
 ・就寝準備。
 ・シャリーが貴族の装束を着る。さりげなく可愛い。
 ・イコウ、ちょっとどきどきする。
 ・ロットとイコウが話す。ロットは、あんまり人間には興味がない。

 ・深夜に物音がする。
 ・イコウ、怪しげな人影を追いかけるが、つかまえられず。
 ・仕方なくねる。

 とりあえず、プロット書いてみるか。


 ちょw いきなりプロット書き始めたw
 ちなみに書かれているプロットはこんな感じです。
 実際の文章と対比してみると面白いかもです。

 1.サディスでリオネが故買屋と買い取り交渉
 → リオネが物凄い剣幕で、故買屋のオヤジをまくし立てている。
  → 困るオヤジ。
  → イコウ視点で、リオネの描写。容貌をそこそこ詳しく書く。
  #今回、序盤はかなりリソースを使って丁寧めに書く。
  #なんというか巻頭カラーみたいなイメージ。
  #こういうの上手い人って誰かいなかったっけ?
  → イコウがなだめる。
   → 外で、2人も待っているし。
 → 故買屋が、困り切って、リオネに逆提案をする。
  → 実は今日、お客に品物を届ける必要があるんだ。それについてきてくれないかな。
   → リオネ、慌てる。
    → ここ、サディスだよ!? 東岸諸国はシド商人嫌っているじゃん!
 ・えーと、なにを届けるんですか? 2
 ・なにか、リオネじゃないとできないことがあるんですか? 3


 けっこうこの通りに進んでいたりしますw
 しかし、これ、試験の一週間前に書いているなあw
 物語のはんぶんは逃避でできていますw

 えーと、いろいろ見て回った感想としては、やはりサイボーグを倒せはエポックメイキングで、そこからあんまり進歩はしていないかなあという気がしている。

 サイボーグを倒せで使われているのは、移動の際に意外な人物に出会い、そこから事件が進展していく、という手法。これがけっこう見えにくいやり方な気がする。登場人物を多くして、舞台を絞って、あちこちでいろいろなことが起こるようにする。
 これが退屈させない方法になっている。
 どこへ行っても事件が進展してしまう、というそういう構造になっている。
 今回のシナリオは、この辺は参考にしたい。

 あと、謎がけっこう深い。
 しかも、謎をあちこちに拡散している。
 この辺、お手本になっている話なので、上手いなあということになるのだが、どーしますかねえ。

 今ある駒は、

 パオペラ4人 イコウ
        シャリー
        ロット
        リオネ
 故買屋
 少女
 画家
 館の商人
 あちこちからやってくる商人

 で、今回は主役はイコウ=シャリーなので、ロットとリオネは浮かせておく。
 ロットとリオネってやることあんまりないなあ。なので、この2人は、サディスの方へ逃がす。でなんかとびきりの情報を持って帰ってくるという事にしよう。この辺で外情報を取ってくる。


 と考えてきたところで、唐突に、彼が誕生します。
 ジョゼフです。
 ここかw ここまで、ジョゼフはいないことになっていたのかw

 で、館の中だが、ちょっと不便なので、館の中に家令がいることにする。
 これは少年にしたいのだが、なんで、この子は家の中を取り仕切っているんだろうなあと不思議な感じがする。
 おっと分かった。この子は孤児で、家出した息子の代わりに育てられていることにしよう。養子ではないのだけど、実質上家令として家を取り仕切っている。いずれは、少女と結婚するという望みもある感じかなあ。

 この子はいい子にしよう。
 なので、画家は戻ってきて、彼がいいやつなので、なかなか切り出せなくなっている状況ということで。
 お、いいね。
 深まった。


 さらっと流していますが、これで、ほとんど全景が完成します。
 この判断が恐ろしく効いているのですが、シナリオを練っている最中はあんま考えていませんw
 こんなもんですw
 基本的にはストーリーを紡ぐ段階でこういう材料は消化して、意味あるものにしていくので、振り返ってみるとここが一番効いていた、になるのです。将棋で、79手目の3五金が全てでしたね、というのは、対局を振り返ってみないと分からないものなのです。
 プレイヤーは思い付きを常に試すチャンスがあって、それが上手くいくときも、行かないときもあるのです。
 その辺はひとことで言えば勝負勘です。
 どこで、上手くいくラストピースが入ってくるかなんか分からないのです。

 その後、プロットを書いている最中に、

 とうとつに降ってきた。
 この話は、シャリーがミリーの心を直そうと、心をいじろうとするのだけど、加減が上手く効かなくていろいろな感情を爆発させるミリーが邸内を混乱に落としていく話にする。
 シャリーがあわあわいいながらなんとかしようとするのだけでど、その度にやりすぎてしまって、しかも、邸内にやってくる人たちの言葉を真に受けてしまうために、収拾がつかなくなってしまう。
 最終的には、ミリーが疲れ果てて眠ってしまうことで収拾がつく。


 これで、物語解析的にはほぼ完成でしょうか。
 『ミリーの天気予報』の企画完成です。
 お疲れ様でした。

■物語解析思想のはなしのさわり


 さて、長々とお話ししてきたのですが、ここがたどり着きたかったところです。
 長かったw
 これまで延々と話してきたのは、この静の物語解析が何を見ているか、その視点に立つと何が見えてくるかをお話しするためだったのですが、物語を間に挟んで、ストーリーVSゲームの構図が見えたでしょうか。
 図示するとこうです。

 管理人的には悪の枢軸 ストーリー −物語− ゲーム 管理人的にはよって立つ正義

 この対立構造です。
 このゲーム側視点をお見せしたかったのと、物語解析がゲーム側からのストーリー思想への侵攻であるのだなあと、ビビットに分かって頂ければ満点です。<わたしもついさっき気づいたw
 物語解析はストーリー教とでも言うべき狂信的で、全世界で信じられているあり得ない一神教に対するレジスタンスみたいなものです。
 判断を失うな、世界は自由だ、偶然を信じろ、ストーリーを捨てろ、混沌を制しろ。
 こう書いていくと、サッカーの自由を説いているみたいだなあと思ってしまうのですが、それが物語解析であることは、これまでの説明で分かってくれたのでは、と思います。

 このゲーム視点に立って、混沌とした豊穣の海に向き合ったときに、コンパスになるのが物語解析なのです。

 ここに到達するために、恐ろしいほどの試行錯誤を繰り返したのですが、何をやっていたのかが見えたでしょうか。
 ストーリー教の洗脳を解くと書くと簡単に見えるのですが、実際のところ、自由は解かれてみないと分からないものです。わたしは自由にやっているように見えるかも知れませんが、わたしの視点からすると、いや、ストーリー教徒でないだけなんですけど……、というレベルだったりします。
 ここを突破するのが、恐ろしく難しかったw
 ゲーム視点に興味を持って頂けました?

 さて、あまりにも長くなってしまったので、今回は終わりますが、次回は物語解析思想で世界を見るとどう見えるかを書いていきたいと思います。

 たぶん、支配と統治の話から入ると思うので(注:この約束は信用しないで下さい。この人は思いつきでフリーダムにやる人です)、法の支配から、法の支配って基本的に分かっている人がほとんどいないよね、これがおかしな官僚支配とか言う話になっているけれども、この齟齬というか、理解できない頭の悪さが、罪なんだよね、という話にたぶんなって、法の支配の支配のバランスが悪いんだよね、ちょっと日本は潔白すぎ、これが害になっている、と進んで、基本的には、官僚は支配できないようになっている。
 なので、官僚たたきは基本的に全面的に間違い。
 問題は、官僚を支配する法なのだよ。
 これを、叩きのめすことができるほど頭のいい人がいない。
 なぜなら、過去の天才が作ったルールだから。
 ローマの滅亡の原因に近いので、おかしくてわらってしまうのだけれどもw
 法の支配の弊害を勉強するのって楽しいですよねw
 これをストーリーの支配へと転換して、どんだけがんじがらめになってんだ? 
 自由になりましょう、という物語解析の視点をお話します。

 書き換えることが許されないのは、教典だけです。
 しかし、それが世界中に害悪を撒き散らしているのです。
 じゃあ、書き換えればいいんじゃね?
 たとえば、シェイクスピアとかって、最悪だよね。

 ここからスタートしましょう!
 これが物語解析です。
 次回は、のび太と鉄人兵団をハックしてみましょう。
 楽しくなってきましたか?

 ここにたどり着きたかったんです!

JUGEMテーマ:ゲーム


| hikaliのゲーム論 | 19:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
[hikaliのゲーム論](7) 物語解析解説(後編part3)

 こんばんわ! 管理人のhikaliです!
 なにか、ずいぶん久しぶりな気がするのですが、みなさまお変わりないでしょうか。

 さて、ずいぶんと間が開いてしまったのですが、管理人がゲームにどっぷりはまってしまっていたため管理人多忙により、間が開いてしまっただけですので、ご心配されなければ幸いです。
 別に胃がんの手術をしたとか、年金基金を1500億円ぐらい溶かしてしまったので逃亡していたとか言う話ではないですので(<というか仕事違うし……)、ご安心くださいませ。

 なんか言い訳が真っ先に走りましたが(^_^; 本日の回を進めて行きましょう。
 えーと、なんでしたっけ?
 というのは冗談ですが、確か、ドラえもんののび太と鉄人兵団を改造する話だったような。

 これを通して示したいのは、たぶんこの一点です。

 物語をほんの少しいじるだけで、ストーリーはまったく違うものになる。

 このダイナミズムが、お見せしたいこと。
 ちょっと物語の構造を変えてしまっただけで、まったく違うストーリーを生み出す物語構造になってしまう。逆に言えば、もうどうしようもないどうやっても逆転できそうにないだめだめなストーリーでも、物語構造をちょっといじるだけでそれなりに見れるストーリーを生み出す物語構造に大変身することが可能になるということなのです。

 これは一度、物語解析で実演してみています。
 この辺は理解が恐ろしく難しく、実物を見ないと、たぶん理解できない部分です。
 なんとか四苦八苦して上手く伝える方法はないかと考えに考えたのですが、それよりも、物語解析でやったやつをそのまま貼っちゃうのが一番手っ取り早いと思うに至りました。
 というわけでかなり長くなるのですが、説明を付け足しながら、見てみることにしましょう。
 題して、たぶんダメそうな映画『エアフォース・ワン』を改造しちゃおう! です。
 わたしが、予告編を見て、この映画はダメダメだなと思い(そして今に至るまで本編を見ていない・・・)、派手に魔改造を始めるという実演です。
 これに続いて、物語解析が最高傑作と認定している『のび太の鉄人兵団』を魔改造することとなります。
 それでは行ってみましょう。

 ■物語解析〜 要素による解析のガイダンス 〜
 http://story-fact.com/mk_log.php?shu=kmk&num=5


 ■『エアフォース・ワン』魔改造計画

 ここでは、一番分かりやすく、私が日常的に行う遊びとして、「映画の予告編よりオリジナルストーリーを構築する」というモノがありますので、ちょっと雑すぎるかもとおもいつつも実演をしてみたいと思います。少しでもその奔放さや、楽しさが伝わるといいな、なんて思います。


 あ、遊び感覚ですね……。さすがわたし……。

 映画「エアフォースワン」を例に上げます。
 この映画は、「アメリカはテロと取引をしない、そして大統領専用機「エアフォースワン」がハイジャックされた」といういわゆる、矛盾に似た葛藤を物語の中心に置く物語です。


 ここ、さらっと言ってますが、この矛盾がこの映画が書きたかった部分だと思われます。予告編を見ただけで、もう構造が手に取るようにわかっているのですね。それだけ分かりやすかったともいえます。

 ですが、この手の葛藤はたった一つの解決法に向かってしか物語が展開しないことが分かっています。つまり、上記の例で言えば「テロと取引しません」「大統領専用機の中の人でなんとかします」という結論が、売り文句を見た瞬間に分かるのです。そして、主役の大統領にハリソン・フォードを配していますので、結論は「大統領が独力で解決する」という構成がはっきりすぎるほど分かります。


 なんというか明晰な分析です。
 そして、この予想通りに進めば、映画は惨事と言ってもよいほど退屈な映画になることが明らかです。この辺を軽く説明して、改造に入っていきます。

 構成はいたってシンプルです。
 背景として「アメリカはテロと取引しない」という不文律。
 舞台はエアフォースワン。
 物語を動かす主要人物は、大統領とテロ組織。

 これは物語解析の説明に入っていないので説明していないので書いてないのですが、物語解析の4つの独立要素にばらして考えたときに、
 人物:大統領、テロ組織
 舞台:エアフォース・ワン<大統領専用の旅客機
 道具:なし
 決まりごと(世界観):「アメリカはテロと取引しない」
 これしかない。4つの要素しかない。こんなんで映画を作れると思うほうがおかしい、なんでこんな映画企画しちゃったんだろう、という感じでしょうか。
 続いて、いかにこの構成がダメかを説明します。

 あまりにも限定され、固定され、集中しすぎたお話だと分かります。
 なんたって、ハイジャックなので、物語の舞台は飛行機内しかありえず、大統領が死んでしまえば物語が成り立たないので死なず、不文律は侵されてはならないので侵されず、テロ組織はどう頑張っても勝ちようがないのです。
 もしこれしか、物語の要素がなければ、映画は大失敗に終わってしまうはずです。
 私は残念ながら、この映画を見てはいないのですが、その自由さで少しエアフォースワンを幅広い物語にして見ましょう。


 ここは説明不足というか説明が簡潔すぎるのですが、物語の始まりはハイジャック開始からであり、物語の終わりはハイジャック終了なので、この結論が出てくるのです。
 この企画自体が、恐ろしく不自由なのです。
 この物語要素だけを見ていると、これ以外がありえない。
 もしこれ以外の要素があるならば、予告編でそれぐらいはほのめかすはず。
 こうやって見ていくと、ありえないぐらいどうなるかが手に取るように分かってしまう物語になっています。
 さて、ここから、どう打開しましょうか、という話になります。

 舞台が飛行機のみというのは少なすぎると思います。少し先回りした言葉ですが(^^; 太めの関係線を飛行機の外に引きます。関係線は人物関係の線だと思ってください。舞台として飛行機があまりにも強すぎるので、関係線を図太くします。


 ここの発想はかなり高度です。
 たぶん多くの人がついて来れない飛躍です。
 たぶんほとんどの人が何を言っているのか分からないのでは。
 説明が難しいのですが、舞台がエアフォースワンしかない限定的な情況がまずいので、なんとか外に関係を持たせようとしているのです。そのときに引く関係線は、人物、舞台、道具、世界観の間に限られる。これが物語解析の利点といいますか、すごいところです。
 ここ、難しいですねw
 物語解析は、人物、舞台、道具、世界観以外の要素の存在を許していないのです。
 なので、必然的に、関係線を引くならば、その4要素間の関係でしかない、と考えるのです。すごくシンプルに考える考え方なのです。
 しかし、舞台の問題なのに、人物の関係線を引いています。
 まあ、どうなるか見てみましょう。

 例えば、テロリストの目的は大統領じゃない、のような方法でも取らなければ、画面がずっと飛行機の中になってしまいます。


 これは事件を飛行機の中だけで起こすのではなくて、テロリストの目的は飛行機の外にあることにしてそっちでも事件を起こさないと舞台が増えんだろう、ばかもん、と書いているわけですが、まあ、物語解析ではよくやる方法です。
 たぶんこの辺で理解が難しくなる気がするのですが、テロリストの最終目的が、大統領を殺すことではなかったら? 殺すことの目標はかなり簡単に達成できると思うのですね。というか、自爆すればいい。エアフォースワンを落とせばいいわけです。
 超簡単。
 恐ろしく簡単ですが、これでは映画にならない。
 テロリストに大統領を殺さずに引き出したい譲歩があるのです。
 この辺で、エアフォースワンと言う映画が破綻していることを示しているのですが、というか、エアフォースワンをハイジャックしたら自爆テロでいいんじゃね? と考えると、うんもはや映画としての企画としてダメすぎと分かるでしょうか。
 だいぶ高度になってきました。
 テロリストには自爆テロをしないだけの利益があるのです。
 それはなんなんでしょうか? なんか、ハリウッドが霞んできたでしょうか。まー、もうちょっと考えてよね、と思うことはたびたびあります。
 さて続きを見ましょう。

 関係線が一本では弱すぎるので、大統領からも線を引きます。つまり、テロリスト・大統領・何か(笑)の三角関係になり、テロリストと大統領は飛行機、「何か」くんは、もう一つの舞台にいるわけです。
 果たしてそんな物語が可能なのでしょうか? 真剣に考えたわけではないので、私も分かりませんが(^^; 多分なんとかなっちゃうものです。面白いので、もう少しやってみますか。


 これはテロリストの目的が大統領じゃないから、第三者への影響を与えることが目的という発想で、テロリストと第三者の間に関係線を作ろうとしています。また、「つまり」、とかなり豪快に結論を出していますが、大統領・テロリスト・第三者の三角関係としているのは、それが一番シンプルな関係だからです。それで上手く行かなかったら四角関係にしようと気楽に考えています。

 飛行機と「どこか」を密接な関係で結ばなければなりません。


 このどこかは、第三者がいる場所を(もしくは活躍する場所を)想定しています。

 大統領の家族は飛行機の外に置きましょう。中においてもなんの役にも立ちません。大統領の分身である家族を大統領と同じ飛行機の中に置いておいては、ますます舞台が飛行機内に限定されます。


 ここで、大統領の家族を新たに想定し始めました。
 これで要素がかなり増えてきたことになります。
 人物:大統領・テロリスト・第三者・家族
 舞台:飛行機・どこか・家族のいるところ
 道具:なし
 決まりごと(世界観):「アメリカはテロと取引しない」
 単純に倍増しました。
 この後、エアフォース・ワンという舞台がいかにダメかを話し始めます。

 飛行機は魅力的な舞台とは言えません。はっきりといって落第点です。豪華客船ならば、しかも沈没すると分かっているタイタニックならば、魅力的な舞台なのですが(^^; 飛行機は人物の行動を必要以上に制限してしまいます。


 もうここまで言われると、エアフォース・ワンではなく、タイタニックの大統領にして、ハイジャックじゃなくて、シージャックだったことにしたくなります。案外面白いかもしれません。沈没することが分かっている豪華客船で繰り広げられるシージャックと、宮廷陰謀劇とか、たぶんこれまで類例がない気がします(^_^;
 野ばらの諸侯シリーズで、そういうのあってもいいかもと思うのですが、あー、宇宙船にしたらたくさんありそうですね……orz 却下……。

 主役が世間から隔離されていますので、物語は精神的な物になるはずです。マスメディアを使用して、精神的に外を動かすお話にしましょう。つまりテロリストよりも謀略がいいわけです。大統領のスキャンダル利用して、大統領を失脚させようしている謀略というのはいかがでしょうか。なにか、面白そうですよ(^_^) 何かわくわくしてきました。


 これはエアフォース・ワンなんだから、中継できるマスコミもいるだろう、だから大統領が手を出せない下界と、大統領のいる上空で同時並行的に情報戦が行われることを想定しています。
 これは大統領と家族が「直接的には」会話をすることができず、マスコミを介した「公開された」会話でしか意思疎通できない、というシチュレーションが、お? おおお! これはいける! めちゃくちゃ面白い! と盛り上がっているのです。
 スキャンダル公開解決は週刊誌的ですし、人間的です。

 大統領はスキャンダルの渦中にあった。女性問題だ。


 これはクリントン大統領を想定しています。
 一応書いている時期は在任中ですね……。この辺は、節操ないというか……。

 そこで、一気に失脚させようと、裁判に向かう大統領をハイジャックした。テロリストを装っているが実は謀略で、銃で脅しながらマスメディアに対して無責任な言葉を言わせる。ハイジャックの四十八時間(例えばですよ)の間に大統領の支持率に致命的な打撃を与える謀略。それに気付いた家族が、スキャンダルでずたずたになってしまっていた家族が一致団結して大統領を救おうとマスメディアを動かし始める。


 説明が難しいのですが、危機対応でみっともない対応を取れば、当然にリーダー失格の烙印を押されます。ハイジャックによって大統領はピンチです。そこで、アメリカの不文律を侵せば、当然に無事に降りても、国民の信用を失います。
 というか、スキャンダルですでに家族との絆はずたずた、もはや大統領を支えようとするスタッフすらいない。
 孤独の大統領なのです。
 そして、大統領はテロリストの国に強硬姿勢を取っていた。だから、テロリストはこの大統領を失脚させ、野党の大統領にかわってほしい。おもいっきし内政干渉ですねw 
 ここから、大統領は大統領としての自覚に新たに目覚め、国民に対してアメリカはどうあるべきかをハイジャックされた飛行機から演説する。
 おお、けっこういい物語ですね。

 どうでしょう! 感動のヒューマンドラマです(笑)!
 名シーンがいくつも浮かんできます(笑)! はたして、エア・フォース・ワンがどのような物語であったのかは分からないのですが、こんな風にすると、わくわくできる物語になりますよ。現実的なつじつま合わせは最後の最後でいいのです。


 ちなみに、この時点で、第三者とどこかはどうでもよかったことになっておりますw

 さて、この「エアフォースワン」の改良には、要素による解析法を使用しました。
 いくつか耳慣れない概念があったのではないでしょうか。
 たとえば、関係線。舞台。人物の行動を制限するなどという考え方も目新しいかも知れません。ですが、先の例のように、しっかりと要素をつかみ、その一つ一つを評価し、具体的に改良をする方法を知っていれば、物語の設計にかかる時間はとても短くなります(上の例は信じがたいかも知れませんが、キーボードを打っていた時間と同じくらいです。だいたい三十分位でしょうか)。さすがに無から何かを生み出すのはどんな方法を用いようと難しいことに変わりはありませんが、このように要素を用いて物語を見ると、お手玉でもするように簡単に(そして危なかっしくもあるのですが(^^; )、自由自在な軽業のように物語の「変換」が可能になるのです。


 と、ありえないぐらいさらりと魔改造を完了したことにしていますが、物語解析ってなんですか? と言われると、ん……、と三週間ぐらい悩んだ末に、これが一番分かりやすいかな? と思えたのが、これなのです。
 で、それって、どうやるの? という質問に答えたつもりなのが、物語解析なのです。
 これで物語解析のことは全部分かりましたよね!
 ……、ということにしたいのですが……、難しいかなあ……。


 ■物語解析とはなんぞや

 さて、難しい話題になってまいりました。
 基本的に、物語解析は、ストーリーを放棄する、という理念に基づいていて、じゃあ放棄したあとには何が残るの? と言われると、物語が残ります、というものなのです。
 では、その物語というのはどういうものなの?
 と言われると、エアフォースワンで話した様な内容で、ここにストーリーってないよね? ないことだけ確認してほしいのですが、わたし、エアフォースワン観てないから、ストーリー知らないし。
 ストーリーがない状況で、全部進んでます。
 これが超えられない壁なのです。
 超えられるかな?

 物語の世界になると、人物、舞台、道具、世界観だけで、お話が進められます。
 こちらは自由の世界です。
 ストーリーがない世界です。
 勇気を持って、ストーリーがない世界にも旅してみましょう。

 そのときの指針は、人物、舞台、道具、世界観です。
 ようこそ、新しい世界へ。

 ドラえもんまでたどり着けなかった、と思いつつ・・・。

JUGEMテーマ:ゲーム

| hikaliのゲーム論 | 04:59 | comments(0) | trackbacks(0) |
[hikaliのゲーム論](6)  物語解析解説(後編part2)

 こんばんわ! 管理人のhikaliです。
 なかなかにわき道にそれて収拾つかなくなってきた本質に迫る内容になり始めて、ヒートアップしてきた感じが、分かるのではないでしょうか。

 前回までの回で、静の物語解析で非常に重要な、物語の独立要素の話をしました。マスター権限とプレイヤー権限の話をし、マスター権限において、この独立要素であるという感覚が大切だという話を書いたつもりです。

 人物、舞台、道具、決まりごとという四つの独立要素は、ストーリーから独立している。

 たったのこれだけ。
 一見大量に説明があるように見えるのですが、物語解析はひたすらにストーリーなしで物語を把握するということを目指した技術なのです。
 また、ストーリーがなくなると、ほんとうに自由に物語を構築/分析できます。
 例えばハウルの動く城の原作を分析して、この話の原作には「心臓に該当する部分」があったのですが、映画化するにあたってそれが心臓であることにも気付かず、その心臓を切ってしまったために、血が流れないゾンビのような作品になってしまったと分析できます。
 これがひとたび分析者がストーリーに支配されてしまうと、ただひとつのストーリーだけを見ることになってしまい、その範囲外にある、物語の多様な可能性に目が向かなくなってしまうのです。
 なんども繰り返しますが、ストーリーの支配からいかに逃れるかが、物語解析なのです。むしろこれ以外に意味がないといっても良いほど。物語に唯一解はない、これだけです。ストーリーというのは選択物であって、いろいろな状況から選ばれたものなのです。
 それが最善であるかどうかは、誰にも分からないのですね。

 この辺は、新物語解析で語っている話なので、せっかちな人は、そっちを。
 「新 ・ 物 語 解 析」
 http://story-fact.com/mk_log.php


 物語の分析というとどうしても情緒的になってしまい、客観よりは主観、しまいの果てにはあのストーリーは好きだ、あの話は泣けた、とそれって物語の分析とは関係ないですよね? と思ってしまう地点に行き着いてしまうのですが、物語解析はほんとうにロジカルに物語を解体したり、ブロックのように組み立てたりすることができます。
 これもひとえに、

 人物、舞台、道具、決まりごとという四つの独立要素は、ストーリーから独立している。

 この原則をひたすらに追求しているからです。
 この、物語の構成要素の分析は、物語の分析や構築に客観性を持ち込み、

 この物語のここ部分と、あの物語のあの部分は、構造が一緒ですよね?

 とか、

 物語に動きがないから、これはこういう人物を投入して、こういう関係線を引けば上手く機能する、というかのび太の鉄人兵団がそうやって機能させていたじゃん。

 と言ったようなことができるようになります。
 言葉を繰り返しても仕方ありません。
 それが実際にそうである光景を見ていきましょう。


 ■のび太と鉄人兵団に見る、改造の可能性。
  しずかちゃんなしで物語は成立する? やってみよう!


 さて、これまで物語解析の有用性を話してきたのですが、実際にそれが働いている場面の話になります。
 実のところ、連載していた物語解析に大量の実例があります。
 それはいまのわたしが読んでも、こんな深く踏み込めるんだ……と思うような、実力充分な物語の解析結果だったり、物語を構築する実例だったり、概念の説明だったりするのです。正直、当時のわたしが、今のわたしを睨みつけて、なんか文句ある? 間違っている? と聞かれても、いや、正しいかの判断をできるレベルにないが、どうも正しいように思える、と答える以外にないのです。
 だから、静の物語解析である、物語解析の連載の説明は当時のわたしに聞いてくれと気分になるのですが、それでは、若干不親切です。
 そこで、及ばずながら、当時語りつくしていない部分に焦点を当てつつ、解説的に補足をしていきたいと思います。

 さて、この章にタイトルされている言葉は、たぶん物語解析のこの回を読んでいる人には、刺激的なはずです。なぜならば、この回で語っているのは、しずかちゃんの役割がとても重要で、この「のび太と鉄人兵団」という物語のほとんど中枢であることを語っているからです。
 なので、ここはゾクゾクしてほしいのですが。え? 読んでない? 
 
 まあ、一応紹介しておきますが、ここからの面白さに直結する解析ですので、もしノッて行きたいのであればぜひ。紹介しておきます。

 ■要素による解析基礎 「人物」 実践編
 http://story-fact.com/mk_log.php?shu=kmk&num=7


 さて、問題は、こののび太と鉄人兵団は、しずかちゃんなしで成立するのか? です。
 これはおそらくかなりレベルの高い話で、それなりのプロクラスでも結論が出ないでしょうし、すくなくともわたしはこの答えに答えられなそうな人が、不勉強にも思いつきません。
 しずかちゃんなしでも、のび太と鉄人兵団は成立するのでしょうか?
 わたしの答えは、その可能性は検討しないの? です。

 ストーリーに意識が支配されると、他にありえたストーリーに頭が行かなくなります。
 一本道のストーリーに比べて、物語というのは横幅があり、書きようによってはその驚くべきポテンシャルを引き出すことだができます。ストーリーの書き手は、その目の前にある物語からどれだけ最大限のポテンシャルを引き出せるかを考えるべきで、そう考えれば当然に、すでにあるストーリーを否定してみる必要が出てくる。
 頭ごなしに、こういうストーリーがいいんだと言うと、プレイヤーを支配してしまいます。
 参加しているプレイヤー、ゲームでない場合を想定すれば、登場人物の意思を奪うことになり、ストーリーが支配する息苦しい、いきいきとした人物の生きていないディストピアに特攻することになります。
 さて、しずかちゃんのいないのび太と鉄人兵団は作れるのでしょうか?

 たぶん、この辺りで分かったと思うのです(^_^;
 別に藤子・F・不二夫の素晴らしいストーリーだけが、この物語に存在しうるストーリーではないのだと。
 確かに藤子・F・不二夫センセの書いたストーリーは、ぽかんとするようなマジックに満ちていて、なんでこんなストーリーを書けるのだろうと、唖然とするには充分すぎるほどに高度です。ですが、そのストーリーをなぞっているのは、将棋の天才、羽生さんの棋譜をひたすら再現する将棋をしているようなものです。それは棋士ではない。単なる棋譜再生機です。
 では、羽生さんがみおとしたかも知れない地点を見てみましょう。
 そこを検討しましょう。
 その疑問は、これです。
 しずかちゃんがいなかったら、この話はどうなっていたのだろう?

 この話はとても高度です。
 なぜならば、しずかちゃんはこののび太と鉄人兵団においては恐ろしく重要なのです。もはや、なければストーリーが構築できないほど。このしずかちゃんマジックは藤子・F・不二夫の劇場と化しているのですが、これをあえてなかったことにしてみましょう。ええ、しずかちゃんはいないのです。それが唯一の縛りです。
 できますか?
 やってみよう!


 ■鉄人兵団におけるじずかちゃんは、
  物語の奥行きが深くなりすぎてしまわないようにするためにある。


 物語解析のこの回では、この言葉で鉄人兵団の特徴を話しています。

 第二の承以降の主役関係線がこの「しずか──リルル」です。
 なぜこの「のび太──リルル」の関係線は「しずか──リルル」 の関係線に主役の座を譲るのでしょうか。
 これは、リルルの意識に変化が起こり、リルル周りの関係線が大きく変化してしまう予定がある事が理由の一つとなっています。
 「のび太──リルル」の関係は、転の終了を持って十分に強くなった関係になります。その強い関係は過去に幾つかのエピソードを持ち、それが積みあがる事によって物語に奥行きを与えます。長編の小説やドラマでよくあるフラッシュバックはそのような積み上げを観客に思い出させる手法です。
 しかし、この物語においてリルルは他を圧倒して強い人物であり、リルルより発する出来事(イベントの方が分かりやすいでしょうか……)が圧倒的に多いのです。
 「ジュドがリルルの持ち物だと知れる」
 「リルルが次元震を起こしてしまう」
 「リルルがロボットと分かる」
 「リルルが秘密を知られて殺そうとする」
 「リルルを介抱する」
 「リルルが裏切る」
 「リルルが意気地なしと怒る」
 ……、きりがありません(^^;
 もしも、この出来事が全て「のび太──リルル」の関係線で起こったどうなるでしょうか。きっと「リルル──のび太」関係線をどう理解したらいいかが分からなくなってしまいます。物語の奥行きが深くなりすぎてしまうのです。もっともっと分かりやすく言えば文学的になってしまうのです。
 ですから、「しずか──リルル」関係線が生まれます。

 このレベルの批評は読んでいないどころか、わたしはこのレベルで高度なことをしている物語を読んだことがありません。宮崎駿でさえ、このレベルには到達していないですし、たぶん藤子・F・不二夫がこのレベルにあることを把握している人はほとんどないと思うのです。
 こののび太としずかちゃんの、物語の主役の交代はきわめて重要なのです。
 で、その状態でしずかちゃんを消したらどうなるの?
 なくてもストーリーは存在できるの?
 いえ、ストーリーはどんな場合でも存在できるのです。それはTRPGでどんなプレイヤーがやってきて、それが事前にわかっていなくてもシナリオが作れるのと同じです。
 完成されたストーリーの完璧さが問題ではないのです。
 そんなものは、秋刀魚の塩焼きについてくる大根おろしみたいなものです。
 秋刀魚に脂がのってなければ、旨くもなんともないのです。
 脇役です。
 わたしたちはゲームをしているのです。棋譜を指しているわけではない。

 君は羽生さんの棋譜をなぞる人ですか?

 羽生さんは、棋譜の可能性に挑戦しています。新しい棋譜を生もうとしています。この創造するという挑戦は大切なのです。なぞって、信仰しても仕方ないのです。まねて、その到達した地点を確認するのは良いことです。
 でも、あなたはなんのためにここにいるのですか?
 ツ ク ラ ナ イ ノ?

 「新 ・ 物 語 解 析」
 http://story-fact.com/mk_log.php


 鉄人兵団を改造していく過程を説明しましょう。
 物足りなかったら申し訳ない。
 この辺はかなり難しい問題なので、慎重で行かなければならなかった・・・。


JUGEMテーマ:ゲーム

| hikaliのゲーム論 | 22:29 | comments(0) | trackbacks(0) |